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123,Qこの人たちは…Aお久しぶりです!

 結局、昨日の夜は質問攻めにあった。

 まあ、仕方ないと思うけどね?昼間別行動してただけで王族とお友達になるとか普通ないからそりゃ質問攻めにもなるとは思うけどね?


「ふぁ……」

「おはよう、主」

「おはよう……」


 ちょっと眠い。

 夜遅くまで質問攻めにあった結果だ。

 コガネが間に入って止めてくれなかったらもっと遅くまで起きてることになっただろう。


「今日こそ観光、だよね」

「ああ。今日はしっかり手をつないで行こう」

「うん」


 話しながら服を着替え、荷物を確認する。

 お金は小分けに、大事なものは内ポケットに……


「あ、そういえば、カーネリア様から貰ったお金は……」

「荷物の奥に、店主からの軍資金とは別にしまってある」

「そっか」


 カーネリア様から、薬代として結構な額を貰ったのだ。

 流石に貰い過ぎだと思ったのだが、王族から受け取ったものを返すのも失礼だ、と言われてそのまま受け取ってしまった。


「ちょっとした贅沢、ならそこそこ出来るな」

「そうだね」


 昨日寝る前に話し合い、これは私への報酬だから、旅に必要不可欠なものへの支払いはヒエンさんからの軍資金、そのほかの嗜好品なんかはそっちから支払おう、ということにした。


「よし、行こう!」

「ああ」


 支度を終えて、朝食に向かう。

 今日は何かを食べようかな……


「おはよう、アオイちゃん」

「おはよーございます、チグサさん」

「ボク達は今日も出ているから、今日ははぐれないように、ね」

「はーい」

「じゃあ、楽しんでおいで」


 昨日と同じようにチグサさんが待っていて、私の起床を確認して去っていった。

 ……うーん、かっこいい。

 チグサさんを見送って、朝食を食べて宿を出る。


「よし」

「ああ……これで大丈夫だろう」


 コガネの腕にくっついて、肩にモエギを乗せておく。

 これで多分大丈夫。


「まずは、昨日行けなかった観光名所に行こう」

「はーい」


 昨日と同じくらいの人混みに、若干怖くなる。

 なんせ、それではぐれて襲われたのだから。

 まあ、今日はコガネの腕にしっかりくっついてるから大丈夫だと思うけども。


 そんなわけで、ピッタリくっついて歩くこと体感15分くらい。

 コガネが足を止めた。

 この辺りも人が多いが、止まっている人が特に多い。


「ついた?」

「ああ」

「……おお、これって……」

「コロシアム、だな」


 コロシアム……うん、なんか、コロシアムって感じ。

 すごく納得した。


「この国は、魔法が使えないからな。昔から魔法に頼らない強さが求められていたんだ」

「それでコロシアムが作られた、と」

「ああ。昔は盛んに闘技大会が行われて優勝者には名誉と栄光が……」

「今はやってないの?」

「今でも3年に一度開催されるぞ」

「へぇー……」


 ちょっと見てみたい、かも。

 でも、多分怖くて見れないだろうなぁ……

 ゲームなら全然平気なんだけどね。


 その後、周りをウロウロして中をちょっと覗いて、コガネに詳しくコロシアムの歴史と優勝者のその後の話を聞いていたらお昼時になっていた。

 この辺りはご飯を食べれるところも割とあるみたいだから、どこかに入って食べよう、と話していると、少し離れたところになんだか見覚えのある人達がいた。


「コガネ、コガネ」

「……ああ、そうだな。話しかけてみるか?」

「うん!」


 コガネに確認してから、その人達に駆け寄る。


「ケイさん!」

「ん?……おあ、アオイさん!?」

「お久しぶりです!」


 勇者さんパーティーを発見した!

 短い間だったが一緒にクリソベリルの所でお世話になっていたので、仲良くなっていたのだ。


「お久しぶりです、アオイさん。旅行ですか?」

「はい。……どっちかって言うと、社会勉強な気もします」

「それは、いい事ですね」


 リーラさんに微笑まれ、若干照れる。

 リーラさん美人なんだよなぁ……本当に、男の人だとは思えないほど。絶対ドレス似合う。


「ん、アオイ……久々……」

「おはよーございます、ユリシアさん」

「おはよ……おやすみ……ぐぅ……」


 ユリシアさんは、ゼラさんに背負われていた。

 普段はリーラさんが魔法で浮かせて運んでいるけど、ここでは魔法が使えないからだろう。


「まさかここで会うとは。近々エキナセアに行こうと思ってたんだ」

「そうなんですか」

「ああ。やっと連絡手段が確保できたんだ」


 ケイさんはそう言って振り返る。

 目線を追ってみると、サンシュさんの盾の上に綺麗な鳥が止まっていた。

 サクラとモエギに比べると結構大きい。カラスくらいの大きさ、かな。

 その鳥は目が合うと私の顔の前にフワリと移動してきた。


「キュルル……キュイ」

「初めまして。よろしくお願いします」

「キュル、キュキュルル」


 綺麗な声で、何となく威厳のある話し方。

 多分魔力も高め。……どこの鳥さんだろうか。


「……キュ?……キュルル、キュイィルル。キュルルル」

「チュ、チュン……」

「キュル、キュルルルル」

「ピィ!!」


 考えていると、鳥さんはモエギに気付き、口説いてサクラに怒られた。

 サクラが怒るの初めて見たかも。

 鳥さんとモエギの間に入って翼をバサバサやっていたサクラは、鳥さんがケイさんの肩に移動したのを見て私の肩、モエギの隣に止まった。そしてモエギにくっつく。


「……アオイさん、今の会話は……?なんか怒らせちゃったみたいですけど……」

「ああ、その子がモエギを口説いてました」

「はあ?」

「キュルルル。キュイイ(美しいものを口説いて何が悪い)」


 ちなみにさっきの会話は、

「ん?……お主、美しいな。我が番とならぬか?」

「え、ボク雄ですけど……」

「そのようなこと、些細な問題であろう」

「ダメ!!」

 って感じです。鳥さん、雄なのにモエギの事口説いたのね……


「あー……なんかすいません……」

「いえいえ」

「ピィィ……!」

「はいはい」


 サクラがここまで毛嫌いする人……鳥も珍しいな。

 モエギに関わることだとこうなるのか。


「それじゃあ、今度から手紙はこいつが運ぶので」

「はい」

「キュルルー♪」

「チュ「ピィー!!」


 ケイさんたちが去って行ってもサクラの機嫌は直らず、プンスコしながらモエギにくっついている。

 ……可愛いけど、機嫌は直してもらいたいな。

 お昼ご飯は、果物が置いてあるところにしよう。

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