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114,Qどこに行きますか?A別の大陸です!

 夜、帰ってきたコガネ君に一体何がどうなってそうなったのかと問い詰められ、ヒエンさんの思い付きだろうと答えると頭を抱えて蹲ってしまった。

 ……ごめんね?私もよく分かってないんだ。


「……明後日に出るんだな?」

「うん」

「明日、お昼には師匠のところから戻ってくるから必要な物を買いに行こう」

「分かった」


 立ち直ってからの行動が速い。

 コガネ君は早速現在の荷物の確認と必要なもののリストアップを始めた。


「……というか、主」

「うん?」

「その手袋は?」

「あ、これね、レヨンさんからの贈り物」

「……いい素材だ。旅の間は常に着けていた方がいいな」

「分かった!」


 コガネも認める、いい素材。

 ……なんの魔獣の皮なんだろう?

 魔法を使う魔獣か……今度、少し調べてみよう。

 いっぱい居そうだけど、何となくこんなやつって分かるだけでもいいや。


「おーい、ご飯出来たぞ」

「はーい」


 レヨンさんに呼ばれてリビングに行く。

 レヨンさんは夕飯をテーブルに並べながら、今戻ってきたらしい小鳥の報告を聞いていた。

 並べ終わるのと小鳥の報告が終わるのがだいたい同じタイミングだった。


「……ほう。なるほど……お疲れ様」


 レヨンさんは小鳥の頭を撫でて、小皿を台の上に置いた。

 小鳥は一声鳴いてから小皿の中身を食べ始めた。


「……レヨンさん、この子字が書けるんですか?」

「おう。あと何羽か書ける子がいるよ」

「……すげぇ」


 小鳥は足の先にインクを付けて、低空飛行で紙に文字を書いていたのだが、こんな芸当が出来る子があと何羽かいるとか……レヨンさんの小鳥優秀だよね。

 サクラとモエギも優秀だもん。


 レヨンさんによる小鳥教育とかあるのかな?

 それとも小鳥が勝手に覚えるのかな?

 ……あ、こういう事が出来る子達が集まってる可能性もあるのか。


「ほら、食べよう」

「はーい」

「いただきます」

「いただきまーす」


 サクラとモエギは久々に小鳥部屋で休むと言っていた。

 明日は早起きしないとなぁ。

 買い物は午後からだけど、荷物をまとめておかないといけない。


 まあ、私の荷物ってそんなに多くないから、すぐに終わるんだけどね。

 万が一忘れ物があってもレヨンさんの小鳥が届けてくれるし。

 ……それをあてにし過ぎるのは良くないと思うからしっかり荷物整理するけど。






 そんな訳で出発の日です!!

 なんで飛んだかって?書く事が無いからさ!!!

 昨日も特に事件は起こらなかったし。

 強いていうならヒエンさんからの旅の資金が思ってた3倍くらいあった。


 ……ヒエンさん、お金持ちだよね。

 やっぱりあれかな。凄い薬師だから色んなところから注文が来たりするのかな?

 そんな様子はあまり見ないけど。


「やあ、アオイちゃん」

「おはようございます、チグサさん」


 待ち合わせ場所の中央広場でチグサさんと合流する。

 コガネは、旅に出るときには珍しく女の子バージョンで私の後ろにくっついている。

 ……どうしたのかな?


「元気になったみたいだね。安心したよ」

「……その節はお世話になりました」


 私の背中から顔だけ出してチグサさんにお礼を言う。

 ……本当に珍しいな。

 可愛いからいいけども。


「あはは。嫌われてしまったかな?」

「そんなことは……ないけども……」

「コガネちゃんが曖昧な返事を返すとは……珍しい……」


 そんなことを言っている間に、アジサシの準備が整ったらしい。

 店員?の人に呼ばれて、馬車に向かう。


「……で、コガネちゃん。何でチグサさんに怯えてるの?」

「怯えてる、というか……うーん……私が倒れてた時に、助けてくれたんだけど、暴れると傷が開くからって無理やり眠らされたりした、から?」

「疑問系……」

「正直、何で苦手なのか分からない」

「そうなんだ」


 私がコーラルさん苦手なのとおんなじ感じかな?

 まあ、分からないものを聞いても仕方ないか。


「さて、旅の経路とかは移動しながら話すとして……2人は、乗り物酔いとかは大丈夫かな?」

「大丈夫です」

「問題ない」

「そうか。じゃあ、乗り込んで。中に座椅子みたいなものがいくつかあるから、座ってて」

「はーい」


 身軽なコガネちゃんは普通に乗り込んだけど、私は手を貸してもらわないと乗れないな……

 何で馬車って乗り口高いんだろ。


「……大丈夫?」

「……いえ」

「台とか出しとけばよかったね」


 そう言いながら手を差し伸べてくれたのは、アジサシの、たしか副団長さん。

 ……団長っておかしいかな?

 でも、そうやって呼ばれてるのを聞いたんだよな……

 チグサさんは「団長」って呼ばれてたし。


「すぐに出発するから、転ばないように座ってて」

「分かりました」


 馬車の中は広かった。

 クリソベリルの馬車もなかなか大きいけど、これは……なんというか、けた違いだ。

 荷物も結構乗ってるのに、それでも全く狭い感じがしない。


 3階建てって言ってたっけ?

 外から見た感じ、3階はそんなに広くないけど、2階はここと同じくらいの広さだった。

 ……立派な馬車だなぁ……

 これを2頭の馬が引っ張ってるんだよな……馬すげぇ。


「出発するよー、みんな居るね?」


 副団長さんの声がして、馬車がゆっくりと動き始める。

 これから行くのは第4大陸。

 私は初めての大陸越えだ。


 この世界、大陸は全部陸続きだけど、繋がってるのはほんの一部なんだよね。

 そこに関所があって、大陸間の移動を監視してる……って言っても、別に移動に制限がある訳じゃないから、やましいことがなければ止められたりもしないらしいんだけどね。

 海から行けば関所も関係ないしね。


 第1大陸と第5大陸の行き来は船らしいし。

 海挟んで隣だから、その方が圧倒的に行きやすいんだね。

 よくは知らないけど。


「第4大陸か……」

「ん?どうかした?」

「……第4大陸は、色々特殊なんだよね。魔力の溜まり方とか」

「それはつまり」

「魔物が多いし結構強い」

「おうふ」


 私が狙われまくるやつですね分かります。

 アジサシさんに迷惑が……


「出来る限り魔力遮断結界は張るけど……」

「あれだね、いつも通りの結果になるやつだね」

「そうなんだよね」


 コガネ曰く、私の魔力は特殊過ぎる。

 何か裏がありそうなレベルで特殊、らしい。

 そのせいで魔力遮断があんまり上手くいかないんだとか。

 結論は、今回もめっちゃ襲われる。



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