112,Q楽しいですか?A楽しいです!
夕方、探索も兼ねた買い物から帰ってきた。
買い物自体はお昼頃に終わって、サクラとモエギが荷物を家まで運んでくれたので、それからずっと探検していたのだ。
お昼は出店で売っていたあれこれをちょっとずつ買い食いした。
タレがたっぷりかかった串焼きの肉がすごく美味しかった。
「この世界の食べ物って、美味しい物多いですよね」
「味覚的な問題かもなー。私はこっち来た直後はすごい美味しいって思うことあんまり無かったから」
「そうなんですか?」
「おう。1年経ったくらいの頃にはすごい美味しいって思うようになった」
私は最初から美味しかったな……
私の舌はこの世界に合わせてあったのか……?
元の世界でも舌バカってわけじゃなかったけどな……
「さて、そろそろ夕飯でも作ろうかね」
「今日の夕飯は?」
「うーん……リゾットでも作ろうか」
「お米!!」
「おう」
「やったぁ!」
貰ったお米はすべて食べてしまったので、久々のお米だ。
……レヨンさんは、どうやってお米確保の方法を確立させたんだろうか。
私も安定してお米が食べたいなぁ……
パン食が嫌いなわけではないけど、やっぱりお米が好きだなぁ……
この世界麺はあんまり見ないんだよね。
何でだろ。食べ歩きできた方が人気出るのかな?
「あ、アオイちゃん」
「はーい」
「1個お願いしてもいい?」
「はい!」
「これ、書いてもらえないかな?」
渡された紙には、「ガルダの店」というタイトルがついていた。
「分かる範囲でいいから、どこら辺にどんな店があるか教えてくれないかな?」
「はーい……箇条書きで良いんですか?」
「うん」
「了解です」
店……店かぁ……とりあえずワックスフラワーは書かないとな。
あとは、時計のお店。
あとは……薬作る時の材料の店って書いた方がいいのかな?……書いとこう。
日用品とか売ってる店は書くべきか……?
ジャンル指定はなかったし、一応書いとくか。
それから……あ、焼き菓子の店書かなきゃ。
「……ただいま」
「おー。おかえり」
「主は何をしてるんだ?」
「私が頼んだこと」
「……そうか」
他に何の店があるかな……
雑貨屋とか書こうかな。
私がいつも行ってる文房具のお店とか書いとくか。
あとは……常連さんがよく行くらしいお店とか?
冒険者御用達、みたいな店はあんまり知らないんだよな。
薬師御用達、な店なら知ってるけど、あんまり需要ないよね。
……そもそもこれって何用なんだ?
旅行者用とか、そういうのだったらいらない情報が結構ある気がする……
でも、レヨンさんならそれくらい自分で調べられるのか?
私に頼むってことは、日常的に使う店とかを書いてほしいってことで良いのかな?
「さーて、アオイちゃん」
「うーむ……」
「アーオイちゃん」
「あ、はい」
「ご飯出来たよ」
「やった!」
「主、終わった?」
「うお、コガネちゃんおかえり」
「ただいま」
いつ帰ってきたんだろう?
全然気が付かなかった……
そんなに集中してるつもりは無かったんだけどな。
「アオイちゃん、運ぶの手伝ってくれるかい?」
「もちろんです!」
「私も」
コガネちゃんも手伝って、夕飯をテーブルに並べる。
サクラとモエギは私の肩の上だ。
夕飯を食べながらコガネちゃんが今日勉強してきたことを聞いたり、私が今日の冒険の内容を話したりして、その日はお風呂に入ってすぐに寝てしまった。
寝る前にコガネちゃんとお喋りしようと思ってたのになぁ……
疲れてたのかな。結構歩いたし。
階段とか多かったもんね。