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108,Q着きますか?Aもうすぐです!

 今日も昨日と同じく馬車に揺られる。

 昨日は結局ラミアについて馬車を止めてから起こされたのだ。

 馬車の床で寝たせいか、体の節が痛い。


「いてて……」

「主、大丈夫か?」

「うん。大丈夫……」


 今の所、馬車は順調に進んでいる。

 出発前にモクランさんが何かの魔法をかけてくれたんだけど、それの効果なのかな?

 ちなみにモクランさんは現在見張り、ジェードさんが操縦だ。


「アオイ、これやるよ」

「……?何ですか?」

「護符」

「謎に和風ですね……」

「あ?和風ってなんだ?」

「何でもないです」


 ツルバミさんが護符をくれた。

 それにしても唐突だし、何で護符……?


「なぜ急に護符……?」

「今思い出したんだよ」

「さいですか……」


 貰った護符を眺めていると、外を散策していたサクラとモエギが戻ってきた。


「ピィ?」

「護符だって」

「チュン、チュッチュン」

「そうなのか」


 私よりモエギの方が性能を理解してる……

 何でだろ。モエギがすごいのか。


「この護符、ツルバミさんが作ったんですか?」

「いや、うちのメンバーだ。お前に渡せっつって持たされた」

「そうなんですか」


 クリソベリルのメンバー、すごいのは知ってるけど護符作れる人までいるのか。

 どんな人なんだろう。

 和風な人なのかな?第7大陸出身とか?


「会ったことない人、ですよね?」

「そうだな」

「なぜ私に渡せと……」

「さあな」


 知らないんすか……

 気になるな。お礼もしたいし、会ってみたいな。

 そんなことを考えていると、いつのまにやらジェードさんの横に移動していたコガネが声をかけてきた。


「主、灯棒が見えたぞ」

「……おお、ほんとだ!」


 コガネの声に窓から身を乗り出すと、微かに灯棒の明かりが見えた。

 キマイラの壁はまだ見えないが、だいぶ近くまで来ているようだ。


「今回は、着くの早かったですね」

「魔物に出くわさなきゃこんなもんだ」

「そうなんですか……」

「おう」


 つまり今までの私の移動時間の方がおかしかったのか。

 とはいえ、朝出発して今が4時だもんな。

 そこそこの時間はかかってるね。


「……モクラン!代われ」

「いや、もう着くんだけど」

「いいから」


 ツルバミさんがモクランさんに声をかけて見張り台に上がっていく。

 モクランさんは不思議そうにしながら降りてきた。


「何がしたいの、ツルは」

「私に聞かれましても……」


 眉をひそめたモクランさんに聞かれるが、私が分かる訳はなく。

 私も一緒になって首を傾げていると、ジェードさんの微かな笑い声が聞こえてきた。


「なに、ジェードあれが何か分かるの?」

「まあ、分かるけど……2人は分からなくてもいいかな」


 そう言って笑う。

 含み笑い。……むしろ気になる……


「……はぁ。じゃあいいや」

「あ、いいんですか」

「ジェードがああいう言い方する時って何があっても教えてくれないから」

「そうなんですか」


 モクランさんが言うなら、そうなんだろうな。

 ……そういえば、クリソベリルの遠征内容は聞いたけど行き先は聞いてなかったな。


「モクランさんたちは今回どこまで行くんですか?」

「今回は第6大陸まで行くよ」

「遠い……」

「まあ、そうだね」


 私は第3大陸から出たことないからなー……

 どんなところなんだろう。

 とりあえずいつか第7大陸行きたいな。


「……あ」

「どうしたんですか」

「ちょっと指輪貸して」

「……?はい」


 急にどうしたんだろうか。

 まあ、渡すけど。

 この指輪、サイズぴったりだったんだけどモクランさん私の指のサイズ知ってるのかな?

 それともゲームでよくある絶対体格違うキャラに同じ服着させてもぴったりなアレと同じ何か……?


「はい」

「あ、はい」


 くだらないことを考えている間にモクランさんから指輪を返却された。

 何かしてたみたいだけど、何だったのだろうか。

 そんなに長い時間いじってはいなかったけど……


「……うーん?」

「どうしたの」

「モクランさんが指輪に何かしたのか否かを考えてました」

「ああ、ちょっとした魔法をかけただけだよ」

「そうなんですか」


 そのちょっとした魔法が気になるな……

 というか、私の持ち物って魔法とか色々かかってるよね。

 まじないとか加護とか。


「それよりほら、門が見えて来たよ」

「おお、久々!」


 久々に見るキマイラの門は、相変わらず凸凹していた。

 ここ、本当に凸凹だよね。

 整地を一切してないよね。


「俺たちはこのまま進むから、門の前で降ろすよ」

「はーい……このまま進んだら、夜にならないですか?」

「夜にしか出ない魔物の討伐任務もこなしがてら行くからね」

「なるほど……」


 つまりもうすぐお別れか……

 なんか寂しいな。

 まあ、ずっと会えないわけじゃないからね。

 私たちが帰る方が早い……だろうな。


「はい、着いたよ」

「はーい」

「それじゃ」

「はい。お気をつけて」

「君もね」


 門の前について、そんな話をしている間にコガネが荷物を下ろしていた。

 サクラとモエギは先にレヨンさんの所に行っている。

 去って行く馬車に手を振ってみたら、見張り台にいるツルバミさんが手を振り返してくれた。


「主、行くぞ」

「うん!」


 そんなわけで、久々のキマイラ入国だ。

 今回の遠出、どのくらいキマイラに滞在するかは未定というなかなか無計画な遠出内容なので、とりあえず楽しもう。

更新速度戻るって言った次の週に送れそうになりました。

危ない危ない。

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