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10,Qヒエンさんはどこですか?A……どこでしょう?

 ドラゴン現る。

 ……うん。ちょっと待とうか。

 一旦落ち着こう。


「……ヒエンさん」

「なあに?アオイちゃん」

「ドラゴンって、あのドラゴン?」

「多分そのドラゴンよ」


 おいおい。どうゆうこっちゃ。

 え?なに?ここにドラゴン来るの?


「ヒエンさん」

「なあに?アオイちゃん」

「ドラゴンって人のこと襲うの?」

「たまにね。下級のドラゴンは襲うわね」

「……それってさ、この街、超危険じゃない?」

「危険ね。多分世界で一番くらいに危険ね」


 えー……マジで?

 そりゃ皆逃げるよね。

 だって危険だもん。

 こうして店先でのんびり喋ってる場合じゃない。


「ヒエンさん」

「なあに?アオイちゃん」

「逃げないの?」

「逃げても逃げなくても変わんないわよ。ドラゴンは飛ぶんだから。陸でしか移動出来ない人間が逃げおおせられる道理はないわね」


 ヒエンさんが冷静に絶望的な状況を説明してくれる。

 ……つまり、死ぬんじゃね?私。


「ヒエンさん」

「なあに?アオイちゃん」

「これってつまりバッドエンド?」

「そうでもないわよ」

「……その心は?」

「ここは王都だから、王が我が身可愛さにドラゴン討伐してくれるでしょ」

「そこは国民のためって言って欲しかったな」

「国民のためにって討伐しても根本を見れば討伐したことで国民が自分と自分子飼の騎士団が称えられたいからでしょうね。逆に言うと叩かれないためね」

「世知辛いね。悲しいな」

「そんなもんよ。しょうがない」


 こうして店先で世知辛い話をしている間に、ドラゴンの雄叫び的なものが聞こえてきた。


「……ヒエンさんヒエンさん。コガネちゃんが店の中だよ」

「それを早く言いなさいよ」

「ごめんなさい。今思い出した」


 慌てて店の中に入ると、コガネちゃんがカウンターの上をパタパタと走り回っていた。


「ごめんねコガネちゃん」

「キュウ!キュウ!」

「ごめんて」

「キュイ!」

「ん?なに?どうした?」

「キュッキュイ!キュー!!」

「……え?マジで?」


 コガネちゃんの言う(というか鳴く?)ことが本当なら、結構大変だ。いや、結構どころじゃなく大変だ。


「ヒエンさん!」

「どうしたのアオイちゃん」

「ドラゴン!二体いるって!」

「……マジで?」

「マジで!!コガネちゃんがそう言ってる!」

「私は何で会話が成立してるのかが一番不思議だわ」


 言いながら、ヒエンさんが歩き出す。

 となれば私はついて行く他ない。

 いつもよりだいぶ早足のヒエンさんに小走りでついて行くと、ギルドについた。

 ヒエンさんはバン!と音を立て扉を開ける。

 中にいた人たちがビックリしてる。私もビックリしてる。


「ギルド長どこ!?」

「えっハーブさん!?えっと、ちょっと待って下さいね、ギルド長は、向こうでドラゴン討伐隊の人たちと話してます!」

「ありがとう。アオイちゃん行くわよ」

「ちょっ、ヒエンさん速い……あ、待って……」


 ギルドに入った瞬間に叫ぶように言ったヒエンさんに近くにいたギルドの職員のお姉さんが少し考えてから左奥を指差す。


 ヒィヒィ言いながらヒエンさんについて行くと、その部屋には冒険者と思われる人たちが大勢いた。

 ヒエンさんはその中に1人だけいたギルドの制服の、初老の男性に詰め寄る。(ように見える。)


「ギルド長!」

「ハッハーブさん?!どうされました?」

「冒険者のランク、なにで集めてる?」

「え……?あ、えっとCから、ですが」

「即刻A以上にして!」


 ヒエンさんの言った言葉に、ギルド長と冒険者がざわつく。


「はあ?どうゆうことだよ。なんだよあんた」

「ハーブさん、説明をお願いします」


 近くにいた若い冒険者がヒエンさんに詰め寄ようとするのを抑えながら、ギルド長が訪ねる。


「ドラゴン、二体いるから。Cランクじゃ対応出来なくて死ぬわよ」

「え?二体?そんな情報は……」

「入ってなくてもいるはずよ。というか、情報が入ってきてから準備するなんて無理でしょう?」


 ヒエンさんは言い終わると、腕を組んでギルド長を見る。……なんというか、すごく偉い人に見える。


「……分かり、ました。しましょう。A以上に」


 ギルド長が、少し考えてから言った。

 まあ、こうなれば当然反発は起こる。

 そりゃそうですよね。


「おい!そんな女の言う事信じるのかよ!」

「ふざけんな!その女に何の権限があるんだよ!」


 等々……罵詈雑言が飛び交う。

 ……恐いです。すごく恐いです。

 自分が言われてるわけでもないのに、私は怯えてヒエンさんの左腕にくっついた。


「ちょっと待ってくれ」


 男の人の声がしたと思ったら、ピタリと飛び交っていた声が止まった。


「あんた、ヒエン・ウィーリア・ハーブだろ?」

「だったらどうするの?素直にこっちの要望聞いてくれるの?」

「理由を教えてほしい。あんただから、ドラゴンの数が二体だって気付けたんじゃないのか?」


 ヒエンさんの皮肉たっぷりの問いかけには答えず、その冒険者は聞いた。

 というか、ヒエンさんの名前を聞いた瞬間少しざわめいたあたり、ヒエンさんは有名人らしい。


「私じゃないわ。この子よ」


 無茶振りで有名なのかな。なんて想像していたら、ヒエンさんに引っ張られ、ヒエンさんの体の前に持ってこられる。

 ……ちょっと待って、皆私の方見てるんだけど。すごい恐いんだけど。


「あんたが、ドラゴンが二体いるって言ったのか?」

「私じゃありません。コガネちゃんです」

「アオイちゃんでいいわよ。めんどくさいから」


 ヒエンさんと同じ方法で責任転嫁しようとしたら、ヒエンさんに否定された。


「気付いたのコガネちゃんだよ?私はただそれをヒエンさんに言ったに過ぎないよ?」

「アオイちゃんじゃないとコガネちゃんの言葉分かんないじゃない。だから良いのよ。アオイちゃんで」

「待ってくれ、コガネちゃんって誰だ?」

「えっと、この子……ってコガネちゃん逃げないで。何で籠の中で逃げ回るなんて器用な事できるの?」


 手に提げた籠の中にいるコガネを身代わりにしようとしたら、コガネが逃げる。すごく逃げる。何でそんなに逃げるの?……あ、人の言葉分かるんだっけ。


「籠の中にいるって事は、何かの動物かい?」

「あ、はい。キツネです」

「なるほど……それなら人が気付かない気配に気付いてもおかしくないな」


 なんか納得してくれた。

 そして、この人はギルド内での立場が上らしい。

 この人が納得したら、なんか皆嫌そうにだが頷いた。


「だがハーブさん、A以上となるとかなり人数が減るぞ。クリソベリルがいないからな」

「くりそべりる?」

「この間うちにきたパーティーよ」


 あ、アヤメさんたちの事か。

 ……あれ?クリソベリルいないのって、ヒエンさんの無茶振りクエストこなす為だよね?それって、元を正すとエキナセアのせいにならない?


「とにかく、人数がいない。どうするんだ?」

「そこを考えるのはギルド長の仕事でしょ?A昇格間近のBランカーとか、ランク低いけど一気に上がりそうな人とか、集めれば良いじゃない」


 ギルド長に丸投げするような事を言っておきながらしっかり意見を提示して、言うだけ言ってさっさと帰って行くヒエンさん。と、腕にくっついた私。


 ギルドから出ると、ヒエンさんは店に向かって歩き出した。

 その間にも、数人の人とすれ違う。


 そして、バサリバサリと何かが羽ばたく音が聞これてきた。

 音のする方を見ると、なんかデカイのがいる。

 よく分かんないけど、いる。


「えっ。あれ、ドラゴン?ヒエンさん、あれがドラゴン?」


 問いかけに、ヒエンさんは応じない。

 おかしいと思って隣を見ると、ヒエンさんの姿はそこになかった。


「え?あれ?なんで?」

「キュイ」

「コガネ、近くにヒエンさんいる?」

「キュー」

「え?いない?マジで?」

「キュ」


 ……この非常時に、ヒエンさんと逸れた。

 どしよう。どうしたらいい?


「コガネちゃん、どうしよっか」

「キュ、キュイ(あ、ドラゴン来るよ)」

「こんな時に?」

「キュウ、キュッ(うん。あ、結構近いかも)」

「マジか〜」


 コガネちゃんの言葉を裏付けるかのごとく、ドラゴンの頭らしきものが見えた。

どうも、こんにちは。

今回はなんとドラゴン襲撃、という事で、自分でもよく分かっていない展開の速さでございます。

どうでもいいんですが、ドラゴンの外見どうしよっかなーって悩んでます。色とか。


そういえば、アオイちゃんはコガネちゃんと会話(?)をしていますが、あれはアオイちゃん個人の能力です。ほかにあれが出来るとすれば、そのうち出す予定の獣人たちですね。獣人さんは、ちょっとした縛りもあります。多分。(←まだ細かいところ決めてない)


そんな感じです。どうやってしめればいいか分かんなくって思わずそんな感じとかいいましたが、どんな感じでしょう?誰か分かりませんか?

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