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サービスを良くしよう

お役様がいらっしゃらない。

なぜか、立地が悪い。場所がわかりづらい。アピールが足りない。知名度が低い。

これらが俺の考えられる店の悪条件。

お役様が来ない理由だ。

前回はチラシを魔の森中にばら撒いて宣伝をしたが、ギルドに立ち寄って調べたところ宣伝効果はゼロに等しい。


寧ろ、魔の森の新ダンジョンか何かだと思われている始末だ。


ならば次なる戦略を・・・!


そう思いついたのが昨日のことだ。

チラシ以外に何かいい方法はないかと考えたが全く思いつかない。

外に呼び込みに行こうにも、この店は俺しか従業員がいない。


なので、呼び込みに行くと店の中が空になってしまう。

もし俺が呼び込みに行っている間にお客様が来たらどうする?

開店してはや十数日が経過して初めてお迎えするお客様をお待たせするのか?

最悪なのは、お客様が店内に誰もいないことを理由に帰ってしまうことだ。

もしそんなことが起こったら俺は店長失格だ。

店はもうたたむしかないだろう。


客を呼べない。折角来たお客様を出迎えることができない。

そんなお店に価値等ないのだ。

だから、俺はお店を改造したりお店のサービスを良くすることに力を注ぐことにした。


まずは、魔の森という特殊な場所にある故のサービスを考えた。


サービスその① 回復魔法をかけてもらえる。(有料)


このサービスは自分で思いついておいてなんだが、かなりいいんじゃないかと思う。

魔力が無限に使えるわけではない以上、有料なのは致し方ないだろう。

かけてもらう回復魔法を小、中、大、特大の四つから選べるプランになっている。

必要な人に必要な分だけ。

お店も儲かりお客も喜ぶ。

きっと冒険者に大人気のサービスになるだろう。


サービスその② 料金に応じた応急処置・治療を受けられる。


これは先程の魔法とほぼ同じ内容だ。

魔力ではなく包帯や薬草、薬といったものを使用しての治療を受けられるサービスだ。

薬の量や使用する物は料金プランによって変更され、金額が高ければ高いほどいい薬やいい包帯を使い傷を癒すことができる。

魔力同様に物資にも限りがあるので相場よりは高額だがきっとこちらもお客様に喜んでもらえるはずだ。


サービスその③ 宿泊施設として利用可能


怪我人の人の中にはベッドを必要とする人がいるかもしれないと思い一応、以前から用意しておいたが、これを機会に少し増築して宿泊施設化してしまえばかなり儲かること間違いなし!

安全で快適な宿泊施設が魔の森の中にあるのだ。

需要はかなりあるだろう。

決して誰も来なくて暇だから増改築するわけじゃないぞ!(←ここ重要)

あと、お風呂を大きく改造して楽しみたいだなんていう自分本位な考えは少ししか持っておりません!


(待てよ・・・? 宿泊施設ってことは女の人が来てもいいように女の子用のお風呂も作らないといけないのか・・・ よし!頑張ろう!!)


ということで、気合を入れて女性用のお風呂も作ることにした。

の、覗き穴なんて作ってないよ?本当だよ?


サービスその④ メニューを充実化させよう


これは喫茶店としてでもそうだけど、宿泊施設としても使うならお酒や食事にも力を入れないとね。

サンドイッチやパンケーキにコーヒーやハーブティーだけでは喫茶店としてはいいけど宿泊施設としては弱い。

お客様が来ないお店なのに来店したお客様を逃がしては意味がない。

リピーターを捉まえてそこから芋づる式にお客様を・・・!

おっといけない。

欲が出てしまった。


まぁつまりはこれから忙しくなるぞ!

というか、やることをたくさん見つけて勝手に忙しくなるぞ!

というわけで新メニューの開発を行うためにちょっと食材を集めに出かけるのだった。













あれ・・・?


俺、店をほったらかしにしてる・・・?


そのことに気づいたのは魔の森で取れる薬草や野菜、果物を採取してある程度量を取った後だった。



慌てて帰るがお店には誰も来ていなかった。

誰かが来た形跡もなかった。


「ふぅ、よかった。」


こう思ったのは俺が店長失格だからだろうか・・・?

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