表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/102

アピールをしてみた

開店からはや10日が過ぎた。

どうやら知名度が低すぎるのか開店からこの日までまるでお客が来はしない。

最初は「掃除しよう。」と掃除をはじめ3日かけて店の隅染みまでを掃除した。

もっとも、出来立ての新築であるこの巨大な巨木を掘り削ったお店に汚れなどさほどなく・・・

正直言ってただの暇つぶしだった。


それからは朝の間軽く掃除をしてからコーヒーやハーブティーの入れ方を再度お勉強。

喫茶店を開く前意にあちこちの村や町を回って喫茶店のオーナーやコーヒー豆やハーブを栽培している農家から一番うまいと思う淹れ方を教わった時にメモを取ったノートを広げて7日間かけて勉強し直した。

おかげで、開店当日よりうまくなった。

・・・と思う。


いや、自分が飲んではうまいと思うけどね・・・

他人に飲ませてないし・・・

お客様来ないし・・・

うち、俺一人しかいないし・・・


(たまには店の外に出るかな・・・)


店の外、それは未知の世界といっても過言ではない。

なにせここは未開の地である魔の森なのだ。

危険極まりないモンスターや未発見の植物に毒草といった物がわんさかあるのだ。

では、なぜそんな森の中に店を構えても安全なのか?

それは店には『強力な防御結界』と『害意ある者には店を見えなくする結界』が張ってあるからだ。

そして、店の主人たる俺が街に買い物に行けるのも自分を守る強力な結界が張れるからだ。


結界魔法以外にも領域の魔法が俺の得意分野だ。

そんな三大魔導である攻撃、回復、防御の魔法よりもマイナーな結界や領域といった魔法を使う俺は魔法使いとしてなかなか稀有な存在だ。まぁ変わり種ともいうが・・・

三大魔導に属する攻撃、回復、防御の魔法も使えないこともないが『強力なもの』となると使えないのだ。

魔法は他にも付加や付与、転移や召喚といった魔法は苦手だ。

なので、街への買い出しは『徒歩で』ということになる。


(俺も転移魔法は覚えた方がいいのかな・・・)


そんなことを思いながら周囲の散策をして珍しい果実や薬草を見つけていく。

まぁそれが本当に果実か薬草なのか毒草なのかわかんないけどね。

俺の店には領域の魔法がかかっているので人体に害のある物は持ち帰ればわかる。

あとは、害がないと判断された物を食べたり調理したりして店に出せる品づくりをすればいい暇つぶしになるだろう。


新作のお菓子作りにコーヒーやハーブの独自ブレンド。

客がいなくてもやることはたくさんある。

たくさんあるんだけど・・・


(やっぱりお客様がいないと来ないと駄目だよね・・・ 今のままではお客様が来る可能性はゼロに等しい。この状況を打破するためにはやはりお店をアピールするしかない! よし! チラシでも作るか!)


こうして俺はチラシを作って魔の森に貼りまくった。


『魔の森にある喫茶店 オアシスをよろしくね♪』


という内容のものを貼ったんだけど、後日にギルドに行くとこんな噂になっていた。


「知ってるか? 魔の森にオアシスっていう伝説の湖があるらしいぞ?」


「え? 魔物が経営しているって噂のお店じゃないの?」


「店の形をした新型モンスターって話だぜ?」


という噂が流れておりお客様が来そうにない感じだった。


(やっぱり、店出す場所間違ったかな・・・)


そんなことを思いながらお店に帰る俺だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ