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こ・・・ ここは喫茶店なのか・・・?

ワシの名はデバック=フロスト。

今年で54歳を迎える初老の冒険者だ。

弓を主な武器とし、かれこれ30年以上戦い続けている。


現在は《暴君》と同じパーティに属しているのだが、正直早く抜けたい。

ワシは実力的には攻略組についていけるだけのものがあるが、年齢が年齢なので隠居を考えている。

だから、攻略組のパーティを抜けて安全な中間組のパーティに属していた。

なのに、パーティの奴らが《暴君》を仲間に引き入れちまったのが運のつきだ。


あの怪物に付き合わされて若い仲間達はメキメキと実力をつけていった。

おかげで攻略組のいる場所までいけるようになっちまったから俺もそこについて行かなくちゃならない。


歴戦の冒険者とはいえこの歳で新しいパーティに入って人付き合いをするのは精神的にしんどい。

だから、抜ける時は引退する時だと決めていた。

引退したらどこかの村の畑でも耕すつもりなのだが・・・


あの《暴君》が無茶をするから若いのだけにするのはまだ怖い。

《暴君》はワシのことを以前から知っているのもあってかワシの意見はまだ聞いてくれる。

そのおかげであいつの無茶を何度か減らした事がある。


だが、若いのは経験も場数も少ないから《暴君》はきっと耳を貸さないだろう。

なので、ワシは仕方なくあと一年ぐらいはこのパーティで頑張るつもりだ。

もっとも、最近腰が悪くなってきたのでどこまでやれるかは分からないがな。


そんなある日。

《暴君》の仲間である《無敗の防壁》に出会った。

さすがはあの《散歩に行こう》のメンバーだ。

彼との行軍はかなり安全だった。


そして、彼の経営する喫茶店についてワシは驚いた。

魔の森に喫茶店を出しているにもかかわらず内装も外見も美しく。

金額は高いが料理もコーヒーもおいしかった。


だが、ワシが感心したのは2階にある客室と地下にある温泉じゃ。

二階の客室は1人部屋の個室が2つと4人部屋が2つの計4つしかないが、広くて清潔感があった。

恐らく、一人部屋も四人部屋も布団を敷けばさらに多くの人間が泊まれることだろう。

この魔の森に泊まることができる施設があるなんて革命的じゃ。


《暴君》の奴が住みつこうとした気持ちがわかる。

住むには不便じゃが拠点としてここは最高じゃ。

ベッドは手作りらしいが普通の宿泊施設よりも素材がいいのか。

寝心地は良さそうじゃった。


しかし、地下の温泉はそれ以上にすごかった。

浸からせてもらったが、さすがは魔の森の天然温泉じゃ。

疲れをいやす効果があるのか。はたまた、特殊な治癒効果があるのか。

最近、痛みだした腰の痛みが引いたような気がする。

いや、それどころか。

以前よりも体が軽い。


浸かった瞬間思わず「ええ気持ちじゃ~」と言ってしまったわい。

ワシ、この温泉に浸かりにまた来る。


この温泉に浸かればあと1年と言わずに5年は現役でいられそうじゃからな!


(問題なのは女風呂を覗く穴がない事かの~・・・)


ワシは少しだけ残念がりながら喫茶店を後にするのじゃった。


サブキャラの話ばかりですみません。

次からは主人公目線に戻ります。

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