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外道屋の蘇生術

遅くなった上にちょっと短いです(´・ω・`)

俺は裏生徒会室にて呆気にとられていた

目の前には海人と舞香がいた

「なんでお前らがここにいるんだ?」

「あの先生に連れてこられたから」

「…それしかないよな、やっぱり」

俺は社長の方を見る

「それで、なんで連れてきたんですか?」

「もちろん、この間の続きよ」

「続きというと、あの子達の病気のことですか?」

「そうよ。 君たちにこの子達の病気、それと治療法について説明しようとおもってね」

「しかし、なんで俺たちにそのことを話すんですか? 必要ないでしょう」

「カイル君とフォルちゃんを使うからよ。 場合によっては二人共消える可能性があるから」

「ど、どういうことだ!?」

「そのためにはこの子達のこともはなさなきゃならないから。 いいわね?」

社長が海人達に確認を取り、海人たちは了承する

「事の発端は1年前、光士君…というより私がこの子達に会ったのがきっかけよ」

やっぱり、光士じゃなくて社長と会ってたんだな

「その時この子達は自殺しようとしてたんだけど、その原因は…がんよ」

「がん? がんって子供がなるものなのか?」

「絶対数は少ないけどあるわ。 といってもこの子達のは普通じゃないけど」

「どう普通じゃないんだ?」

「普通のがんは体内で増殖し続けて生命を危険にさらすわけだけど、このがんは減ることもあるの」

「別に悪いことじゃないんじゃないのか?」

「ただ減るだけならいいけど、感情に合わせて増減するのよ。憂鬱になると減って、その逆なら増えていく。 そんな嫌がらせみたいなものよ」

「それで、どうしてカイル達が出てくるんだ」

「この子達のがんは治療することは不可能なの。 けどひとつだけこの子達のがんを取り除く方法があるの」

「なんだよそれは?」

「死ぬことよ」

「なっ!」

「このがんのもうひとつの特徴よ。 死ぬとまるでなかったかのように消え去る」

「それでこいつらはどうするんだよ?」

「生き返すのよ。カイル君たちを使ってね」

「だから、どうゆうことなんだよ!?」

「この子達を殺したあとにカイル君たちをこの子達に入れる。 そうしたらがんがなくなった状態で生き返るわ」

「なら、それをやればいいだろ」

「この方法には二つ問題点があるわ。この過程には殺すことが入っていて倫理的にまずい。 それに私は百%成功する自信があるけれども、失敗する可能性はあること。もう一つは、生き返ったとき人格がどうなるかわからないことよ」

『人格がどうなるかわからない』それは海人達もしくはカイル達の消滅する可能性を含む言葉だった。

沈黙がしばらく続いた。

「この処置をするかどうかはこの子達次第だけど、あなたたちも最悪の事態を考えて心の中にとどめておいて」



帰宅しいつもどおり家事を済ませ、ベッドに横たわる。

「一体俺にどうしろと? 何ができるわけでもないのに」

反対するか、賛成するかそんなことは俺にはできない。面倒だからとかじゃない、人の人生になにか言えるほど俺は人間ができちゃいないからだ。俺自身、こんな問題を抱えたらどうするかなんてわからない。

「にいちゃん…」

携帯から声が聞こえる。

「カイルか…」

「にいちゃんはあの治療はしたほうがいいと思うか?」

「さぁな。 俺には分かりかねる。 …お前はどう思うんだ?」

「俺たちに拒否権はないよ」

「お前の気持ちを聞いてみたいんだ」

「うーん…考えたことなかった。 俺たちは元々あいつらの治療のために生み出されたんだ。 そのことに疑問を持つことはなかったよ」

そんなことは初めて聞いたな。

何と答えたらいいか分からず

「そうか」

とだけ答えた。

カイルとは短い付き合いだが、AIとは思えないほど人間っぽくて弟のように思っていた。消えて欲しくない。フォルのこともそうだ。しかし、だからといって海人達をないがしろにしていいわけがない。…どう考えたところで俺にはどうしようもない事なんだけどな。そんな無駄なことを考えていたらカイルが話しかけてきた。

「おれ、にいちゃんと過ごしてきて楽しかったよ」

「…お前、自分が消えることを前提で話していないか?」

「そんなつもりはないよ。 でも、もしかしたら二度と会えないかもしれないから」

悲しそうなカイルに何もいうことはできなかった。

「にいちゃん、なんかゲームしよう…。 俺、しばらくしたら海人のところにいかなきゃいけないんだ」

俺はただ「そうか」としか答えることができず、虚ろな気持ちでカイルとゲームをした。しばらくカイルとゲームをしてカイルは「おもしろくない」と言ってどこかへ行ってしまった。

「何をやってるんだ、俺は…。 本当に最後かもしれないのに」

俺はしばらく項垂れた。


翌日、朝になってもカイルは来なかった。

少し昨日の気分を引きずったまま学校へと向かった。

教室には普段と変わらない様子の光士と美春がいた。

「どうしたんですか?」

「あ、いや別に。 特になにもないけど」

「嘘つかないの。 いっつも何考えているかわからない顔が今は見るからに落ち込んでいたわよ」

「そうですね。 うつむいていましね」

少しは自覚あったが、人に気づかれるほど表情に出ているとはな。

「四季達は治療の話を聞いたか?」

「治療って海人くんたちの?」

「あぁ。 で、そのことについてどう思ってるんだ?」

「どう思ってるって言われても…」

そこで、美春の動きが止まる。

「どうした?」

「い、いや、なんにもないよ。 どう思ってるかってことに関してはなんというか言葉に表せないこととしかね」

「…そうか。 光子は?」

「僕に関しては言わずもがな…でしょ」

なんとなくそうではないかと思ったけどさ。

「全ては社長次第、そういうことか?」

「そうですね。 僕にはそれ以外ありません」

「意外と薄情な奴だな」

「それは心外です。 ま、そう思われても仕方ないことを言った自覚はあります」



今日もまた裏生徒会室には海人と舞香がいた。

「お前ら、また来たのか」

「先生に呼ばれたからね」

「そうですね。 私としては神宮寺さんにお会いしたいんですけどね。 フォルちゃんとお話ししないといけないと言われまして」

「…お前らは意外と元気そうだな」

「健康体とは言えませんが元気ですね」

「俺は別になんともないだけだ」

安心した。俺は深く考えすぎたのかもしれない。当事者本人たちよりも。子供だからというのもあるかもしれないが、きっと俺の考えすぎなんだ。もっと楽観的に考えることにしよう。

「来週には死ぬかもしれませんが」

「は!?」

自分でも驚くほど間抜けな声が出た

「そりゃどういう意味だ?」

「どう言う意味ってそのまんまの意味ですが」

「死ぬかもしれないってわかっててなんでそんな冷静なんだよ!?」

「なんでって言われても私たちにはどうにかできる問題じゃないですし、気にするだけ無駄ですよ。 治せる可能性のほうが大きいのに受けない手はないですしね」

「海人は?」

「俺も同じ様なものだ」

「治せたとしてもカイルやフォルと入れ替わってしまうかもしれないのにか?」

「それはあの子達にとっても同じですし、それにあの子達と私たちは同一人物かのようにそっくりだと思いました。 記憶も共有されるそうですし、きっと中身がどうなっていようとそこに大した差はないでしょう。 だから、この手術が成功するのならそれはもう既に成功なんですよ」

「右に同じ」

確かに俺もカイルは海人とフォルは舞香と他人とは思えないほどそっくりだと思った。だけどやはり別々の人格でどちらか片方が消えてしまうというのは…悲しい。

「私の作ったAIと君たちが似ているのは君たちをもとにして作ったから当たり前だけどね。といっても一時間話したか話していないかぐらいだけどね」

「たった一時間で話した奴の何がわかるんだよ…」

「一時間って言ったらすごい時間だと思うけどね。 元とは言え神様だし人の気持ちの全容ぐらいわかるって。 それに人だって一時間あればコンピューターソフトを理解して作れるようになるよ」

「それはあなただけだ!」

「そうでもないと思うんだけどな~」

急にコミカルな感じになりやがって、こういうのをなんて言うんだっけな、確か…

「シリアルだね」

「人の心を読むな!」

まったくこの人は何を考えているんだ。…人じゃないんだっけか。

「ふ~む。 いい感じに調教されてきているね」

「調教? なんのことだ?」

「こ・と・ば・づ・か・い」

…言葉遣い?

「敬語がだいぶ抜けてきたね」

そういや最近切れたりツッコミしたりで敬語使ってなかったのか

「やっぱり友人に敬語っていうのは違和感なのよ。 それに勇人君は実は敬語を使うっていう柄じゃないでしょ? 上司とは言え私にはもっと親しみをもって接して欲しいな」

「あの時はどっちでもいいと言っていましたけど」

「私としては自然となくなっていくほうがいいなと思ったの。 この子達を治すのは君のこともあったからなんだよね」

「それって俺が居たからこの治療することにしたということか?」

「半分ぐらいはね。するかしないか迷ってたんだよ、この一年間」

「どうして?」

「深い理由はないよ。 ただ無気力というか気分で動いていただけなんだ」

気分…か

「なんかとても共感できるな」

「フフフ、普通の人はそんなこと言わないと思うけどね。 人の命の事なんだから」

近くで唖然としている海人たちがいた

「つまりさ、にいちゃんが居なかったら治療はしないということか?」

「わからないけど、そうなったかもね」

「えー…」



しばらく、裏生徒会室に残りフォルを待つことにした。なんとなく治療についてフォルの気持ちも聞いておきたくなったからだ。

「まだいたんですか? 白城さん」

「あぁ、フォルを待ってたんだ」

「私ですか?」

「治療のことどう思ってるのかなって?」

「そんなのは大体舞香さんが言ってくれていたとおりです」

「そうなのか?」

「まぁ、強いて私の意見を言うなら彼女も光士様を好きだからです」

…様はディフォルトなんだよな。気にしないしスルーするけど。

「どうゆうことだ?」

「私が残るにしろ、舞香さんが残るにしろ、光士様を狙う人は一人になります。 そうしたら好都合なんです」

「…言ってる意味がよくわからないんだが」

「舞香さんが言っていたでしょう。 私と舞香さんは入れ替わったとしてもほぼ同一人物なんですよ。 それなら、一人になったほうがいいでしょう?」

「自分の意思じゃないかもしれないのにか?」

「自分の意思も何も、私が光士様を好きなのは総プログラムされているからですし」

「そうだったのか…ってその自覚があるのか!?」

「証拠も何もないですけど、そうだと確信しています」

「ならなんでお前は、光士のことを…」

「愚問ですね。 そうプログラムはされているとは思っていますが、このことに関しては私自身の選択なんです」

フォルは強い口調で俺に訴える

「今回のことに関しては拒否権がありませんが、覚悟の上ですし何度も言うようですが彼女と私は同一人物なんですよ。 例えるなら私は替えの臓器のために作られたクローン、単なる部品でしかないんです。 なのに生き残る可能性があるだけ、おかしいんです。 だからといって消えたいと思っているわけではないですけどね」

よく喋るな。悪いこととは全く思わないが…。そういえば

「そっちが一方的に言っていただけだけど、こんなに話すの初めてだな」

「正直、今もですが白城さんのこと、どうでもいいと思っていますからね」 

あぁ、そうっすか。

「…でも、心配してくれてりがとうございます。 嬉しかったです」

おそらく最後となるこの状態のフォルとの会話は、救われるものがあった。

少しばかり引きずっていた感情も取れたような気がした。



その後の日常は至って普段通りだった。カイルとも仲なおりしつつ、悩んでいる俺に周りが「気にしないほうがいい」とか「絶対うまくいきますよ」とか励ましつつ、「女々しい」だとか「バカじゃないの」とか罵られつつ、日曜――あの治療の日がやってきた

いつか訪れた外道屋のビルに裏生徒会メンバーは招集された。

社長が海人たちに問う

「とっくに出来ているとは思うけど、覚悟はいい?」

「「はい」」

前に来た時と同じように中に入る。落ちて入るあの感じ。ただ、今回は前と違う点があった。場所が明らかにドラマとかによくある、白い壁と端に並べられた椅子、奥には手術中と書かれたランプと自動ドア。

病院のお世話になったことはないが、ドラマにあったのと変わりないように見えた。

「な、なんだこれ」

前来た時とはまるで違う雰囲気。唖然として声がでない

「雰囲気出すために作ったの。 どう? 本物っぽいでしょ」

いつの間に着替えたのか、あの緑の手術衣を着ていた。

「なんでこんなのを…」

「こんなのってひどいなぁ。 言いたいことは分からないでもないけど」

「じゃあ、なんで作るんですか」

「命賭けてるからよ」

「…何に」

「あとで教えてあげる」

社長は二人乗せられるストレッチャーを持ってきていて「二人共、ここに寝て」と指示する。二人は言うとおりにし、社長は二人を奥の部屋に運んでいく。途中後ろを向くと「覗いたらダメよ」と言い残し中に入っていき、手術中のランプが点灯した。

各々通路の端に置いてある椅子に座る。



そういえば、どれくらい時間がかかるのか聞いてなかった。

「みんなは、これがどれくらいで終わるか知ってるか?」

手を振ったり、首を横に振ったり、みんな知らないようだ。

少しの沈黙を置いてほかの質問をする

「みんなは、この手術で二人はどうなると思う」

また少しの沈黙。そしてその沈黙を破ったのは光士だった。

「みなさん皆目見当つかないと思いますよ。 なにせ今まで見たことも聞いたこともないようなことなんですから」

「そうか…。 そりゃそうだよな」

そこで手術中のランプが消え、奥の部屋から社長だけが出てきた。

予想以上の速さに驚いたが、それより気になることがある。

「あいつらはどうなった!?」

社長が沈黙したまま俯いていく。

「何があったんだよ、何か言ってくれ」

治療が失敗したのではと気持ちが焦る。そう思った矢先に奥の部屋から海人と舞香が出てきた。いや、実際はどちらかわからないのだが…

「あれ、どうしたの?」

海人が尋ねる。

「社長が何も応えてくれないから…というかお前はどっちなんだ?」

一番気になっていたところ、実質どちらが消えてしまったのかということだ。

「どっち…って、あぁ、そのことなら…難しいな。 一言で言うなら融合かな」

融合…?

「AIと私たちはやはり同一人物と言っても過言でないほど中身がそっくりだったんです。だから結果的にネットの中という存在だけが消えて記憶は共有されたというわけです」

「それって…」

「極論を言えば、どちらも消えたと言えなくもないですし、どちらも生きていると言えなくもないです」

「つまり、二人? がひとつになっただけであって、AIとしての形は消えてもカイルとフォルはいると?」

「そうですね」

「…ップ、くくく、、あはははは! もうだめ、耐えられない」

社長が笑いだす。治療を受けていた本人たちと結良ちゃんを除いて笑っていた。結良ちゃんだけは何故かオロオロしていた。

「お前らハメやがったな…!」

「はめたなんて人聞きの悪い。 別に嘘はついてなかったよ。 ただ可能性、確率の話をしていなかっただけで」

「なんのことだ」

「命が助かること自体は言ったとおりほぼ百%。 性格、中身についてもだいたい同じぐらいの確率でこうなるってわかってたということよ」

「あの時はわからないって言ってただろ」

「ほぼであって百%ではなかったからね。 と言ってもこの状況以外の可能性は天文学的レベルでゼロが果てしなーく続いて一が付くぐらいの確率だけどね」

「それを俺と当事者と結良ちゃん以外には教えたと」

「そうだね」

やっぱりはめられた

「いやー、あの時ネタばらししちゃうのかと思いましたよ」

秋奈が言う

「ネタばらしも何も私の気持ちを言っただけよ。 それに私はただ言わないでって言っただけで」

「え? あれってドッキリ以外に何があったんですか?」

「ただ言わないで欲しかっただけよ?」

「なにそれこわい」

「しかし、何故結良ちゃんだけ教えなかったんだ」

俺は疑問を口にする。

「ただ、忘れてただけ…じゃなくて慌てふためく可愛らしい姿を見たかっただけ」

「ひ、ひどいです」

「一体、何してるんだか…」

だが、ナイス!

「それで何に命かけてたんだ?」

「それはねぇ。 演出?」

それ言うの後にする必要あったのか? 

「もういいでしょ。 これでお開きにするか、それとも何かパーティーでもするんですか?」

美春はどうでも良くなってきたのか、既にちょっと呆れたような感じになっていた。

「それはいいかもね。 次の企画も発表したいし」

次の企画ってなんだ?嫌な予感しかしねぇ。恐らく、大変な目にあうことはほぼ間違いないだろう。

「それじゃ、近くのファミレスにでも行こうか。 今回ばっかりは私が全部おごってあげるから、じゃんじゃん頼んでいいわよ」

珍しく気前がいいなと思いつつ、その優しさがかえって何か恐ろしいことが待っているのではと思わされた。本当に勘弁願いたいものだ。


もっと手早く書きたいと思います。もう一つの方が全く進んでいませんし…

これからも不定期更新だと思いますが、今後とも見ていただけると嬉しいです。

批判、感想よろしくお願いします

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