Tachyon:7 ハリケーン
僕たちはすごいところにやってきた。雨だ。嵐だ。あたりは大きな雨粒でほとんど景色は見えない。
「うわぁ・・・。何ここ。」
こんな嵐僕は初めてだ。
「どう。水とか、雨の大好きなノノにはすごくいいところでしょ。」
「クッ・・・。お前は鬼かぁ・・・。」
レオンは目は笑っていないんだけど、口元だけ妙に笑っているし、アビスはすごく焦っている。
「なぁ、アビス。これってなんなんだ。台風なのか。」
「ええ。台風です。」
「でも、これってふつうの台風じゃないんだよねぇ。ノノ。遊んでみる。」
「遊ぶとか。レオンって本当に鬼だな。」
「さっきから、鬼、鬼ってうるさいわね。」
そういうと、レオンは時空城の操縦装置から手を離して、アビスの胸ぐらをつかむ。
「ちょっ・・・。待って、今これすることじゃないから。」
「一度連れてきたでしょ。」
「連れてきたのは僕じゃないって・・・。」
アビスたちはそういう口論。少しはかまってくれてもいいじゃないか。
「ねぇ、レオン姉さん。本当に遊んでいいの。」
「えっ。別にいいよ。でも、あたしは飛ばされても知らないからね。」
「飛ばされても知らないっていうのは・・・。」
「意味の通りですね。」
「うん。そういうこと。」
「レオンって本当に鬼だな・・・。」
「えっ。何か言った。」
「いや、何も。」
「でも、飛ばされるって。僕の知っている台風でも飛ばされるっていうことはあるぞ。でも、そこまで飛ばされるってこともないでしょ。どうしてだ。」
そう僕は聞いた。
「瞬間最大風速が300メートル、中心気圧300ヘクトパスカルの台風。ハイパーハリケーンです。」
それに答えたのは物知りなアビスではなくて、レオン姉さんだった。
「ハイパーハリケーン。」
聞き返した。そんな台風って反則だぁ・・・。
「はい。そういう台風なんです。今の常識をはるかに超えた古代の台風ですよ。」
「でも、どうしてそんな台風ができるんだ。いくら今、地球温暖化してるって言っても、こんな台風できないでしょ。」
「ええ。でも、この時期は今の温暖化以上のことが起こっていたから、こういうことがあるんですよ。今の大気中の二酸化炭素濃度は今の何10倍って言われてる。そうだったよねぇ、アビス。」
「そんなことどうでもいいから。もう、ここから逃げよう。」
そういうとアビスは時空城の操縦装置をつかんで、レバーを引いた。すると、また、景色が変わる。次に出た場所は前に泡が立ち上った。
反則の台風だぁ・・・。




