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Tachyon:3 危険がいっぱい

 時空城が見えなくなった直後、一寸先も見えない状態になった。でも、この時空城にいるアビスとレオンは見ることができる。他のものは一切見えない。

「アビス。ここは。」

「ノノ様が言う46億年前の地球です。」

「えっ。こんなのが地球のはずはない。青い海がないではないか。」

「それがこのときの地球の常識です。」

「そんな常識は屁理屈だ。地球は生れたときから青かったのだろう。そして、生物もいたのだろう。人間がいたのだろう。人間はどこだ。どこにいる。」

「人間はおりません。いえ、人間だけではなく、生物のかけらもいないのです。」

「生物のかけらもいない。どういうことだ。」

どういう意味か全然分かんない。なんで人間がいないんだ。地球は最初から青かった。なのに、この地球は全然青くない。そして、アビスの言うとおり生物の気配はない。

「このときの地球は私たちがすめる環境ではないということです。」

「すめる環境。環境というものが必要なのか。それは今の地球温暖化のようなものか。」

「ええ。簡単に言えばそういうことです。」

地球温暖化と同じことが起きているなら、この地球らしき星にもたくさんの二酸化炭素が存在しているのだな。では、その二酸化炭素をある程度取り除く必要があるな。

「そうか。なら、植物を増やせばいいのだな。」

「植物を増やしても、状況は変わりません。まず、この星には我々が生きて行くうえで重要な酸素がほとんどありません。ノノ様がもし、この時空城から顔を外に突き出した場合呼吸困難にすぐに陥ります。私たちの身体は酸素濃度が20パーセントの時に良く働くようになっています。しかし、このときの地球には計測できないほど酸素が少ないのです。」

「えっ。では遊ぶこともできないのか・・・。」

下を見るとだんだんと地面が近づいてきた。

「あっ。地面じゃ。」

「なりません。」

すぐにアビスが止めた。

「あの地面も危険ですよ。」

「なぜ、危険だと分かる。前にも来たことがあるような口ぶりだな・・・。」

「・・・やれやれ。」

そういうとアビスはレオンを見た。

「あの時のアビスそっくり。」

レオンはそう言って笑う。アビスはそう言われるのが嫌だと顔に書いてある。

「ところで、どうして危険なのだ。」

「仕方ない。次のところで、酸素ボンベ付きで、遊ぶことを許しましょう。」

レオンはそう言った。

「次のところ。次のところなら遊べるのか。」

「ええ。雪遊びができると思うよ。」

「雪遊びか・・・。楽しそうだなぁ・・・。」

とっても嬉しいぞ。雪遊びは時空城ではそんなにできない。あの冷たい感触が何とも言えないのだ。

 嬉しがっていると、急に上空が暗くなった。影はとても大きな弧になっている。影はどういうふうに伸びているんだ。とても円が大きいということしか分からない。

「アビス。これは。」

アビスとレオンの目が点になっていた。それにくぎ付けになっていた。

いったい上に現れた影は何なのでしょうねぇ・・・。知らないほうがいいですよ。

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