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二人二声之影Ⅱ  作者: LAR
本編
7/22

5話 対決・黒葉美運

黒葉の体が二つに避けた。

勢いよく双方からはちゃんと血は吹き出、次第にその身体は崩れていった。

「…やった?うっ!」

斐瑪の驚きは二つの意味を持った…

ひとつは黒葉を一刀両断した感覚

もうひとつは…

「神技…自意幻覚」

斐瑪が黒葉で、黒葉が斐瑪。

真っ二つとなって、血を噴出していたのは斐瑪だった。

「周りが見えてないんじゃない。僕にそんな鈍刀で切れると思ったのかい?」

黒葉は斐瑪のいた位置に平然と立っていた。

「さて、次は君達かな…?」

司と冬嫁に目を向ける。

黒葉の魔眼が二人に差し迫ろうとした時!

高速で飛んでくる刃物の気配

間一髪、避けきれないと悟った

黒葉は右腕を犠牲にしてそれを止めるしかなかった。

「痛っ…」

その刃は腕の肉を貫通し出血を絶え間なくしていた。

「矢…それにしては出血がひどいね?」

黒葉は腕を貫いている矢をくまなく見回す

「真空の気!?」

司と冬嫁は驚いて矢の飛んできた方向を見る。

「麻衣!」

まず初めに冬嫁が真っ先にその者の名を呼んだ。

「油断したわね。邪教徒、黒葉美運!」

セーラー服に巨大な弓。

セミロングストレートの、茶髪の長身の女性が、教祖室の外に立っていた。

ドアは先ほどの矢が貫通したのだろう、破壊されていた。

「冬嫁ちゃん。勝輝を助けに行ってあげて」

麻衣は肩に担いでいた矢筒の袋から木矢を取り出すと、再び黒葉に向かって放った。

その間に、冬嫁と司は、教祖室を出る。

「君も能力者かい?一度、矢を僕に当てたくらいで、簡単に仕留めれるとは思わないほうがいいよ」

黒葉は右腕に刺さった矢を抜き終わっていた。

同時に傷も回復しだしていた。

「な!?何なのあの子、もう傷が…」

麻衣という女性は、矢を再び構えるが、威圧に阻まれ、矢を滑らせてしまう

「君は銀星輝と同じ末を辿ってもらおうかな…僕を傷つけたことは万死に値する」

黒葉に強烈な怒気の様なものが見えた。

麻衣は戸惑う中で方法をみつけようとする。

(なんとかしないと…このままじゃ私も殺されてしまう)

「大丈夫、楽に死なせてあげるよ」

冷たい笑みを浮かべて黒葉は麻衣に、一歩また一歩と近づいていく

「心を読まれてるのね…本当に神なの!?」

麻衣は弓を再び構え矢を射る。

しかし、まるで通用しないかのように黒葉に刺さる前に地に落とされた。

「無駄だよ、君はもう僕を殺せない。つまらない足掻きは見苦しいだけだよ」

不敵に笑う黒葉に、麻衣は、

「後は、これしか残ってないようね」

もう一つの能力を開眼した。

風の力を纏わせた矢

覚醒能力者は通常、一つの能力しか持ち得ることができない。

しかし麻衣は、麻衣の左腕には…

「へー、異端能力者か…雷も扱えるんだね」

黒葉に驚くような表情は見られず、まるで楽しめそうな顔をする。

そしてよく見ると

「眼がレモン色…綺麗な瞳だね」

麻衣は、能力の違いで眼の色が変わるというのが分かった。

「口説いたところで何も出ないわ」

増幅する電圧は、次第に辺りにスパークする。

「っ!」

そして、それは全て黒葉にむかってはねていく

「この電圧なら、神と称するあなたは耐えれるかしら?」

球状から幾重もスパークする電撃を、右腕も使ってうまく変形させ、槍を形作る。

「へー」

黒葉はようやく驚いたような表情を見せた。

「食らいなさい!」

仁王立ちして、力を試す体勢に麻衣は容赦なく槍を投げる。

「クリアーランサー!」

電撃の速さよりも光が先に、目を攻撃してくる。

ザシィーッ!!

すごまじいまでの身体を貫く音の後に、全身に高圧電流を浴びる。

無抵抗にならざるを得ない、痺れに教会の壁に叩きつけられた。

「これで効かないようなら、もう…手はないわ」

麻衣は、とても疲れきっていた。

まるで長距離マラソンを完走したランナーの様に

雷は麻衣の気を大きく消費させていたのだった。

セイレーン教2F 廊下

その頃、司と冬嫁は、人、二人がぎりぎり通れない狭い廊下である人物に接触していた。

冬嫁は、ご無沙汰と言ったところだったが、司はいい加減、しつこいとばかりにため息を吐いた。

「貴様はどこまでしつこいんだ、ネッド!」

その人物は、航空機での戦闘で司が爆破して木っ端みじんにしたはずの、あのネッドだった。

「分かっただろぉ?俺は無敵だ、例え、お前にどうやられようと同じだあぁ」

元に…戻った身体のネッドはとてもご機嫌の様だった。

「そして更には、俺は能力が増えたぜぇ」

ネッドは煙を口から吹き出した。

狭い廊下は忽ち、白い煙に包まれた。

司と冬嫁は視界が白く染まっていく空間に覆われた。

「これぞぉ、糸子粉塵!」

視界を遮られる中でネッドの高笑いの声だけが廊下にびびいていた。

「さぁ、一瞬で決めてやるぜぇ」

しかし、この空間の致命的な弱点を、司と冬嫁は即座に見抜いていた。

「相変わらずのバカっぷりだ…構ってやるこっちの身にもなって欲しいところだな」

冬嫁には聞こえないような小声で司は独り言をつぶやく

しかし冬嫁にはそれが聞こえていたようで「そうだね」っと相槌をうってきた。

驚く司だったが、すぐにそんなことはして入れる状況ではなくなる。

「じゃあ、俺もお前に新能力を試してみるか…」

右腕をポキポキと鳴らし、気を解放しないギリギリの段階で止めておきながら真っ白な中をゆっくりと、徐々にその足を早め出す。

「そしてぇ!」

ネッドは深呼吸をして、体内で大量の糸を生成した。

「糸串散槍ぅっ!」

口から何叉にもなる一本の糸を直線上に向かって吐く

バラの棘の様な幾重の叉はすぐに伸縮しまるで、国宝でも守るかの様な、赤外線の防備システムの如く、糸が刃を張った。

その刃は非常に鋭利で、触れれば刀で切られると同じと言っていいほど刃は光を放っていた。

だが、司には、そうなることはすべてわかっていた。

傭兵時代の彼のパートナーはネッドだったからだ。

その嘗ての戦友は、まるで学習していないと言っていいほど

「バカだ…」

次々に、身体を捻らせ、潜り、飛び越え、徐々にネッドに距離を詰めていく

冬嫁はというと、後方から意識弾を構え、司の行動をサポートしていた。

刃の数があまりにも多すぎるため、潜るのが困難な位置を弾でいくつか破壊していた。

またひとつ、またひとつと次第に、道のようなものも出来だしていた。

「同じ目に合わせてやる…覚悟しろっ!」

最後の刃を抜けると、司は限界に溜め込んでいた気を一気に開放した。

「なんだぁ?」

この時のネッドにはわからなかった。

司の右腕に放っている気…

それはネッドには見えなかった。

右腕が触れた瞬間!

あの航空機の時の様な、大爆発をネッドは起こした。

セイレーン教 エントランス

黒葉美運の気は完全に消えていた。

気配を何度も探ってみたが、生気は全くと言っていいほど確認できなかった。

よかった、とばかりに、麻衣はホッと肩を下ろす

教会の出入口をぬけるとそこには

「おそかったな…冬嫁と勝輝はどうした?」

そこには、浅黒い肌の青年が立っていた。

名をアルフォード:ネイティヴと、いう

ジャケットに派手な柄のズボン

種が合ってないのか、なにか場違いな雰囲気を持っているのはすぐにわかる。

しかしそんな彼も、麻衣、冬嫁、そして勝輝と同じ、元地球の人間だった。

「アルフ。冬嫁ちゃんはコンプレクシティの裏切り者と、勝輝を探しに行ってるわ、黒葉はなんとかしとめられ…」

突如、腹部に強烈な激痛!

麻衣は吐血し、その場で腹を押さえて倒れた。

「…!麻衣!?」

アルフはすぐに介抱をはじめる。

傷の手当てはとても不可能だが、応急処置はできた。

(傷はそれほど大きくない、だが妙だ…わざと急所を外したような)

傷の深さを正確に計算していたアルフ、その背後にせまる何か…

アルフはその気配に気付いていた。

襲ってくるものを瞬間的に見極め、麻衣を左腕で抱え、右腕で地に付き横転して避けてみせた。

「てめぇか!?」

麻衣を仰向けにして地面に寝かせ、アルフは襲ってきた何かの主を睨みつける。

それは先程、死んだと思われた黒葉美運の姿

しかし、左の顔面の皮膚は剥がれ落ち、左の瞳は怪しい光を放っていた。

そして右腕には、身体に見合わないほど長く大きな触手

「仕留めそこねたね、でもどの道無駄な足掻きでしかないよ。死ね!」

容赦のない触手がアルフに向かって鋭利に伸縮する。

その猛攻にアルフはなんと、ついていけていた。

「そんなもん振り回してるだけじゃ…」

アルフは何度もくる突きに生まれる僅かな隙を見極め

「俺は麻衣のようにはならないぞ!!」

拳を一気に振るい下ろす!

外れた攻撃に一時引っ込める触手を難なく捉え、直撃を浴びる

岩盤を抉る様な勢いで、周囲の地面が、崩れ浮き上がる。

アルフの一撃は驚異の数秒としか言えなかった。

触手は完全に地面にうもれ黒葉もろとも、姿を消していた。

「けっ!」

アルフは不良紛いをしてみせた。

再び麻衣の元へと駆け寄ってみると、傷は回復の一途をたどっていた。

「よかった。気は循環してるな」

そうして改めて黒葉のいた位置に目を向け

「あいつは一体何をするつもりだったんだ?どう考えてもアレなら麻衣を殺すことは容易だったはずだ」

今のアルフにはその理由はわからなかった。


セイレーン教 2F実験準備室

冬嫁と司はニ階を彷徨っている内に、ある部屋へと入った。

そこはまるでこの教会を、教会ではない雰囲気にさせていた。

「なんなんだ、ここは?」

冬嫁は驚きのあまり、細い目を開いて辺りを見回した。

「こんな部屋をコンプレクでも見ていたな、生物実験室といったところか」

司は部屋に設置された器具等から、ここがそんな感じの部屋なのではないかと予感した。

「と、なるとここに勝輝が?」

「恐らくな、二手に分かれて探すぞ」

二人はお互いに、別々の場所を探し始めた。

「これは、コンプレクでも使われている実験器具じゃないのか?黒葉はやはりコンプレクとつながっているな…」

司は見覚えのある実験器具で持ち帰れそうなものを回収していった。

その頃、冬嫁がしばらく辺りを散策していると、搬送予定と札に書かれた個室に勝輝を見つける。

「勝輝!」

冬嫁は個室の扉を見つけ、ドアノブに手をかける。

「冬嫁、離れろ!」

司は、冬嫁に迫る気配に気付き、92Fを目標に向かって発砲した。

「うわっ!」

弾丸はドアに命中し、開きかけたドアは反動を起こし冬嫁を、吹き飛ばした。

同時にドアから、異様に長く伸びた舌が倒れている冬嫁の頭上に現れた。

もし冬嫁がそのままドアを開けていたら、この舌に接触していたに違いないだろう

「なんだ、コイツは?」

尻餅を付いている冬嫁は、開いたドアから見える生物に、驚き司の元へと駆けていく

「覚醒生物か、地球でも存在していたとはな」

司は構えている拳銃に弾を全装填し、再度目の前の奇怪な生物に構えた。

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