第6話 死刑宣告は編入初日に
幸い、全校集会で自己紹介! というめんどくさいイベントが起こることもなく、最初からクラスの列の並ばされてた。クラスメートにはすでに説明されているようだったが、好奇心の視線がかなり痛い。
後ろに立っていたの男子生徒が好奇心を抑えきれなかったのか、声を潜めて僕に話しかけてくる。
「なぁ、お前って、実は普通のPSI能力者じゃないって噂が流れているんだけど、本当か?」
「なんで転校初日でそんな噂が流れているんですか」
「いや、この前入学式が終わったばっかなんだろ? なのに1ヶ月も経たずに転校してくるなんて普通じゃないだろ」
「目立つのはいやなんですけど…………」
もちろん、そんな話をしている時も、教師達に悟られないために熱心に教鞭をふるっている少々森林伐採が進みすぎて頭が砂漠化してしまった校長を見ている。その真剣さに、思わず考えていた言葉が漏れる。
「この学校の校長先生は、とても輝いていますね」
その台詞を言った途端、周りの生徒達が悶絶し始める。さっき話かけてきた男子生徒が首だけで振り返って恨みがましい視線を向けてくる。僕、なにか悪いことを言っただろうか?
「お前、そんなに俺たちを笑わせて恐怖の指導室送りにしたいのか」
「恐怖の指導室?」
「ああ、アレはもはや処刑場だよ…………」
何か遠い眼をしている。いったい、指導室で何があったんだろうか?
「近頃は森林伐採による砂漠化問題が日本でも浮上してきていますが………………」
「森林伐採による砂漠化問題が深刻なのは校長ではないのです――フガッ!?」
校長が言っている事に対して当たり前の返答をしたつもりだったのだが、後ろから突然さっきの生徒に口を塞がれて、眼だけで「なんですかいきなり」と問いかける。
「貴様、アトデコロス」
もはや、口調だけではなく二人称すら変わってしまっていた。
*-*-*
全校集会が終わり、生徒達は自分の教室の戻っていた。ただいま、自己紹介の途中である。
「神崎颯眞です。趣味とかは特にないですけど、強いて言うなら料理です」
ペコリと一礼すると、クラスメートから拍手が帰ってくる。
「自己紹介も終わりましたし、だれか颯眞君に質問はありませんか?」
担任が聞くと、さっきの男子生徒――自己紹介では名前は桐ヶ谷悠翔と言っていたはずだ――が手を挙げた。
「質問だけど、君の能力系統が普通のPSI能力とは違うというのは本当か?」
全校集会の時と同じ質問をされる。能力については特に隠すようには言われていないので正直に答える。
「まぁ……普通とは違うと研究員の人にも言われましたね」
僕が苦笑しながら答えると、「なにそれ、知りたい」など興味が示す声があちこちから上がる。僕は続きを言うことにした。
「研究員の人たちは僕の能力系統のことを『特異系』と呼んでいました。まぁ、レベル0なんでほとんど使えませんけどね」
驚きのあまり最後の言葉は誰も聞いていなかったようだ。先生が、質問を打ち切った。後ろの方の席を指さされる。トコトコとその席に向かい、腰掛ける。前には悠翔が座っていた。
取り合えず、すでに話したことがある悠翔ではなく隣の少女に話しかける。
「さっき前で自己紹介しましたが、神崎 颯眞です。よろしくお願いします」
アルカナイックスマイルとともに挨拶すると、周りから「すげぇ、不機嫌モードのエルメリアに話しかけるなんてどこまで真摯なんだよ」と聞こえてきたが、身の危険を感じるワードがはいっていたような気がしたので無視した。
自己紹介の間も興味がなさそうにしていた少女がこちらを向き、その顔が即座に驚愕に包まれる。
「なっ……アンタ、どうしてここに…………」
「え?」
まるで、何処かであったことがあるような口調だった。エルメリア、エルメリア。もう少しで思い出せそうなのに思い出せない。とてももどかしい感覚だった。
「いや、何でもない。……ほっといて」
それだけ言うと、いつの間にかホームルームも終わっていたのか席を立ってスタスタと何処かへayumi去って行ってしまった。いったい、さっきのは何だったんだろう。
首をかしげていると、周りに気配を感じた。見渡すと、女子に囲まれていた。
「ねぇ、君もう少し質問していい?」
その中の1人が聞いてくる。特に断る理由もなかったので、うなずいておく。
「あのね……」「私が先に質問するのよ!」「邪魔!」
いつの間にか女子達が争い始めている。このままでは巻き込まれそうだ。
「取りあえず、廊下で質問をまとめてきてください。全部答えていると休み時間が終わってしまいますから」
笑みとともにそう言い放つと、さっきまでの険悪さがウソのように引いて、ぞろぞろと廊下に向かい始める。すこし聞こえてきた会話を拾うと、「さっきの子可愛かったねぇ~」などと同学年の女子に子供扱いされているようだ。
……別に大人として扱って欲しいからシン渋っている訳じゃありませんよ!?悲しいですから子供を見るような目は止めて下さい!
心の中で自分に言い訳していると、視界の端にゆらり、ゆらりと近づいてくる複数の人影があった。クラスの男子生徒だ。
だが、表情が一様に暗い。どうしたんだろうか?
「みなさん、どうしたんですか?」
ブチッ!! そんな擬音が聞こえた気がした。男子達の周りの空間が歪み始めている。先頭にいた悠翔が話しかけてくる。死に神のような声で。
「てめえ、さっきのはどういうことだ?」
「さっき?」
「さっきのモテモテっぷりはどういう事だと聞いてるんだよ! アアァン!?」
「どういう事って聞かれても、ただ質問されただけですよ」
全員が殺気立っている。これは、死亡フラグ何じゃないだろうか? 自分で考えておきながら、まさかと否定する。クラスメートが、そんな酷いことをするはずがないじゃないか。
現実逃避ぎみに考えていると、一斉に男子生徒達が釘バットやら、メリケンサックやらを取り出し始める。
「皆さん、そんな怖い顔をしないで下さい。話し合いましょう、人間には言葉というすばらしい文化があるんですから!」
『そーですね』
「なんでテレフォンショッキング!?」
「ソーデスネ」
「片言だと余計に怖いんですけど!? 皆さん、得物片手に何する気ですか!?」
「ソー『DEATH』ネ!」
「ひぃ!? 明らかにデスだけ発音が良かった!? ひぃ!? 命だけは――――!!」
教室に、真っ赤なザクロが一つ転がった。 血まみれの得物を持った男子生徒達が一斉に告げる。
『リア充、死すべし!!』
皆さん、ギャグはどうだったでしょうか? 感想や評価を頂けると作者感激です!
これからもよろしくお願いします!!