第8話 愛してる
「ええ???お前・・・13でプロポーズ???」
戸田は、酔いながらも意識はあるらしい。
「好きだったんだから、しょうがないじゃん。」
僕は、顔は戸田より赤くした。
「で・・・赤ん坊はどうした?親は許さなかっただろう。」
「当たりめぇじゃん。父さんには、めちゃくちゃ殴られるし。母さんは泣いちゃうし。
奈津の親のほうもすげー大変だったもんじゃなかったんだ。」
「それでも、2人でがんばるって決めたんだろう?」
少し真剣になる戸田。
「世間の目は厳しかった。でも、俺達をたすけてくれたのは・・・唯一、俺の親友の
雅人だけだったよ。」
ー13の秋ー
「どうしたの?いきなり私達呼んじゃって。」
僕は、とうとう親に言う決心をした。
親はなにかと医療関係に関係している。母さんは看護婦、父さんは薬剤師。
「おれ・・・奈津を妊娠させた・・・。」
僕の口からこうゆう事を聞くのは信じられないという顔でこっちを見てくる。
「でも、奈津と俺はそれでもやっていける気がするんだ。」
すると、父さんの拳が飛んできた。
「いってぇーーー!!」
僕は、父さんに殴られたほほをおさえた。
「ばかかお前は!!!!!まだ、13だぞ????」
「なんで・・・・なんで今なの?」
母さんは顔を手でおさえて泣いている。
「なんで?どうして、俺に子ども出来たってこと・・・・喜ばねんだよ!!」
僕は、床に拳をたたきつける。
「喜べないよ。今は・・・ぜんぜん。」
母さんは泣いていたけど、僕は今奈津が心配で泣いていることで頭がいっぱいだ。
不安で怖いにちがいない。
「話しても・・・無駄か・・。」
僕は、勢いよく玄関をでた。
僕は全速力で奈津の家に行く。
「すみません。奈津はいますか?」
「はい・・・。どうしたの?修司くん。」
奈津のお姉さんは、まだ何も知らないらしい。
僕は、奈津の部屋に行くと奈津はベットで包まって泣いている。
「奈津!」
僕の声を聞くと、僕を抱きしめた。
「ごめん。怖かったよね。」
僕は、奈津の頭をなでる。
「言った?」
たぶん、僕の親のことだろう。
「うん、めちゃくちゃ殴られて、泣いて。でも俺はそれに怯まないからな!」
すると、奈津は殴られた方の頬をなでた。
「ごめんね。痛かったでしょ?」
奈津が僕を見る目は純粋そのものだった。
「俺の痛さより奈津のほうが苦しいに決まってんじゃン。」
奈津は、僕のことをギュウっと抱きしめる。
僕は、奈津の唇と合わせる。
最初は、怖かった。正直。
でも、この思いは父さんより母さんより奈津に届けたい。
めちゃくちゃ・・・愛してる。