第5話 心と体で結ばれた日
ー13の夏の終わりー
「修ーちゃん!!」
あの時以来からなんだか、いい感じの僕達。
「どした?」
でも、そのときはぜんぜん色気とか僕にはなかった。
「今日さぁ、お祭りあるじゃない?」
奈津は、ニコニコしている。
「あるね。どした?」
僕は、サッカーの本にくぎづけだった。
「もうー!!お祭りとか、彼女誘わないの?」
少し怒っている。
「うん・・・行く?」
僕は、そのときぜんぜん話を聞いてなかった。
「じゃあ、5時半に神社の前でね!!」
「・・・。」
「わかった?」
念を押し、奈津は家に帰った。
時間がたつと、もう外は真っ暗。
時計を見ると、もう6時。しかも、土砂降りでお祭りもなし。
「・・・!!!待てよ!!奈津・・・・お祭り行って、待ってたりして・・・。」
でも、僕は少し冷静になってみるとこんな土砂降りでお祭り行く人はいない。
たぶん、奈津は帰ってるだろう。そう思った。
僕は家に入り、夜ご飯を食べていた。
「・・・いただきます。」
「もう!!修司!!ちゃんと、お手伝いをしてから食べなさいって言ってるでしょ??」
母さんの声は、僕には届かなかった。
「ご馳走様!!」
僕は、自分の部屋でまたサッカーの本を熟読していた。
すると、1本の電話が・・・。
「修司???あんた、奈津ちゃん見てない???」
と母さんの声がめずらしく僕に届いた。たぶん、「奈津」とゆう言葉に反応したんだろう。
「はぁ???なんで?」
「なんか、浴衣きて、お祭り行ったきり戻ってないらしいのよ!!」
僕は、頭の中が真っ白になった。
急いで、防寒着を持って下に下りた。
「待ちなさい!!あんたは、まだ小さいんだから危ないわ!!」
そんなの僕には、聞いてられなかった。
「うるせえー!!奈津が危ないんだ!!俺が行く!!」
いさぎよく出たのもつかぬま。父さんに捕まった。
「修司!!危ないから、お前は家で待ってろ!!」
そのとき、いつもの僕ではいられなくなった。
「お前らなんかに奈津なんか見つけられネーよ!!」
僕は、父さんに何をしたのかわかんない。でも、気づくと父さんを押して全力で走っていた。
「奈津ーーーー!!奈津ーーーーー!!」
僕は土砂降りの中、大声で奈津を呼ぶ。でも、大雨の音で僕の声は消される。
(もしかして・・・神社?)
僕は神社に向かって走っていく。
すると、かすかだけど桃色の浴衣が見えた。
「奈津ーーーー!!」
「奈津」と呼ぶと、その人は振り返る。
(奈津だ!!)
僕は、確信した。もう、これまでにない速さで奈津のところに向かった。
「・・・修ちゃん・・・?修ーーーーーーー!!」
奈津も僕に気が付いたみたいだった。
僕は、奈津を思いっきり抱きしめた。
「ごめん。。。1人にして。」
僕は、奈津の耳元でささやく。
「もう・・・怖かったんだから。」
奈津は、涙を流していた。
僕達は、神社の後ろにあった小さな小屋で雨がやむのを待つことにした。
「ねぇ、怒られないかな。」
奈津が心配そうに僕をみる。
「大丈夫だろ?」
僕は、なぜか平気。
2人は、背中を向け合い座った。
「ごめん。。。ちゃんと奈津の話、聞いてなかったからこんなことに。」
僕は、謝った。
「私こそ・・・・でもね、修ちゃんが来るって信じてた。」
奈津の目は潤んでいた。
たぶん、今も怖いにちがいない。
僕は、奈津の身体をそっと抱き寄せた。
「大丈夫だよ。俺・・・ついてるから。」
「じゃあ、すごいキスして。」
少し落ち着いた様子だった。
僕は、そっと奈津の口を合わせると激しくキスをした。
「・・・んん。」
奈津からこぼれた声で僕は、目が覚めた。
「ごめん。。。気づかなくて。」
「いいから・・・。私は、大丈夫だから・・・。ね?」
奈津の笑顔を僕の理性をぶっ飛ばした。
僕は、奈津に優しく愛撫した。
彼女から聞こえる声は、本当に優しい声だった。
気がつくと、1線をこえるところだった。
(やば!!僕達の歳では、まずいだろ!)
僕は、奈津からどけようとした時、僕の腕を奈津はつかんだ。
「私・・・修司とのつながりがほしい。私、修司じゃなきゃだめなの。お願い。。。」
「奈津?」
僕はささやいた。
「ん?」
彼女の甘い声。
「愛してる、だれよりも。」
僕と奈津は、心と体で結ばれた。
あの日のことは、忘れなれない。
ー朝ー
「修ちゃん?おはよ。」
奈津の優しい声で今日は、めずらしく気持ちよく起きられた。
「からだ・・・つらくない?」
僕は、心配する。
「うん。修ちゃんの愛をいーっぱいもらったから!!」
奈津は、幸せそうな顔をしていた。
僕も、幸せだったよ。奈津・・・・。
でも、これからが最悪な結末に進むんだ。