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第2話  修司と奈津の始まり

ー13の夏ー



ピピピピ  ピピピピ


目覚ましが鳴る。


「うぅ・・・。」


僕は、目覚ましを手で探っていた。


「こら!!ちゃんと起きなきゃだめだぞ!!」


と1人の女の子が僕に近寄ってくる。


「・・・奈津?」


「うん!!おはよ!」


僕は、奈津のハニカミながら僕を起こしてくれるのが1番、起きれる方法だった。


「昨日、ずーっとサッカーの練習してたんでしょ??」


奈津は、手を腰にやり、いかにも怒ってるとゆう態度だった。


「悪りィ。でも、試合があんだからドキドキして眠れねーよ!!」


と僕は、あぐらをかく。


「まったくぅ!!それで、ヘマしてもしらないぞ!!」


と人差し指で僕のおでこにあて、押す。


「うるせ!!今日、勝ってみせるからなぁ!!」


でも、1つ1つの仕草が好きだった。


「じゃあ、今日もし、修ちゃんが負けたら私のお願いをきく。もし、修ちゃんが勝ったら


 私がお願いをきく。どう?」


と得意そうにいうのでちょっとイラっときた。


「ぜってー勝ってみせる!!」


「じゃあ、観客席でじーっくり見てるね!!じゃあね!」


と奈津が背中を向け、階段を下りる音は、少し悲しかった。


僕と奈津は、小さい頃からの幼馴染。


めちゃくちゃ仲が悪いときやめちゃくちゃ仲が良いときもあった。


それぐらい僕の隣にいた女の子。


僕は、好きだった。


奈津は、わからないけど僕は、奈津とここにいられることだけでうれしかった。


そんなことをかんがえている間にもう試合の時間がせまってくる。


今回の試合は、大切な試合。


決勝戦を決める、試合だった。


僕は、それなりのプレッシャーがあった。


ユニホームを会場で着替えるときも緊張していて、なかなかボタンが閉まらない。


「修司!!今日・・・頑張ろうなぁ!!」


親友の雅人まさとにも言われたが、ぜんぜん緊張が消えない。


足はガクガクしている。


それに気づいた雅人は、


「修司・・・・ちょっとお前、外で少し走って来い!!」


「・・・・・あぁ。」


僕は、すぐに雅人の気持ちを察した。


僕は、会場の外にでると、雲1つない快晴。


このまま、逃げ出したい気持ちだった。


そのときだった・・・・。


「修ちゃん!!!」


(あ・・・奈津の声だ。)


僕は、すぐにわかった。


「どうしたの?緊張してんの?」


「悪いかよ!!」


と少し奈津に負けた気がして、ちょっと乱暴に言った。


「大丈夫だよ、修ちゃんは。だって、あれだけ、練習してきたんだもん。」


と僕の手を両手で握った。


たぶん、そのとき僕は照れていたにちがいない。


「どうすんだよ!勝負!!」


と意地を張った。


本当は、もっと奈津にはげましてほしかった。


「そんなの関係なしに、応援してるよ!」


奈津のはにかんだ笑顔を見たら、緊張もおさまった。


「ありがとうな!!俺、がんばれそう!!」


と奈津に手をふって、会場に戻った。


「雅人!!いっちょ行きますか!!」


雅人は、そのときの修司の自信にほこれた顔を見て、安心していた。


ピーーーーー!!


試合開始の笛が会場に鳴り響く。


最初は、相手のチームにボールが渡ってしまう。


でも、それは全部雅人がカバーしてくれた。


すると、ボールがパスされ僕にまわされる。


「行くぞぉーーーーーーーーーーーーー!!」


と掛け声にあわせて、ボールがゴールネットに入った。


そのとき、歓声をあびる。


「修司!!ナイスプレイ!!」


とみんなから言われ、僕は、調子が上がった。


どんどんボールをゴールネットへ入れていく。


とうとう、12−12 同点になった。


時間がないからもう、あと1点で勝負が決まる。


ピーーーーーー!!


とまた、笛が鳴る。


僕は、積極的にボールを取りにいこうと思い、ボールを相手選手から奪った。


そのとき、いきなり右から相手選手の足が出てきて、僕の足を踏む。


「!!!」


僕の足は、かなりのダメージを受けた。


僕は、いきなり倒れる。


「修司!!」


みんな駆けつけてくれた。


でも、1番早かったのは雅人だった。


「おい!!大丈夫か??修司!!」


その結果・・・


僕は、試合を棄権して結局、僕らのチームは、勝てなかった。


帰り、奈津は部室に来た。


コンコン


ノックが聞こえた。


「・・・・どうぞ。」


「・・・・おじゃまします。」


奈津の顔は、僕は見れなかった。


「・・・・なんだよ。悪かったなぁ。。。あんだけ偉そうに言っておいて、あっけない


 終わりかたになって。」


僕は、奈津に背中を向ける。


すると、奈津はいきなり僕の背中を抱きしめた。


「・・・おい!!今、すげーカッコわるいから先に帰ってろ!!」


あんときは正直、驚いて、照れて、頭の中めちゃくちゃだった。


「修ちゃんはカッコわるくなんかい!!私・・・今、これしかできない。すごい無力な


 自分がいやなの。だから、少しは私にもカッコつけさしてよ!」


奈津は、僕の隣で一緒に泣いてくれた。


家に帰ろうと。準備していたとき、奈津が言ってきた。


「ねェ、お願いごとしていい?」


「え?いいけど・・・。いっとくけど、俺、お金持ってねえからな!!」


奈津は、そのときも微笑んだ。


「私ね、修ちゃんのこと好き。」


「・・・・。」


「すごく大好き。。。」


「・・・・。」


僕は、すごく驚いていたにちがいない。


隣にあった椅子に腰が抜けて座った。


「・・・うそ。」


「うそじゃない。真剣に。」


僕を見つめる目は、真剣そのものだった。


「だから・・・キス・・・して?」


「・・・ええ???」


「お願い事。」


だんだん奈津が近づいてくる。


「僕も・・・ずっと好きだった。」


そっと2人は、唇をあわせた。


心がつながった気分だった。


僕は、しあわせすぎるぐらいだったんだ。




「へェー・・・それが、ゆずのママとパパの出逢いなの?」


ゆずは、身を乗り出してきいている。


「そうだよ。」


「じゃあ、修ちゃんが若いのもなんか関係ある?」


とまた微笑むゆず。


「さぁ、それは家に帰ってきたときに話すよ。」


「ええ!!つまんないの。」


と口をとがらせた。


「さぁ、幼稚園行こう?」


「はぁーい!!」


と元気よく返事するゆず。


ゆずも思うよなぁ、だって・・・僕はまだ・・・17歳だった。



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