第三章 構文マン、ついに真価を発揮?
構文マンの意味不明発言から一ヶ月後。蓬莱国に大きな変化が起きていた。
「先生、信じられないニュースです」
佐藤理解不能秘書が興奮して事務所に駆け込んできた。
「どうした、田中佐藤君?」
相変わらず名前は間違えているが、構文マンは穏やかに答えた。
「先生の『ライスカレー発言』が、なんと経済効果を生んでいるんです!」
「ライスカレー発言?」
「『米が高いからライスカレーを食べよう』という、あの発言です」
実は、構文マンの意味不明発言が、思わぬ方向に作用していたのだ。
「全国のカレー店で『構文カレー』というメニューが登場して、大ブームになっているんです」
「構文カレー?」
「はい。『米が高いので、ライスカレーで我慢』というキャッチフレーズで、格安のカレーを提供する店が続出しているんです」
新聞には「構文議員効果でカレー業界活性化」の見出しが踊っていた。
「おまけに、『力をパワーに変えて』も流行語大賞候補になっています」
「本当かい?」
「はい。意味は分からないけど、なんか元気になる言葉として人気なんです」
街角インタビューでは、市民がこう答えていた。
「意味は分からないけど、『力をパワーに変えて頑張ろう』って言うと、なんか気分が上がるんですよね」
「文法議員の発言、最初は変だと思ったけど、今は応援してます」
構文マンは困惑した。
「でも僕は、米とライスは別物だと言っただけで...」
「先生、結果的に経済効果を生んだんです。これは立派な政治活動ですよ」
その時、電話が鳴った。
「はい、文法事務所です...え?総理官邸から?」
総理大臣から直接電話がかかってきたのだ。
「文法議員、あなたの発言が経済に良い影響を与えているそうですね」
「そ、そうなんですか?」
「カレー業界の売上が30%アップしたそうです。これは立派な経済政策です」
構文マンは頭を掻いた。
「でも僕は、ただ米とライスは違うと言っただけで...」
「いえいえ、結果が全てです。今度、経済政策について相談させていただけませんか?」
翌週、構文マンは総理官邸に呼ばれた。
「文法議員、あなたの発言には独特な効果があるようですね」
「独特...ですか?」
「国民が元気になる。それが一番大切なことです」
総理の言葉に、構文マンは初めて自分の価値を理解した。
「私の発言は、意味は分からないけれど、人々に希望をホープに変えているということですか?」
「その通りです。今度はそれを政策に活かしてみませんか?」
こうして、構文マンは政府の「国民元気化プロジェクト」のアドバイザーに任命された。
「国民の皆さん、不景気をリセッションに変えて、元気をエナジーに変えて、頑張りをエフォートに変えて乗り切りましょう!」
相変わらず意味不明だが、なぜか聞いていると元気になる不思議な力があった。
「先生の発言を聞くと、なんだかやる気が出てきます」
街の人々の声に、構文マンは嬉しくなった。
「佐藤田中君、僕は間違っていなかったんだね」
「はい、先生。意味は分からなくても、先生の発言には人を元気にする力があります」
「力をパワーに変える力だね」
「...それも同じ意味ですが、まあいいでしょう」
秘書も、もう諦めていた。
半年後、構文マンは「元気化担当大臣」に就任した。
「国民の皆様、私は責任をレスポンシビリティに変えて、使命をミッションに変えて、職務をデューティに変えて頑張ります!」
就任演説も相変わらず意味不明だったが、国民は大喝采だった。
「構文大臣の発言を聞いていると、なんか頑張れる気がする」
「意味は分からないけど、元気になる」
「これが構文マジックか」
マスコミも構文マンを見直すようになった。
「言語明瞭意味不明でも、国民に希望を与える政治家」
「意味よりも心に響く、新時代のリーダー」
構文マンは、ついに自分の居場所を見つけた。
「佐藤田中君、僕は意味をミーニングに変えて、分からないことをアンダースタンダブルに変える政治家になったんだね」
「先生、それでも意味不明ですが...でも、先生らしいです」
「そうだね。これからも、問題をプロブレムに変えて、解決をソリューションに変えて頑張るよ」
今日も国会のどこかで、構文マンが意味不明な発言を繰り返している。しかし、その言葉には不思議な力がある。意味は分からないが、聞いていると元気になる。それが構文マンの真の能力だった。
蓬莱国の怪人・痛快・迷物議員の物語は、意味不明でも心に響く、新しい政治家の誕生物語でもあったのである。
「力をパワーに変えて、今日も頑張ろう!」
構文マンの声が、今日も蓬莱国に響いている。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件等とは一切関係ありません。
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