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6.帝国の将軍セフィラ

集落跡にたどり着いたのは、数日後の夕暮れだった。崩れた石造りの家々が風に埋もれ、静寂が広がっている。ミリアが地図を確認し、中央の広場に立った。そこには星を象った石碑があり、彼女が手を触れると、首飾りの光が石碑に伸び、地下への階段が現れた。「ここよ。三つ目の欠片がこの下にあるはず」と彼女が声を張った。風が彼女の髪を揺らし、彼女に覚悟を刻んでいた。彼女は階段を見つめ、深呼吸をした。五人が階段を降りると、広い地下室にたどり着いた。壁には星詠みの民の壁画が描かれ、中央には祭壇があった。祭壇の上に、三つ目のエーテルの欠片が浮かんでいた。だが、その前に黒翼団の戦士が待ち構えていた。リーダーらしき男が剣を手に立ち、「お前たちが欠片を集めてるのは知ってる。ここで終わりだ」と低く笑った。風が彼のローブをはためかせ、彼に不気味な気配を与えていた。

「お前ら、またかよ。いい加減うんざりだぜ」とガルドが短剣を構え、挑発するように笑った。彼は足元の石を軽く蹴り、風に目を細めた。

「エイドスの力は俺たちの夢だ。お前らに渡すわけにはいかない」と男が剣を振り上げ、戦士たちが一斉に構えた。戦闘が始まった。

レオンの大剣が敵を切り裂き、一人の胸を貫き、二人の首を跳ねる。ガルドが短剣で素早く動き、三人の喉を突いた。ミリアが魔術で援護し、カイの子守唄が敵の動きを乱した。リナの風の刃が敵を切り裂いた。だが、その時、レオンの剣が強く脈動し、守護者の幻影が現れた。星空の下で戦う男が、レオンの前に立ち、「俺の剣を継ぐ者よ。黒翼の影を断て!」と叫んだ。幻影が剣を振り、黒翼団の戦士数人を吹き飛ばした。風が渦巻き、地下室に響き渡った。

「....!」レオンが驚き、幻影を見た。彼の瞳に混乱と決意が混じっていた。

「私の笛も反応したよ。お前の剣、守護者の意志そのものだ」とリナが笛を吹き、風の渦で敵を押さえつけた。彼女の声には、風の民としての確信が込められていた。

だが、その時、祭壇の背後から新たな光が溢れ、星詠みの民の幻影が現れた。ローブを纏った老人が、杖を手に持つと、「お前たち、よくここまで来た。だが、黒翼団は英雄の末裔。エイドスの力を歪めた者たちの意志が、奴らを動かしてる」と告げた。風が彼のローブを揺らし、「星詠みの民が封じた闇の歴史だ。お前たちの絆が、それを清める鍵だ」と老人が言い、杖を振った。光が広がり、黒翼団の戦士が怯んだ。

「今だ、倒せ!」老人の声が響き、五人が一斉に反撃した。

幻影の力を借り、レオンの剣がリーダーの胸を貫き、黒翼団を一掃した。リーダーが膝をつき、「守護者が...まだ生きてるのか...」と呟き、倒れた。ミリアが三つ目の欠片を手にし、首飾りと共鳴させると、光が地下室を満たした。「これで三つ目よ!」と彼女が喜びを声に出した。

だが、その時、背後から冷たい声が響いた。「その欠片、渡してもらおうか」振り返ると、黒い口ーブの女が立っていた。帝国の将軍セフィラだ。

彼女の短剣がレオンの剣と同じ紋様を放ち、冷たい笑みが浮かんでいた。「お前たちが鍵を握ってるなら、私もその旅に加わる」と彼女が言い、風に目を細めた。

「お前、帝国の将軍か」とレオンが剣を構え、彼女を見据えた。彼の声には警戒が滲んでいた。

「私はエイドスの再統合を望む。お前たちと同じだ。敵じゃない証に、これを渡そう」とセフィラが地図を投げ、レオンが受け取った。「東の森に次の欠片がある。一緒に行くぞ」と彼女が言い、短剣を手に持った。風が彼女のローブを揺らし、彼女に静かな威厳を与えていた。

その時、カイが杖を手に持つと、子守唄を歌い始めた。旋律が地下室に響き、欠片が強く輝いた。「ねえ、なんか変な感じがするよ!」と彼が言い、杖が光を放った。星詠みの幻影が再び現れ、カイに目を向けた。「最後の子よ。お前の歌が、エイドスの力を呼び覚ます。お前は繋ぐ者だ」と幻影が告げ、消えた。

「繋ぐ者?」カイが目を丸くし、杖を見つめた。「僕、みんなと一緒なら何でもできる気がするよ!」と彼が笑い、五人に明るさをもたらした。

「カイの力が目覚めたのね。セフィラ、あなたを信じるわ。だけど、私たちを見くびらないで」とミリアが微笑み、地図を見た。

「レオンの剣とカイの歌か....面白くなってきたぜ」とガルドが短剣を手に笑った。

「私の風が、新しい試練を導くよ」とリナが笛を手に持つと、頷いた。

六人は地下室を出て、東の森へ向かった。風が唸り、彼らの絆が新たな試練へと導いた。遠くで、黒翼団の斥候が彼らの動きを見ていた。「守護者と繋ぐ者が揃ったか....次はお前たちが終わる番だ」と呟いた。

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