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4.黒翼団

砂塵の中から黒いローブの集団が現れた。黒翼団だ。十数人の男たちが、曲がった剣や槍を手に、五人を囲んだ。リーダーらしき男が前に出て、低く笑った。「エーテルの欠片か。俺たちの夢を叶える力だ。ここで全部いただくぜ」と彼が剣を手に持つと、風に目を細めた。彼の声には欲望が滲み、黒翼団の目には狂気が宿っていた。

「夢ねえ...何だ、お前らの夢って?」ガルドが短剣を構え、挑発するように笑った。彼は馬の鞍

に凭れ、風に髪をなびかせた。

「エイドスの力を我が手に。世界を支配する。それが俺たちの夢だ。お前らみたいな小僧にゃ渡さんよ」と男が剣を振り上げ、仲間たちが一斉に構えた。風が彼らのローブをはためかせ、砂塵が舞った。

「支配か。つまらない夢だな。」とレオンが剣を抜き、先頭に立った。

戦闘が始まった。

レオンの大剣が敵を切り裂き、一人の胸を貫き、二人の首を跳ねる。ガルドが短剣で素早く動き、三人の喉を突いた。ミリアが魔術で援護し、カイの子守唄が敵の動きを乱した。リナの風の刃が敵を切り裂いた。だが、数が多い。黒翼団の戦士がレオンを押し返し、ガルドの腕をかすめた。「ちっ、しぶといぜ!」ガルドが歯を食いしばり、反撃した。血が彼の腕から滴り、砂に滲んだ。 

リーダーがレオンに斬りかかり、金属音が響いた。「俺を止められると思うなよ!」男の剣がレオンの剣を弾くが、彼が反撃し、肩を切り裂いた。「終わりだ!」レオンの一撃がリーダーの胸を貫き、男が倒れた。だが、その瞬間、レオンの剣が強く脈動し、再び記憶の断片が流れ込んだ。星空の下、守護者の男が黒翼団のような集団と戦い、剣を手に叫ぶ姿。「俺はお前を守る!

エイドスの光をじろ!」映像が消え、レオンがよろめいた。風が彼の髪を乱し、彼の瞳に混乱が宿った。

「レオン?」ミリアが駆け寄り、彼を支えた。

彼女の手が彼の腕に触れ、温かさを伝えた。

「まただ...剣が何かを見せた。黒翼団と戦った奴がいた」とレオンが剣を見つめ、息を整えた。

「俺の剣、昔からこいつらと縁があるのか?」と彼が呟き、風に目を細めた。 

「私の笛も反応したよ。お前の剣、過去の守護者の記憶を持ってるみたいだ」とリナが笛を手に持つ。「黒翼団は、エイドスの力を狙う古い敵なのかもしれないね」と彼女が言い、風に耳を傾けた。彼女の声には、風の民としての洞察が込められていた。

だが、その時、黒翼団の斥候が砂塵の向こうから現れ、小さな通信結晶を手に持っていた。「守護者の剣が目覚めたか...頭に報告だ」と呟き、結晶が光った。黒翼団の背後に、さらに大きな勢力が潜んでいる気配が漂った。風が結晶の光を揺らし、不穏な空気を運んだ。

戦闘が終わり、五人が息を整えていると、リナの笛が再び響いた。彼女が顔をしかめ、「待って」と呟いた。風が強まり、色鮮やかな布を纏った老女が現れた。彼女は杖を手に持つと、リナに近づいた。「リナ、お前がエイドスの欠片を集めてるのは知ってる。だが、黒翼団の背後にいる奴らが動き出した。気をつけな」と老女が警告した。風が彼女の布をはためかせ、彼女に厳粛な気配を与えていた。

「お前、誰だ?」レオンが剣を構え、老女を見据えた。

「私は風の民の長老、セリア。お前たちの旅が、エイドスの運命を左右するよ」と老女が言い、杖を地面に突いた。風が一瞬止まり、静寂が広がった。「黒翼団はただの盗賊じゃない。エイドスの力を奪った英雄たちの未裔だ。奴らが結晶を狙ってる理由は、世界を再び闇に沈めるためさ」と彼女が語り、風に目を細めた。

「英雄の末裔?」ミリアが首飾りを握り、驚きを隠せなかった。「私の民の記録にも、そんな話は...」

「記録に残らない闇の歴史さ。私たち風の民が、それを監視してきた。お前たちの絆が試される時が来るよ」とセリアが言い、杖を振った。風が再び吹き、彼女が砂塵の向こうへ消えた。

「そんな形密を...知らなかったよ」とリナが笛を手に持つと、静かに呟いた。「でも、私たちの旅が正しいなら、進むしかないね」と彼女が笑みを浮かべ、風に髪をなびかせた。

その時、遠くで馬の蹄の音が響いた。帝国の将軍セフィラが馬に跨り、短剣を手に持っていた。

「黒翼団と守護者の剣か..私の短剣も反応してる。

鍵が揃う日が近い」と呟き、彼女の短剣が光った。風が彼女のローブを揺らし、彼女に冷たい気配を与えていた。彼女は五人の動きを見据え、静かに馬を進めた。

「セリアの言う通りなら、黒翼団はただの敵じゃないわ。次の目的地は南東の集落跡よ。そこに答えがあるかもしれない」とミリアが首飾りを握り、地図を見た。

「ねえ、僕、みんなと一緒なら怖くないよ。剣の記憶って面白いね!」カイが杖を振って笑った。

「俺の剣が何を隠してるのか、確かめる必要がありそうだ。」とレオンが剣を構え、五人が南東へ向かった。風が唸り、彼らの旅に新たな試練を予感させた。

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