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2.守護者

遺跡の外へ出た二人は、砂塵の中から軽快な笑い声が聞こえてきた。レオンが剣を構えると、馬に跨った男が現れた。25歳ほどの若者で、黒いマントを翻し、腰に二本の短剣を携えている。

「おおっと、物騒な挨拶だな、レオン!久しぶりなのに剣を向けるなんて」と男が笑った。風が彼の髪を乱し、彼に軽やかな気配を与えていた。

「ガルド..お前か」とレオンは剣を下ろし、ため息をついた。「何だ、その馬は」

「借り物だよ。それより、こっちの可愛い姐さんは誰だ?」ガルドがミリアにウィンクし、馬から飛び降りた。彼の動きは軽快で、風に溶け込むようだった。

「ミリアだ。俺を雇った。遺跡まで案内しろってな」とレオンが答えた。

「ほう、遺跡か。面白そうじゃねえか!俺も混ぜてくれよ。報酬は半分でいいぜ」とガルドがレオンに近づき、肩を叩いた。彼はレオンの幼馴染で、傭兵仲間だったが、盗賊の道を選んだ過去を持つ。

その時、小さな影が砂塵の向こうから近づいてきた。16歳ほどの少年で、ぼろぼろのローブを纏い、手に細い杖を持っている。「やっと人に会えた!ねえ、僕、カイっていうんだ。エーテルの欠片を探してるんだけど、一緒に旅しない?」少年が笑った。風が彼のローブを揺らし、彼の純粋な笑顔が輝いていた。

「エーテル?」ミリアが驚いた。「どうしてそれを知ってるの?」

「昔から知ってる気がするだけ。ねえ、この歌、知ってる?」カイが杖を振ると、子守唄を口ずさみ始めた。ミリアの首飾りが光り、彼女が息を呑んだ。歌が風に乗り、どこか懐かしい響きを帯びていた。

さらに、風に乗り、軽やかな笛の音が近づいてきた。四人が振り返ると、色鮮やかな布を纏った女性が現れた。20代半ばで、手には木製の笛を持ち、長い髪が風に揺れている。「お前たちがエーテルの欠片を持ってるなら、私も仲間に入れてくれ」と彼女が言った。風が彼女の布をはためかせ、彼女に自由な雰囲気を漂わせていた。

「誰だ、お前?」レオンが剣を構え、目を細めた。

「私はリナ。風の民の使者だ。エイドスの再統合を助けるのが、私の役目さ」とリナが笛を手に持つと、一瞬風が強まり、四人の周りを包んだ。「この笛は、エイドスの力を感じる。欠片が近くにあるなら、私が導くよ」と彼女が笑い、笛を口に当てた。旋律が響き、カイの子守唄と共鳴した。

だが、その時、レオンの剣が突然強く脈動し、彼の頭に映像が流れ込んだ。星空の下、剣を手に持つ男が誰かと戦っている姿。男の声が響いた。「俺はお前を守る。エイドスの力を信じろ!」映像が消え、レオンが膝をついた。「何だ...今の記憶は...?」彼が呟き、剣を握り直した。彼の瞳に混乱が宿っていた。

「大丈夫?」ミリアが駆け寄り、彼の肩を支えた。彼女の手が彼の腕に触れ、温かさを伝えた。

「剣が...何かを見せた。昔の記憶か?」レオンが剣を見つめ、立ち上がる。

「私の笛も反応したよ。お前の剣、エイドスの守護者のものかもね」とリナが笛を手に持つと、目を細めた。「黒翼団と戦った過去の守護者....お前、その血を引いてるのかもしれない」と彼女が言い、風に耳を傾けた。

「剣がそんな大事なもんだったなんて知らなかったぜ。お前何者だよ?」ガルドが笑い、レオンを肘でつついた。彼の声には驚きと楽しさが混じっていた。

「ねえ、僕、みんなと一緒なら何でもできる気がするよ!」カイが杖を振って笑った。彼の笑顔が、五人に明るさをもたらした。

だが、その時、レオンの剣が再び脈動し、守護者の幻影が現れた。星空の下で戦う男が、レオンの前に立ち、「俺の剣を継ぐ者よ。お前が鍵だ。

エイドスの光を求めなさい」と告げた。幻影が剣を振り、風が一瞬強まり、五人を包んだ。「試練が始まる。お前たちの絆が、世界を救う」と幻影が消え、静寂が戻った。

「俺の剣が....!」レオンが驚き、剣を見つめた。

「私の笛も反応したよ。お前の剣、守護者の意志そのものだ」とリナが笛を手に持つと、笑みを浮かべた。「面白い旅になりそうだね」五人は遺跡の外へ出た。だが、その背後で、帝国の将軍セフィラが馬に跨り、短剣を手に持っていた。「守護者の剣が目覚めたか...鍵が揃う日が近い」と呟き、彼女の短剣が光った。風が彼女のローブを揺らし、彼女に冷たい気配を与えていた。

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