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13話 初デート

 気温が高くなり、夜も蒸し暑くなってきた夏休みの初日、カイはハクロに電話していた。


「デートって、何を着ていけばいいのかな?」


「お! ヒバリちゃんとデートに行くのか!」


「そうなんだけど、女の子と一緒に出掛けるの何て初めてで、何を着ればいいのか……」


 カイはヒバリと付き合うまで、女っ気のない人生を過ごしていたため、デートのときの正しい服装を知らなかった。


「そうかー、デートに着ていく服か。とりあえず無地でモノトーンを意識すれば失敗はしないぞ」


 ハクロは今までの自分の経験則から、的確なアドバイスをした。それを聞いたカイは急いでクローゼットを漁った。


 そしてハクロの言ったとおりの服を探し出した。


「こんな感じの服でいいのかな?」


 カイはハクロに写真を送った。


「おう! それなら無難で大丈夫だと思うぞ」


 ハクロのお墨付きを貰ったカイは少しだけ安心した。


「服はそれでいいけど、デートでは色々と気をつけることがあるからな」


「そうなの? どんなこと?」


「相手の服装を褒めたりとか、相手の歩くペースに合わせたりとか、色々あるんだよ」


 それからカイはハクロからデートのときの注意点を聞いた。そしてアドバイスを聞き終えたカイは電話を切り、明日のデートを楽しみにしながら眠りに就いた。



          ※



 一方でヒバリもカイとの初デートに何を着ていくのか悩んでいた。ヒバリも中学からの友達である風花ツララに電話を掛けていた。


「ねぇー、何着ていけば良いと思う?」


「若夏くんはどういうのが好みなの?」


「うーん、まだ好みとかわからないんだよねー」


 付き合ってまだ日が浅いヒバリは、カイの好みを把握出来ていなかった。


「それならいつも通りの服で行けばいいんじゃない?」


「えー、派手で引かれたりしないかな。清楚系が好きだったりしたらどうしよう」


「確か若夏くんは一目惚れだったんでしょう? なら、ありのままのヒバリがいいんじゃないの」


 ツララはヒバリにありのままの姿を見せることを提案した。


「変に隠そうとしても良くないし、いつものヒバリを見せれば良いと思うよ」


「そっか! ならお気に入りを着ていこうかな!」


 ヒバリはクローゼットを眺めて、この夏の一番のお気に入りを着ていくことにした。少し露出が多めな服だった。


「これで若夏くんを悩殺してみせる!」


「気合い十分だね」


 そのあとヒバリはツララとデートコースの確認をした。そして電話を切ったヒバリはデートに来るカイを想像しながら眠りに就いた。



          ※



 ヒバリとカイの初デートの日、雲一つない青空がどこまでも続いていた。カイは直射日光に晒されながら、ヒバリが到着するのを待っていた。


 まだ待ち合わせの時間まで三十分以上あった。カイはハクロから早めに行って待っていた方が良いと言われていた。


 カイはショーウィンドウに反射する自分の姿を見ながら、髪型や服装をつぶさにチェックしていた。髪は今日のために美容室で切って、セットの仕方を聞いてきていた。


 服もハクロのアドバイス通り、白と黒のモノトーンで固めていた。カイはダサくないか、何か不備はないかを確認して、ヒバリを待った。


 そして少し待っていると、ヒバリが向こうから来るのが見えた。ヒバリもカイを見つけたようで、手を振りながら駆け寄った。


 ヒバリはオフショルダーのトップスで肩を大胆に出し、足下はデニムのショートパンツで長く綺麗な脚を露出していた。


 ヒバリの白い肌が太陽の光を反射して、カイにはそれがとても眩しく映った。


「若夏くん、ごめんね遅れて」


「いえ! 全然待ってないです!」


 少し遅れて到着したヒバリに気を遣わせないように、カイは待っていないと言った。


「その、ヒバリさんの格好、とっても綺麗で似合ってますね!」


「本当? 褒めてくれて嬉しいー!」


 ヒバリはカイに服を褒められて嬉しくなった。前日に気合いを入れて選んだ甲斐があった。


「若夏くんも良い感じだね!」


「ありがとうございます!」


 ヒバリもカイに負けじと、カイのことを褒めた。それだけでカイも嬉しくなった。


 そして合流したヒバリとカイは手を繋いでデートに出発した。今日のデートコースはヒバリが考えてきてくれていた。


 女性と付き合うのが初めてのカイに気を遣って、経験豊富なヒバリがリードする形をとったのだ。


 二人はまず駅前の大型商業施設に入って行った。そこでヒバリは水着を見たかったのだ。水着売り場に着くと、そこはカラフルで、また女性ばかりで、カイは目のやり場に困った。


「あたしだけ見てればいいよ」


「は、はい」


 そんなカイに気付いたヒバリはカイに、自分だけに注目するようアドバイスした。ヒバリはカイの手を引き、水着売り場を歩いた。


「これとか可愛くない? どう思う?」


「か、可愛いと思います」


 ヒバリは水着を手に取り、カイの反応を窺った。カイは顔を赤くしながら感想を言った。


「若夏くんはどんな水着が好き?」


「え!?」


 ヒバリは水着を買うなら、カイの好みに合わせたいと思っていた。


「こっちと、こっちならどっちがいい?」


 そう言ってヒバリは二着の水着をカイに見せた。シンプルなビキニとフリルの付いた可愛らしい水着だった。


「こ、こっちの方がヒバリさんに似合うと思います……」


 カイは花柄の入ったビキニの方を指差した。カイはスタイルの良いヒバリにはビキニの方が似合うと思ったのだ。


「ほう、結構大胆なのが好きなんだね」


 ヒバリはカイの好みを知ることが出来て嬉しかった。そしてヒバリはカイの選んでくれた水着を買った。


 その後は服屋に行き、カイの服をコーディネートしたり、カフェに寄って話したりしてデートを楽しんだ。


「結構歩いて疲れたねー」


「そうですね」


 二人は飲み物を飲みながら、ゆったりと過ごしていた。そして二人は次の予定を話し合った。


「せっかく水着も買ったし、海とか行きたいよねー」


「いいですね!」


 夏になり暑くなってきたため、カイも海に行くのは賛成だった。


「さっそく近々行っちゃおっか!」


「はい!」


 そして二人は海に行く日の予定を立てた。次のデートの予定も決まったため、今日は解散となった。


 カイはヒバリを駅まで送った。


「それじゃあー、また今度ね!」


 手を振って駅に行くヒバリをカイは見送った。そしてその後カイも地下鉄に乗り、家路に着いた。


 カイは地下鉄に揺られながら、ヒバリと二人きりでいられた時間を思い出していた。これからもそんな幸せな時間を過ごせると思うと、カイはそれだけで嬉しくなっていた。

読んでいただきありがとうございます。

次回更新は2月1日の0時です。

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