1/42
プロローグ
これはひどい。あんまりだ、神さま。
幼稚園以来の友人、鳥居幸に胸元をつかまれながら天井を睨む。
ここ最近、不幸続きではあったが、その中でも一番ひどい。まさか、友人に、一番の大親友にこんな風に詰め寄られるなんて思いもよらなかった。
それもこれもあのハガキが家に届いてからだ。あの、あなたの人生に幸あれなんて書かれたわけの分からないハガキがうちに届いてから、僕の人生は不幸の連続だ。なにが幸あれだ。ただの不幸の手紙じゃないか。
「おい、聞いてるのか、万」
耳元につんざく声。ああ、僕は一体どうすればいいんだろう。もう天に身を任せるしかないのだろうか。
最終的に、先生が仲裁に入り、この出来事はそこで終わった。説教が終わり、部屋を出ると、幸が僕にとても小さな声で呟いた。
「もう絶交だ」
こうして、僕は親友を失った。