表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

転生先は森の中(1-10)

高さ数百メートルもありそうな巨大な城壁に囲まれた都市、迷宮都市ルナ。

 

 いかにも中世ヨーロッパって感じのある風景をさらに強調させるかのように、鎧を身にまとって門へと続く道を歩いたり、武器を手元に置いて街に出入りしたりしている者が数多く、その中では人間ですらない者もちらほら見かけられる。

 

 ゆらゆらと馬車が揺れて古めかしい石畳になっている通りを進むと、やっと門についた。

 門についたら衛兵らしき人物に声をかけられる。

 

「止まれ。この先を通したければ身分証を提示しろ。身分証がない場合、街に入るには銀貨1枚を支払わないといけないのだ」

 

 そうか。

 街に入るには身分証が必要か。

 

 もちろん、今まで森の中で暮らしていた僕にはそんなものがない。

 幸い、アレンに銀貨5枚をもらった。

 

 お金がちょっと減るけど、それはしかたない。

 

 アレンとエミリア、そしてガリックは身分証を取り出して衛兵に見せる。

 衛兵は代わる代わる3人の身分証を確認すると、返す。

 

 すると僕の番が回ってきた。

 僕はポケットから銀貨1枚を取り出して衛兵に渡そうとしていた。

 

 でも衛兵は、すぐ受け取ってくれなかった。

 むしろしばらくお金を見つめてから受け取ったのだ。

 

 なんで?

 と、そんなことを不思議そうに思っていると衛兵は、

 

「身分証がないのか?」

 

 そんなことを尋ねてきた。

 すると、そんなものがないと答えると、衛兵は面倒くさそうに溜息をついた。

 

 何?

 僕なんか言ったか?

 

 と、心の中で自問するが、口に出さなかった。

 すると衛兵はポケットから何か白くて細いものを取り出して、そのものを僕に差し出してくる。

 

「この白い板の上に手を乗せてくれ」

 

 仏頂面を作る衛兵。

 まじでなんなんだこの人?

 

 文句とかがあれば言えばいいのに。

 

 まあ、言っても何も変わらないか。

 とりあえず、言われるがままに白い板の上に手を乗せることにする。

 

 すると、ステータスの一部が表示される。

 

 

 名前:マティアス

 年齢/種族/性別 : 120/森上妖精/男

 レベル:2

 賞罰:なし

 スキル:魔法全属性操作、弓術Ⅱ

 

 

 どうやら鑑定の劣化版らしい。

 レベルの下に『賞罰』という言葉が書いてある。

 もしかして、犯罪経歴を調べたりしたとか?

 犯罪はこの世に来てからしてないから問題はない。

 もちろん、前世でもしてない。

 

 引きこもりには無駄な努力だ。

 

 すると目の前で表示されているウィンドウをしばらく見つめると、衛兵はやっと声をかけてくる。

 

「うん。問題ないな。それじゃ……ようこそ迷宮都市ルナへ。街にいる限りくれぐれも、犯罪とかを犯したりはしないように」

 

 そう言って衛兵は自分の名前と街の名前が書かれた薄い金属製の仮身分証をわたされ、無理に作ったような笑顔で通される。

 

 馬車が発車し、街の中へと進む。

 周りには、通りを行き来している人がやはり多い。

 

 見るだけでこの街の人口密度が相当高いってことがわかった。

 

 そしてその恐ろしいほどの人数を収容する為に、通りの両側には途方もなくそびえ立っている石造りのビルがたくさん並んでいる。

 ──その中でも一際壮大なビルも織り混ざっているのだ。

 

「すごいなぁ」

 

 目の前に広がっている、ファンタジーの小説の中に出てきそうな風景を眺めながら、僕は思わず、そんなことを呟いた。

 するとすぐ隣に座っているアレンは、

 

「だろうな」

 

 と、それだけを言い返すのだった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ