宿屋の女主人と-4-
はぁ、どうしよう……。
夕日が差し込む室内でソファに座って頭を抱える。
自分のしでかしたことの重大さに頭痛がしてきた。
「何しけたツラしてんだい。失礼だね。」
すっかり身支度を整えたアヴィに、退きな、と言われて向かいのソファに座りなおす。
彼女は手桶に入れた水を布に浸してソファの汚れを拭き取り始めた。
「汚してごめん。俺もやるよ。」
布を分けてもらって布に散った体液を拭いていく。
「あーもう、無礼な顔やめな。悪かったよ。その歳で初めてだったなんて思わなかったんだ。仕方ないだろやっちまったもんは。責任取るからさ。」
アヴィがバツが悪そうに言う。
「責任?」
どっちかというとそれは俺のセリフなんだけど。
「女が満足する舐め方教えてやるから。」
何故そうなる。
「……そんな事じゃない。アヴィは結婚してるのに俺……。旦那さん帰ってきたら、煮るなり焼くなり好きにしてもらっていいから。」
不倫なんて、マリアや修道会のシスター達が知ったらなんて言うだろう。
はあ、胃が痛くなってきた。
「……それなんだけど、本当はもう別れてんのさ。だからあの人があんたに怒ることもないから安心しな。」
「え?」
「黙っててすまないね。あんたに過ぎたことは気にするななんて言っときながら、未練がましくここにしがみついてるのを知られたくなかったんだよ。」
俺は手を動かしながら先を待った。
「あんまりに帰ってこないから、半年前にあの人の実家に行ったのさ。そしたら、もう他の女と結婚して子供もいた。」
「そんな……」
「駆け落ちした時に持ち出した実家の金、この土地が買えるぐらいの額さ。あの人が戻らないとそれを全部私が盗んだと訴えるって言われたんだって。禁止されてたから連絡もできなかったってさ。本当だと思うかい?」
聞かれても、今度はもう無責任にきっとなんて言えなかった。
「手切れ金って事でここは貰ったけど、馬鹿だったよね。わざわざやましい金くすねて、つまらないもの買ってさ。甘っちょろい欲出さないで二人だけでもっとずっと遠くに逃げたらよかった。」
アヴィが手にした布をくっと握る。
「何が無くても、それだけでよかったんだろうよ。」
声が震えてたから、アヴィは泣くんだと思った。
でも彼女は泣かなかった。
「結局私にはもうそのつまらないものしか残ってないのさ。」
「俺は、全然つまらないものじゃないと思う。」
これは、自信を持って言える。
「ありがと。久々に話して少し気が楽になったよ。さて、部屋にも案内してなかったね。来な。」
貸してもらった客室も洗練されたしつらえが綺麗に整えられた個室で、俺にはもったいないくらいの部屋だった。
夕飯もご馳走になって、俺は物心ついて初めてマリアの隣以外で寝た。
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