第11話 再会
「おー、派手に死んでるな。グロすぎて吐きそうだ」
俺は呑気に呟きながら煙草を吸う。
しばらく吹かしていると、肉塊が光の粒子となった。
ほとんど同じ位置に四人が復活する。
残機を犠牲に蘇ったのだ。
だいぶ壊れてしまったが、この教会はまだ復活地点として有効らしい。
四人は疲労困憊していた。
全身を蜂の巣にされたショックが抜けていないのである。
俺は煙草を片手に話しかける。
「災難だったな。大丈夫か?」
「あんた、よくもそんなことが言えるわね!」
「言えるさ。俺は強いからなァ」
俺は笑みを深める。
軽く身構えてみせると、勇者達は動きを止めた。
二度も殺されたばかりなのだ。
その苦痛は記憶に新しい。
威勢は良いものの、所詮は見掛け倒しに過ぎなかった。
唯一、勇者が聖剣を手に臨戦態勢だが、踏み切る覚悟が足りていない。
あいつの決断力の弱さは知っている。
実力はあるものの、精神力はまだ未熟なのだった。
俺は長机に寝転がりながら宥めてやる。
「落ち着きなよ。近所迷惑だぜ」
「ムカイ。君は自分が何をしたのか分かっているのか!?」
「勇者パーティーを全滅させたな。随分とあっけなかったが」
「あんたのせいで女神の祝福を無駄に使ったわ! この責任はどう取ってくれるのよ!」
少し元気になった女戦士が糾弾してくる。
他の二人も非難の目を向けてきた。
リーダーの勇姿に引っ張られているのだ。
ちなみに女神の祝福とは残機のことである。
彼らにとってはまさに生命線。
突然の裏切りより、それを浪費したことに憤っているのだろう。
俺は横になったまま勇者パーティーを眺める。
煙草を長机に押し付けて火を消すと、欠伸を洩らしながら応えた。
「責任な……よし、分かった。もっと殺してやるよ」