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30話 モデルとの付き合い方

ブックマーク800人突破ありがとうございます。

今週は水、金、土で投稿する予定です。


 俺が分からない状況の中、優花は話しかけてきた女性に


「それはごめんなさい。でもいいじゃない。私だって普通の女子高生がしたかったの!」


「ダメよ。ちゃんと自覚をしなさい。ここは人目もあるし、喫茶店にでも行きましょ」


「はい...」


 話を聞く限り優花とその女性の話のため、俺は不要っぽそう。後々優花から聞いて気を付ければいいことだと思ったため


「俺は自宅に帰ってますね」


「ダメよ! あなたも一緒に行くのよ? 優花の彼氏さんなんでしょ? それに義理のお兄さんなんだしさ」


「わかりました」


 優花が話したのか? 優花にとってそれほど信用している人ってことなのか? いろいろ気になる点がある。だから優花とその女性についていく。


 それにしても優花とこの人はどういう関係なんだ? 優花がモデルってことを知っていたし優花も素直に謝っていたのを組み込んで考えると、同業者の誰かってことだよな? 例えばモデルの仲間だったり、マネージャーさんだったり。でも話を聞く限りマネージャーって線が濃厚だろうな。



 喫茶店で席に座り、本題に入る。


「まず彼氏さんは私の事知らないから自己紹介するわね。名前は石井美奈穂。優花のマネージャーをやっているわ。よろしくね」


「よろしくお願いします。龍宮寺仁です」


 やっぱりマネージャーだったか。まあ予想通りだったな。


「早速だけど本題に入らさせてもらうわね。優花は今年から芽が出そうな人材なの。だから問題は起こしてほしくはないの。別に付き合っちゃダメって言っているわけじゃないわ。高校生なんだから青春は大切よ? だけど節度を持って付き合ってって言っているの」


「それを仁に言う必要はないじゃない! 私が気を付ければいい事じゃない!」


「違うわ。付き合っている時点で優花一人の問題じゃない。仁くんが問題行動一つ起こした時点で優花の印象は落ちる。そして事務所の印象まで落ちる可能性があるってことよ」


「...」


 石井さんに言われてやっと自覚する。俺がもし犯罪行為をしたら優花のイメージは落ちるし、そんな奴と付き合っていたモデルを雇っている事務所の印象すら落ちる可能性がある。


「だからまず仁くんには一つ自覚してほしい。優花は女子高生だけど女子高生じゃないの。もう一個人のモデルとして仕事をしているってことをわかってほしい」


「はい」


「それとね。義兄妹が付き合うって言うのは普通ない事よ。それをモデルがやっているってことはどうなるかわかるわよね?」


 スクープになるってことだよな。最悪の場合テレビに取り上げられるってこと。そんなことになったら俺以上に優花が大変だろう。


「だから優花も仁くんも行動には気を付けてって釘を刺しに来たってこと。今日の行動みたいなことをずっと続けられるといずれ雑誌に取り上げられて、お互いが大変なことになるから」


「はい。ご忠告ありがとうございます」


「優花から追って行動とかの制限とかを言ってしまうと思うけどよろしくね? そんなにひどい制限じゃないから」


「わかりました」


 話が終わり優花と一緒に帰る。喫茶店で俺が石井さんと会話をしている時、ずっと優花は下を向いていた。優花のことだから俺に申し訳ないとか思っているのだろう。でも今回言われたことは理にかなっているしいい教訓になった。だから


「今回のことはいい教訓になったと思う。だからありがとな。優花のおかげで分かったよ」


「なんで? 私がモデルじゃなかったらこんなことにはならなかったのに...」


「そうだけどそうじゃない。俺はモデルの優花が好きになったんじゃなくて、一人としての優花が好きになった。だから優花がモデルであったならそれも受け入れてあげるのが普通じゃないかな?」


「ありがとう...」


「お互いのことを今後じっくりと考えていこうよ。父さんや美穂さんたちにも結局は伝えなくちゃだしね」


「うん」


 家に帰っても優花は少しショックを受けているのかすぐに部屋に戻ってしまった。こんな時どんな言葉をかけてあげればいいかわからない。それに今の状況なら一人にしてあげた方がいいと思う。俺だったら悩む時間が欲しいから。


 それにしても明後日隆一たちが来るけど大丈夫かな?

読んでいただきありがとうございます。


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