28話 二人で生活のルール
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来週から優花と二人きり...。うん。おかしいよね? 父さんと美穂さんには俺たちが付き合っていることは言っていない。なのに一つ屋根の下で思春期の男女が一週間も二人で暮らすのはどうなんだ? 何かが起きてもおかしくないぞ? 父さんも美穂さんも俺を信用してくれての行動だとは思っているけど、思春期の男子をなめすぎではないか? 大人が思っているより思春期の男子は危ないと思うぞ?
「はー」
俺がため息を自然としてしまうと、優花が俺に話しかけてくる。
「私と二人っきりの生活が嫌?」
「そういうわけじゃないよ」
「じゃあなんでため息をしたの?」
不思議そうに尋ねてくる。こういう一つ一つの仕草が可愛いから困っているんだよ! 優花は気づいていないけど、どれだけそういう仕草をされて男子が勘違いしたことか...。
「ちょっと今度のことが不安で...」
「例えば?」
ここで正直に理性が持ちませんと言うのは得策じゃない。でも嘘をつくとなんやかんやで優花にはばれてしまう気がする。だから...。
「この一週間で今までの生活はできないってことだよね? だからそういう部分が不安で」
「私が家事とかやるから心配しなくて大丈夫だよ?」
「家事は俺も手伝うよ」
「手伝ってくれるのは嬉しいよ? でも将来はママみたいに家事とかやると思うから少しずつでも練習しようかなって思ってさ。それも一緒に暮らす子が好きな男の子なんだから頑張れないわけないよ」
その発言はよくない。こんなこと言われたら何も言えない。俺のために家事をしてくれるって言ってくれる以上に嬉しいことはない。でもそんなこと言われたら今以上に好きになるのは分かり切っている。そしたら現状抑えきれている理性も爆発してもおかしくない。
「そう言ってもらえてうれしいよ。でも俺も手伝うから一緒に頑張っていこ? 俺も優花のために頑張りたいしさ」
「うん...」
優花は顔を赤くしながら答えてくれる。俺もこんな恥ずかしい事言っているのだから顔が赤くなっているのはわかる。でも俺のためにもこうでもしなくちゃいけない。
「来週からの分担するか決めよ!」
「了解」
「私は料理と洗濯とかする!」
「俺も料理は手伝うよ? 後はゴミ出しと買い物、洗濯ものを干すたりでもしようかな?」
「買い物は一緒に行こうよ?」
「そうだね」
汚れ仕事と重い仕事は俺がやればいい。それに料理ももともとは俺もやっていたことだから苦手じゃない。だから手伝うことは造作もない。
「後提案なんだけど、この一週間は二人なんだから隆一と岳と結城さんでも呼んで遊ばない? それと二人で過ごすんだしお互いのルールを決めておかない?」
「私も里穂を誘おうと思っていたんだよ! 後ルールはどうするの?」
「まずはお互いの時間を大切にしない? 24時間ずっといるのはお互いよくないと思う」
俺はともかく優花も性欲はあると思う。年頃の男女が24時間一緒に居たらたどり着く場所は目に見えている。だけど俺はまだそういうことをしたいとは思っていない。それは優花のためでもあり、俺のためでもある。お互いがそういう行為をしてしまったら今まで通りの行動はとれなくなるかもしれない。そしたら父さんや美穂さんにもバレてしまう。そういう行為をするならまずは順序を踏んで、そしてちゃんと父さんたちを説得できる計画を練ってからの方がいいと思う。
俺がそう考えているのにも関わらず優花は
「別によくない? 私は仁と24時間一緒に居たいと思うよ? もっと仁のこと知りたい。もっと私のことを知ってほしい。それにお互いの距離を縮めるチャンスだとは思わない?」
「思うよ。だけどそれはダメだよ」
「なんで?」
ここまで食い下がらないならちゃんと言うしかないよな...。
「俺は優花と24時間一緒に居たら優花に何をするかわからない。だから24時間は一緒には居たくない。優花のことは知りたいし、俺の事も知ってほしい。だけどそれとこれは別」
「仁も考えているんだね。でも昨日も言ったけど仁にならちょっとはエッチな事されてもいいよ? でも仁がそう言うなら我慢する。でも私も仁と一緒に居たいし、我慢できないところはあるから覚悟しててよね!」
「あぁ」
優花が納得して部屋に戻ろうとした時優花がボソッと言うのが聞こえた。
「それに、そういう行為しちゃったらしちゃったじゃないかな~」
え? そういう行為はちょっとエッチな事じゃないぞ? そんなことを平気で言うからこっちも困るんだよ...。ちょっとはこっちの身も考えてくれ...。この一週間がより不安しかないな。
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