26話 優花と俺
ここからはイチャイチャをメインに書いていこうと思います。
最低でも3日に1話上げる予定です。
俺は優花に告白する。この気持ちに嘘はない。前々から気付いてはいた。だけど気づかないふりをどこかでしていたんだと思う。今の関係でも十分楽しいし、居心地がいい。でも優花に言われて俺は優花のことを本当の意味で信用していなかったんじゃないかって思った。自分自身の感情に蓋をして本当のことを言わなかったんだと思う。今の関係を崩すことが怖くて...。でも現状よりいい関係を気づくためには一歩踏み出して言わなくてはいけない。優花は俺とちゃんと向き合ってくれてたのに俺は向き合えていなかった。そんな俺が恥ずかしい。
だからもう自分に嘘をつくのはやめる。
「え? それって...」
「言うのが遅れてごめん。俺は優花のことが一人の女性として好き。だから付き合ってください」
優花は茫然としていたが、少し時間が経ち返事をくれる。
「はい。よろしくお願いします」
「よかった...」
「そんなに不安だったの?」
「そりゃあそうでしょ! 告白なんて初めてなんだし、振られるって可能性もあるしさ」
「私は気持ち伝えてたじゃん! 振るってことはないよ!」
そんなことはわかってるけどさ、誰だって告白したときは不安になるもんじゃない? 俺は体は震えるし、言葉に出すことすらきつかった。人によっては違うかもしれないけど、場数を踏まなくちゃこんなことなれないと思うし、慣れたいとも思わない。
「わかってるよ。わかってるけどやっぱりもしかしたらって考えちゃうじゃん! 優花が逆の立場なら考えない?」
「...。考えちゃうかも」
「そう言うことだね」
「でもこれで偽カップルから本当のカップルになったね!」
「そうだね。よろしく彼女さん」
「こっちこそよろしく! いろいろ楽しもうね!」
「あぁ」
いろいろかー。ゆうて今までとやることは変わらないんじゃないか? 付き合ったからって何かが変わるわけじゃないと思う。しいて言えば期間限定でやっていたカップルから無期限のカップルになっただけ。
「それで優里が言っていたことだけど、仁的にはどう思ってるの?」
「俺はいいと思っている。やっぱり俺の問題はすぐに解決できるわけじゃない。でも時間をかければほぼ確実に克服できる問題だから、一番しっくりくるかなって思ってる」
「そっか。仁がそれでいいなら私は良いと思う。私も言われて納得しちゃったしさ」
「そうだな」
「それでだけど,,,」
「ん?」
どうしたんだ? 顔を赤くしながらモジモジして。もしかして!
「トイレ? 近くの喫茶店まで行く?」
「違う! 付き合った日なんだから何か記憶に残ることでもしたいなって思って」
記憶に残ることね。なんだろう?
「うーん」
「だーかーら。わからない?」
「ごめん」
「鈍感!」
優花が言うと不意にキスされる。一瞬にして顔が赤くなる。唇に柔らかい感覚が来て、うっすらと甘い香りがする。これがキスって言うものなのか...。
「バカ! こういうのは男の子からしてほしい事なんだよ!」
「ごめん。今度からは俺からやるように頑張る」
「うん!」
お互いウィンドウショッピングをして家に帰る。親たちには付き合っていることは言わないようになった。言ったら何かと面倒くさい可能性もあるし、両親が申し訳ない気持ちになると思うから。義兄妹といっても兄妹。だから親としては少しでも負い目はあると思う。
家に帰り俺は優花に渡す。
「これ」
「え? ネックレス?」
「安物だけどね。付き合った思い出が欲しいって言ってたからペアネックレスがいいかなって思ったんだよね」
「ありがと。つけて?」
「うん」
「似合ってるね」
「仁もつけてあげる」
優花に言われるがままつけてもらう。つけてもらうことは良いけど、好きな子がこんなに近くに来るのは俺も男子だし少し...。
「ありがとう」
「似合ってるよ! お互い高校に行く時はこれつけていこうね!」
「そうだね」
お互いがつけ終わった時に美穂さんが居間に入って来て俺たちに話しかけてくる。
「あら! 二人でおそろいのネックレスつけてるのね! 私も明彦さんと一緒のものつけようかしら」
「いいと思いますよ」
「うんうん。いいと思う!」
「じゃあ今度聞いてみるわ!」
話が終わったが、はっきり言って緊張した。ネックレスのことを根掘り葉掘り聞かれたらどうしようかと思った。
後はそろそろ美穂さんにも敬語からため口に近い口調に変えたいな。
寝る前に優花が俺の部屋で来て上目遣いで言う。
「今日一緒に寝てもいい?」
(は? 何を言っているんだ?)
読んでいただきありがとうございます。




