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25話 優花に対する気持ち

なぜか日間ランキングに戻っていました。

これも皆様のおかげです。

この話と次の話はここらへんの話で1番の見どころです。

楽しんでいただけたらと思います。


 夏祭りの翌日。優花に連れられて某都内のカフェに行くとそこには優花とは別ジャンルの美少女が座っていた。


「優里遅れてごめん」


「いいよー。それよりもその人が私に紹介したい人?」


「そう!」


「初めまして。龍宮寺仁です」


「初めまして。森下優里です」


 お互いが挨拶を済ませると、森下さんは俺の事を凝視してくる。目をそらしてしまうが、森下さんはずっと俺を見てくる。はっきり言って気まずい。俺がそう思っていると、優花が助けに入ってくれた。


「私の問題を解決してくれた人が仁だよ」


「ふーん。龍宮寺くんが助けてくれたのはわかったけど、なんで私に紹介したの?」


 まあ普通に考えて疑問だよな。優花が俺にアイコンタクトをしてくる。前日に俺の問題を言っていいか言われていた。優花が信用している人なら言っていいと思うからアイコンタクト返す。


「私にも問題があったように、仁にも問題があるの。それで優里次第だけど手伝ってもらえないかなって思って今日は来てもらったんだ」


「そっか。まあ私はいいよ。でもその問題ってなんなの?」


 そこからは俺が説明した。俺が人を信用できなかったこと。今は徐々に克服してきたが、それでもまだ普通の人ほど信用できないということ。


 説明を一通り終わらせると、森下さんが話し始める。


「そう言うことね。まあ私が手伝えることはないんじゃない? はっきり言ってその問題って私一人じゃ解決できないよね。それこそ何人、何十人と手伝ってもらっても完全に克服できるわけじゃないよね」


「そうですね」


「じゃあ治そうという考えはやめたら?」


「は?」


 この人は何を言っているんだ? 治すのをやめたらそれこそ一生治らないだろ?


「言い方が悪かった。優花みたいに私生活にも影響を及ぼすほどの問題じゃない。それに人を徐々にだけど信用できるようになってきているんだよね?」


「あぁ」


「じゃあ今すぐじゃなくてもいいんじゃない? それこそ高校卒業までに何人の人とかかわるかわからないじゃん? だったら時間に任せて治していくって言うのでいいんじゃないかな?」


 ...。言われてみればそうだよな。優花の問題は私生活にも影響を与えていた。でも俺はそうじゃない。俺はもう治るって兆しが見えてきている。みんなの意見を聞て思ったけど、今回森下さんが提案してくれたのは理にかなっている。いろいろな人とコミュニケーションをとること。それは時間経つごとにいろいろな人と会話するためコミュニケーションが取れる。だから時間が過ぎれば克服できると考えられる。


「そう言われればそうだね」


 おれが納得すると優花がテーブルをたたいて言う。


「でも早く治る方がいいじゃん!」


「優花自身もわかっているんじゃないの? 人はだれしも問題を抱えていると思う。大抵はすぐに治らない。それに早く治そうとしたらそれは逆効果になる可能性もある。優花だって経験しているんじゃないの? 優花がなんで龍宮寺くんの問題をそんなに早く解決したかはわからないけど、少しは龍宮寺くんの事も考えてあげた方がいいんじゃないかな?」


「わかってるよ!」


 優花は怒鳴ってカフェを出ていった。追いかけようとするが、森下さんを一人で置いていくは申し訳ないと考えていたら。


「優花を追いかけてあげなよ。多分龍宮寺くんしかできないことだから」


「わかった。ありがとう。今度埋め合わせします。これ俺の連絡先。暇な時でも連絡ください」


 俺は紙に連絡先を書き、お金を置いてカフェを後にする。


 優花が怒って出ていった理由はなんとなくわかる。森下さんに言われたことが優花自身納得してしまったこと。それに加えてあったばかりの森下さんがより良い解決策を出して、俺が納得してしまったことだと思う。


 俺は10分程度走り、公園で優花を見つける。


「優花...」


「仁ごめんね。私のことばかり考えていて仁のことを考えていたようで考えていなかった」


「ちゃんと考えてくれてたよ! だからこんな俺にしてくれているんだろ!」


「そうじゃない。私は...。私は仁の問題を解決して二人で楽しい生活が待っていると思って動いていた。だからこれは私自身のことしか考えていなかった行動」


「違う。たとえ優花がそう考えてくれていたとしても俺はそうは思わない。優花がいなかったら俺は今でも人を信用できなかった。他人のことをちゃんと考えられなかった。そんなことをちゃんと教えてくれたのは優花だろ!」


「...」


「俺はさ、他人に嫌な顔一つせずに気を使えたり、努力を怠らなくて、俺のために勇気をだして助けてくれた優花が好きだよ」

読んでいただきありがとうございます。

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