21話 仁の信用とは?
読んでいただきありがとうございます。
まずストックがなくなってきました。
優花編、仁編が終わったということで次は人物紹介を入れたいと思います。
森くんと先生が厳重注意されたことから、クラスで居場所が徐々になくなって来ていた。あの件について腹が立っているため同情するつもりはない。でもなんであの二人は俺にこんなことをしたのかがわからない。まあこの件のおかげで優花のことが少しでも信用できるかもって思えたので、結果的にはよかったと思う。
「仁。この前の約束覚えてる?」
「あぁ。いい順位とったらファッションショーに行くって話だろ?」
「そうそう! 今日テスト返されるし、今日中に答えを聞かせてほしい」
「わかった」
優花から言われるが、順位が良くても悪くても俺はどっちでもよかった。だって今は優花のことを知りたいと思ってる。でも優花自身が結果を残してからって言っているため、そこは尊重してあげたい。
今日の1~6限とホームルームでテストが返される。1日で全教科返されるのは異例だ。俺は前回とあまり変わらず平均90点。他のメンバー・・・結城さんは80点。隆一51点。菊池くん45点。優花81点。すると優花が飛び跳ねながら俺のところに来る。
「仁仁! 平均81点だったよ!」
「おめでとう!」
「仁はどうだった?」
「俺は90点」
「高いね...」
「でもこの平均点ならいい順位になると思うし、ファッションショーに行くよ」
「うん! 私も頑張るよ。でも勝てなかったかー。この点数ならワンチャンって思ったんだけどな」
「はは。まあ次があるよ」
いやいや。普通にやばいって。ここまで点数が高いとは思わなかった。ぶっちゃけ俺が教えてこのレベルってことなら、自主的に勉強をしたらまけるんじゃないか?
テストを返されたため、優花と帰ろうとすると隆一たちが話しかけてくる。
「仁と龍宮寺さん! 夏休みに勉強したメンバーで一緒に遊ばない?」
「いいよ!」
俺が呆然としていた瞬間、優花が答える。
「俺もいいよ。でも何して遊ぶの?」
「うーん。お祭りとかどう? 後はプールとか?」
隆一の提案に結城さんと優花が言う。
「お祭りはいいよ。でもプールは嫌かな」
「あ、うん。じゃあお祭り行こう!」
「「「「了解」」」」
「日時はまた後で連絡するってことで!」
隆一がそう言うと部活に向かい始めた。それと同時に優花以外は解散する。
「優花。今日ちょっと寄りたいところがあるんだけどいい?」
「うん。どこに行くの?」
「優花と一緒で俺を助けようとしてくれた奴のところ」
「え? あ、それは私行かない方がいい?」
「どっちでもいいけど来てくれた方がいいかも」
「じゃあいくよ!」
今回解決に近づいたのは紛れもなく優花のおかげ。でもそれに至るまでは卓也が紹介してくれた石上さんの助言のおかげでもある。だからお礼を言いたいし、今回優花を連れて行くのも、俺が治ったきっかけをあの二人に伝えたいから。それにしても本当は後3人紹介してくれる予定だったんだよな。卓也に連絡を入れていたため、近くのファミレスに向かう。ファミレスに入るとすでに卓也と石上さんがいた。
「遅れてごめん」
「その子は?」
とっさに卓也から聞かれたのは優花のこと。
「今回。克服できると思ったきっかけを作ってくれた人」
「そっか。まあ克服できるならいいんじゃね?」
「だけど、その前にお前と石上さんにはお礼が言いたくて呼んだ。優花がきっかけをくれたけど、それまでの過程は二人と優花の3人が作ってくれたと思ってる。だから本当にありがとう」
「いいって。じゃあ今度から一緒に遊べるよな」
「あぁ」
お礼を言った後、優花と俺は家に帰る。ぶっちゃけ優花に来てもらう必要はなかった。でもあの二人には助けてくれた人を見せるのは筋だと思ったからつれていった。
「そういえば優花はもう男性の事苦手じゃないの?」
「そうだね。そりゃあ目の前で怒鳴られたりしたら苦手意識が出て来るかもしれないよ? でも今のところは大丈夫かな?」
「よかった」
「次は仁の番だもんね。徐々に頑張ろうね」
「あぁ」
家に帰って俺は自分の部屋に戻る。その時ふと思う。
(人を信用できるようになったとは思う。でもそれはどこからどこまでが信用なんだ? 全面的に信頼している人を信用しているって言うのか? それとも今まで通り表面上の信用も信用って言うのか?)
優花に抱いているのは前者で思ったこと。それに対して菊池くんや結城さんは後者の方。卓也や隆一はちょうど中間地点ってところだ。そこらへんもちょっと石上さんに聞いてみようかな。




