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16話 第一歩として

ブックマーク400人突破ありがとうございます。

明日から毎日1話投稿になると思います。投稿時間は20時前後を予定しています。



 学校に行くと話したことないクラスメイトなどから心配された。


「大丈夫か?」


「怪我いたくない?」


「どんな感じだったの?」


 いつもは優花が注目の的だったが、今日は俺に質問が来る。


(はっきり言ってめんどくさい。いつも話す奴らに聞かれるのは良い。けどいつも話さない奴らにも話しかけらえるとどんな対応をしていいか困る。いつもこんな気持ちで答えていたんだな。)


「まあ大丈夫だよ」


 当たり障りのない回答をしてうまくかわす。ぶっちゃけこの件についてはあまり触れてほしくない。根掘り葉掘り聞かれてしまうと優花の問題まで聞かれてしまうし、俺の問題にまでたどり着いてしまう可能性がある。


 ホームルームが終わり、授業に入る。再来週テストなのでみんないつも以上に授業を集中していた。俺も少しの間学校を休んでいたけど、誰とも話すことがない時期に勉強ばかりしていたため、勉強の方は特に問題ない。


 昼休みはクラスで優花と一緒にご飯を食べる。優花がいつものようにお弁当を作って来てくれていたため、購買に行かなくてすむ。するとクラスメイトから


「優花ちゃんからお弁当作ってもらってるのー? いいなー」


「羨ましいぞ」


「地獄に落ちろ」


 あれ? 最後のは聞き間違いかな? 優花にお弁当を作って来てもらうのがそんなにいい事か。いや、普通嬉しい事か。もうお弁当を作ってもらって結構立つから当たり前になって来ていた。


(感謝の気持ちを忘れちゃいけないな)


 お弁当を食べていると、結城さんが話しかけてくる。


「龍宮寺くんは勉強大丈夫? 休んでいた分のノート見せようか?」


「多分大丈夫だよ。ノートは一応見せてもらおうかな?」


 おれがそう言うと優花が俺に言う。


「私が見せるから里穂は見せなくて大丈夫」


「あ! そうだよね」


 別にどっちでもいいだろ! 優花に見せてもらうのも結城さんに見せてもらうのでもどっちでも変わらなくないか?


「結城さんは勉強大丈夫なの?」


「うーん。まあ中間テストはよかったから大丈夫だと思うけど、勉強はしなくちゃだね」


 話しているところに隆一や菊池くんが俺たちのところに来る。


「俺もやばいって。仁教えろ」


「俺にも教えてくれ! 頼む」


 隆一と菊池くんから言われる。すると優花が提案する。


「じゃあ私たち5人で勉強しない? 仁に図書館で勉強教わっているけどどうかな? 仁さえよければだけど」


 別に何人増えようが教えるのは変わらないし。


「いいよ」


 俺が了承すると結城さんが勢いよく言う。


「じゃあ今日から一緒に勉強始めよー」


 隆一や菊池くんも結城さんに同調するように言う。


「「おー」」


「じゃあ放課後な」


「「「了解」」」


 俺が優花の方を向くと優花が親指を立てて笑っていた。これもコミュニケーションをとる一環として提案してくれたことなのかな? 結城さんはともかく、隆一や菊池くんとはなんやかんやコミュニケーションをとっているため別に大丈夫だろ。この二人を信用しきっているわけじゃない。でもこう言うのを増やしていくと信用できるようになるのか? 隆一も親友と言える存在になるのか?


 午後の授業も特に心配することなく終わり、図書館に行く準備をしていると卓也から電話がかかってくる。


「今日会えるか仁?」


「悪い。今日はクラスメイトと図書館で勉強」


「へー。お前でもそういうことするんだな。でもお前そいつらのこと信用できてんの?」


 信用できているかで言えば、卓也と変わらないぐらい。厳密に言えば菊池くんや結城さんはまずそこまでに値しない。


「微妙かな。お前と一緒ぐらい」


「じゃあ明後日あけとけよ。飯でも行こうぜ」


「わかった」


 電話が終わると優花から話しかけられる。


「今話してたの誰?」


「優花が不良に絡まれたとき会ったじゃん。その時別の不良が助けてくれたの覚えてる?」


「うん」


「そいつだよ。後、俺の心情も知ってるし、解決しようとも言ってくれてる」


 おれが言うと、優花は疑問そうにいう。


「なんで? 私は最初断られたのに何でその人には了承したの?」


 なんでって言われても。ほぼ無理やりだったしな。それに別に優花に関係なくないか? 俺が誰を頼ろうがさ。


「まあいろいろあったんだよ」


「ふーん。まあいいよ。おいおい聞くからね! じゃあ勉強しに行こっか」


 優花が言うのと同時にみんなと一緒に図書館に向かった。

読んでいただきありがとうございます

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