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9話 優花との学校生活

個々からは優花と仁の甘い話と問題を解決していく話になっていきます。



 優花とクラスに入りお互い席に着く。予想通りクラスメイト達が質問をしてくる。


「龍宮寺くんと一緒に登校って珍しいね!」


「うん」


「どういう関係なの?」


(すごい。ぐいぐい質問してくるな)


 まあここは俺が答えた方がいいよな...。


「昨日から優花と付き合うことになったんだよ」


「「「・・・。え? 嘘!」」」


「本当だよ」


 クラスメイト達が信用していなかったのが優花も賛同して言ってくれる。


「おめでとう! でもまだ学校始まって1週間ちょっとだよ? どこで仲良くなったの?」


 質問が多い。俺は聖徳太子じゃないんだから1つずつしか答えられないぞ。おれが変なことを考えていると


「えーとね。先週から一緒に運動していてそこで仲良くなったんだ」


 優花が答えるとクラスの女子たちがニコニコしながら


「えー! 羨ましい。私も彼氏ほしい」


「龍宮寺くん大切にしてよね!」


「うん」


 俺たちが話していると森くんがやってきて威圧的に質問してくる。


「本当に付き合っているのか?」


「そうだよ」


「なんでおまえなんだよ」


 捨て台詞をはいて俺の前から去っていく。なんでって言われてもな。まあ偽カップルだし直に別れるよ。


 (森くんごめん)


 席が前後のため授業中はあまり話さない。てか優花は男子と話すのが苦手なのに毎回話すのも疲れると思う。俺はそう思い昼休みも適度に話しかけてお昼休みに入る。


「優花。外で食べない?」


「うん」


 二人で外のベンチに行く。


「外でよかったの?」


「クラスメイトだけに付き合っているって言っても他クラスのやつはまだ知らない。だから外で食べたらみんなの視線とか集められるとおもうんだよね?」


 すると優花は感心そうにうなずきながら答える。


「そっか」


「ちょっと待ってて。お昼買ってくる」


「待って。お弁当持ってきたよ?」


「え? 朝渡されなかったから無いと思ってた」


 俺が驚きながら答えると優花は少し笑いながら言う。


「お弁当は約束だからね。ちゃんと作っていますよー」


 ドキッとする。いつも一緒にいるけど、こんな顔を見たのは初めて。


(ちゃんと笑えばかわいいじゃん。周りに気を使いすぎなんだよ。俺が言えた義理じゃないけどさ)


「ありがとう」


 お弁当を開けると、今日は一段と手が込んでいた。弁当の中はハンバーグ、トマト、にらの卵焼き、ブロッコリーが入っていてご飯はクマさんの形をしていた。


「かわいい」


 つい声が出る。


「男の子にクマさんはどうかと思ったけどそう言ってもらえてよかった」


「いやいや。だれでも女子に作ってもらえたら嬉しいよ。それに加えて料理はおいしいし」


「はいはい。褒めてもなにも出てこないよ。じゃあ食べよっか」


「いただきます」


 一緒にお弁当を食べる。見た目通りおいしい。でもいつ作っているんだろう?


「いつ作っているの?」


「秘密」


 秘密って。でも隠したいなら聞かない方がいいよな。


「俺も何かお礼をしなくちゃだな」


「お礼なんてしなくていいよ。ランニングに今のこと。これだけでも本当に助かってるよ。お礼なんてされたら私返せるものがないよ」


「そっか。でもランニングのことは俺もやりたいと思ったからやっているだけで、お礼を求めているわけじゃないからいいのに」


「そしたら私もお弁当を作りたくて作ってるの! 未来のために!」


 俺は笑いながら


「じゃあ俺は実験台ってことだね」


「嬉しいでしょ?」


「光栄でございます」


 お互い笑いながらお弁当を食べて教室に戻る。


 やっぱり俺たちのことを見ていたらしく、女子からは暖かい目線を見られ、男子からは殺気を感じる。俺は少し優花から離れて隆一や菊池のところに行く。俺が向かうと隆一が冷やかしに入る。


「お。彼氏さんが来たよ」


「うっせ」


「この前の弁当も龍宮寺さんが作ってくれてたってことかい?」


(こいつ本当にこういう所は頭が回るよな)


「そうだよ」


 おれが答えると菊池が


「羨ましいぜー」


「ははは」


 苦笑いをする。お弁当を食べられるのは嬉しい。だけどこいつらが思っているのと俺が食べているのは全然理由が違う。こいつらが思っているのは恋人に作ってもらう弁当。俺が今食べているのはお礼として持ってきてもらっている弁当。


(男子なら彼女から作ってもらいたいよな......)


 少し隆一や菊池と話して午後の授業に入り、特に何もなく授業が終わる。


 俺は後ろを向き優花に問いかける。


「図書館に行って勉強する?」


「覚えてたんだね」


「今日言われたんだよ?」


 俺は馬鹿にされているのか? 俺はニワトリか!


「でやるの?」


「怒った?」


「怒ってない」


「じゃあお願いしようかな」


「図書館にいこうか」


 俺が先に歩き始める。


「やっぱり怒ってるじゃん!」


「怒ってないって。怒っているふり」


「フーン」


 お互い最後は少し笑いながら図書館に向かった。

読んでいただきありがとうございます。

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