7話 義兄妹が偽カップル?
まずは3日間でブクマ登録100 件PV10000本当にありがとうございます。励みになります。ランキング上位を目指して頑張りますので応援よろしくお願いします。
今日から7時、12時、20時で投稿する予定です。時間は変動する可能性もありますし、投稿するの話も変わるかもしれません。今のところはいつも通り1日に3話アップする予定です。
なんで優花さんの名字を知っているんだ? 今は龍宮寺になっているはずだし、家の表札も龍宮寺だ。まあ普通に考えたらモデルの友達だろうけど、優花さんに聞かない限りどう答えていいかわからない。
「少々お待ちしていただいてもよろしいですか?」
「はい」
インターホンを切り隣にいる優花さんに尋ねる。
「イケメンな男性が尋ねてきたけど知り合い?」
俺が尋ねると優花さんは少し震えながら頷く。
(この様子だとあったらやばい奴か...)
「じゃあいないってことにするけどいい?」
「うん。おねがい」
俺は家をでてイケメンな男性と話す。
「お待たせしてすみません。この家に鈴木優花って人はいませんよ」
嘘は言っていない。鈴木優花はこの家にはいない。龍宮寺優花ならいるけど。
「ふーん。じゃあ鈴木優花を知っていますか?」
「2週間前に会いました」
「今どこにいるか分かります?」
「わかりません」
すると会釈をして家を去っていく。あの人はなんなんだ? 話した限り感じが悪そうな人ではないけど、優花さんが怯えているのを見ると裏がありそうだよな...。
居間に戻り優花さんに問いかける。
「さっきの人は誰なの?」
「西村龍雅。違う事務所のモデル」
「なんであんなに嫌がっていたの?」
さすがに突っ込みすぎかと思うけど、この話は聞かないわけにはいかない。今後どういう対処をすればいいかわからなくなる。
少し沈黙した後、優花さんが話し始める。
「私がモデルを始めたのは3年前の中学1年の時。その時からちょくちょく一緒に仕事をしていたから私も最初は優しい人だと思っていた。でも1年たった時から少しずつボディータッチが多くなってきて中学3年の時、故意的に胸を触られたんだ。そこで距離を取ったんだけど、ストーカーっぽいこともされ始めてさ...」
(そういうことか。優花さんが男性に苦手意識を持つ理由がこういうことだったのね)
わかっていたけど優花さんは悪いことを何一つしていない。なのになんでこんなに怯えなくちゃいけないんだよ。俺は怒りがこみあげてくる。
「話してくれてありがとう。今度尋ねてきたときの対処を考えよう」
「うん。私のことなのにごめんなさい」
弱った声で言われる。
「家族なんだから当たり前だよ」
対処について考え始める。今日来た時点で家は特定されている。すると学校にも来る可能性がある。そうすると帰り道で待ち伏せとかされたら。そう思うだけでゾッとする。
「対処なんだけどさ、学校に行き帰り一緒に行くって言うのはどう?」
俺が尋ねると驚いた顔でこちらを見てくる。
「え?」
「今後学校の行き帰りで待ち伏せとかされたら危ないし」
「そうだよね。でもそうすると学校のみんなに...」
「これはあくまで1つの意見なんだけど、偽の恋人になるとかだと学校のみんなも納得してくれるとは思うけど、これは最終手段だね」
すると優花さんは少し考えた後に結論を出して俺に言う。
「その案でいい。私の問題なのに仁さんに迷惑ばかりかけている。だから仁さんが心配する時間を少しでも減らしたい」
俺は茫然とする。すぐに我に返る。
「じゃあ宜しくお願い致します。優花」
「あ、はい。仁」
お互いぎこちないがこうするしかない。
(学校の男子たち、だましてごめん)
心の中で謝る。部屋に戻り、対策を考える。もし西村が来た時どういう対処を取ればいいか。喧嘩になったら勝てるとは思うけど、複数人でこられたら無理だ。
あいつらに頼るか...。
卓也に電話する。
「いきなりどうした? 仁から電話かけて来るとは思わなかったよ」
「ちょっと聞きたいことがあってさ」
「なんだ?」
「西村龍雅って知っているか?」
「...。なんでそいつの名前を知っている?」
不良でも名前が売られているのか。
「ちょっとそいつと問題が起きてさ」
「1週間待ってくれ。情報を集める」
「本当に悪い」
真剣に謝ると、卓也が笑いながら言う。
「いいよ。達だろ? でも貸しいちな」
「ありがとう」
これで西村の情報は手に入る。だけどあいつが不良でも名が知られているってことは俺も少し鍛え直さなくちゃ。
読んでいただきありがとうございます。
皆さんに読んでいただき本当に励みになります。




