05 デューク
さくっと、一週間が経過しました。
私の存在に慣れたのか、扱いになれたのか、とりあえず「もがもが」は無くなった。
口塞がれていると呼吸が苦しくなるので、それはありがたい。
でも手錠はしっかり存在している。
右手と左手で「やあ」「こんにちは」状態だ。
そんなこんなで部屋に閉じ込められっぱなしな現状だけど、生きていく上ではどうしても外にでる必要がある。
お風呂に入るときや、お花を摘みに行く時がそう。
そういった時は、王子様が信頼している人に、私の見張りを頼んで、その人に連れて行ってもらいます。
異常な王子様が見張るのでないのなら、どこかに隙が生じるかもと思ったが、残念な結果に。
監視をしているその人は、見た目は普通のメイドなのに、滅茶苦茶強かった。
傾いた国を救ってしまえるような英雄レベルだった。むしろ救世主と言っても良いくらい。
結果、一週間経過した今でも、脱出できていない。
私に王子様暗殺を依頼した人は、きっと私の事もう死んでると思っているだろう。
監視されながらお風呂から戻って来た私を見て、王子様デュークがにっこり。
「リエラ、私と素直に結婚してくれる気になったかい」
「お断りします」
そして再び、手錠をがちゃり。
あなたに気にいられるような返事をしないと先にすすめないの?
この会話。