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王子様、暗殺しにきまし…えっ結婚してくれ?  作者: リィズ・ブランディシュカ
3/6

03 求婚



 きらきらとした月の光が宝石のように、室内にこぼれ落ちる。

 場所が場所だから、柄にもない事を考えてしまった。

 ともかく。

 明るくなった室内で、王子様の顔がはっきりと見えるようになった。


 整った顔だちと、金色の髪。

 長いまつげと、宝石のような輝きを称える黄金の瞳。


 それは一つの芸術品のようだった。


 暗殺稼業一筋で生きてきた私の胸をうつような美が、そこにはあった。


 月の光をうけて、こちらを見つける王子の美貌は、今まで見てきた人間の中でも一、二を争うものだろう。


 王子様の人間離れした容姿を見て、思わず息をのんで固まっていると、相手も同じように固まっている事に気が付いた。


 一体何だろう。


 暗殺者お襲撃に対して、冷静に対処するほどの王子様が驚く事とは?


 不思議に思っていると、相手が口を開いた。


「好みだ」

「へっ?」

「結婚してくれ!」

「えっ?」


 何という事でしょう。

 王子様を暗殺しにいったら、求婚されてしまいました。



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