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第九話 修行!修行!修行!

前回のあらすじ:龍化は諸刃の剣

じーちゃんはあの後少し俺と距離を取ろうとしていたのかよそよそしかったけど、数日もすれば元に戻っていた。


あれから俺は剣術の練習をした後、座禅を組んで魔力と気の制御を同時行っていた。


魔法と気などのスキルも多々習得できたわけだが、そこで共通の事に気が付いた。


「これ、多くの魔力を込めて詠唱すると威力が底上げされるのな」


全ての魔法に言えることかもしれないけど、魔法を発動させる際に通常より魔力を意識して練りこむことで発動魔法の威力が上がることを発見した。


「通常発動される魔法のMP以上に魔力をねじ込めば威力が上がって当然じゃろ?」


「いや、その理論はおかしい。そもそも通常発動するって定義がそもそも定まってないぜ?」


あの『魔法』と『気』そして『龍化の秘密』について聞いた日から1ヶ月が経とうとしていた。

じーちゃんにカカシをかなり作ってもらったけど30本以上潰してしまった。


「まず自身のMP量を見て、そこから無意識化で魔法を詠唱してみると、引かれた数値が基本発動に必要なMPとなるわけじゃ」


なるほど、魔法の学術書に書いてあった魔力値ってのはそこから算出されているわけか。

その理屈で言うと魔力を上げるって行為は任意での発動だからステータス欄には……あった。

『魔力強化Lv1』か、こういう技能が増えるってことは範囲や対象数・距離も伸ばせるってことだな。

色々やってみるか。


その後、魔法の練習を駆使しながら練習を進めた。



俺が生まれ5年3ヶ月……暦は皐月さつき、結構ぽかぽかしてて気持ちが良い、俺はじーちゃんの許可を得て山に来ていた―――当然修行としてだ。


今回の山籠もりの目的は「足場の悪い場所での優先的な立ち回り」を強化する為だ。


なるべく、地に足を付けず岩や木の根を飛びながら移動する。

川辺には様々な岩が転がっており結構楽しく修行ができた―――多分誰かに見られたら飛びながら遊んでるようにしか見えないんだろうな。


俺は中身が30過ぎたおっさんでも、まだ5歳児だから気にしない。


移動に縛りを設け、山の獣に隠密で行動し、魔法・剣術を生かして狩りをはじめ2ヶ月が過ぎた。

この2ヶ月は様々なことを実験した。


山は普段静かで殺風景、自信を山と同化する様に心を落ち着かせ周囲の気配を感じ取り獣の位置を探る。

相手の視線・足音・息遣いほんの些細なことを1つでも見逃すと獣に逃げられてしまう。

自分も極力気配を消しつつ、相手の情報を探り仕留める。―――その些細な事だがかなり高度な情報戦をこなしながら山での修行に励んだのだ。


一見するとただの野生児の様になってしまったが、その対価に対しての報酬も大きかった。


もう俺の成長はやばいことになっている。



―――――――――――――――――――――――――


【ステータス】

名前:神威

種族:龍人

状態:普通

Lv    :7

HP    :155/155

MP    :78/129

SP    :110/170

気    :40/150

SAN    :100/100


STR    :91

VIT    :88

DEX    :96

AGI    :102

INT    :81

MND    :110

EDU    :80


【装備】


小型の剣 攻撃力+15

古びた作務衣 防御力+1

厚めのグローブ 技量+1 防御力+1


【アビリティ】魔法制御Lv4 気制御Lv4 火Lv5 水Lv3 風Lv5 土Lv4 氷Lv4 雷Lv6 光Lv3 闇Lv4 気Lv3 剣術Lv6 剣技Lv1 武器習熟(剣)Lv1 呼吸法Lv6 足さばきLv4 跳躍Lv3 隠密Lv2 料理Lv2 解体Lv3


【スキル】エン スイ フウヒョウライコウ アン 二連撃 気功 技能鑑定Lv4 鑑定遮断Lv1 魔力誘導Lv1 魔力強化Lv1 魔力拡大(数)Lv1 魔力拡大(範囲)Lv1 魔力拡大(距離)Lv1 危険察知Lv2 気配感知Lv3 属性付与(火・水・風・土・氷・雷・光・闇)


【エクストラアビリティ】流派:北辰夢想流Lv2


【レジェンダリアビリティ】希望 可能性 勇気


【レジェンダリスキル】龍化(極封印)


【習得ステータスポイント】0


―――――――――――――――――――――――――


EDU上昇の恩恵からか、このステータスは初級冒険者や傭兵になって通用するレベルになったらしい。

なんで今ステータスが中途半端なのかと言うと、修行の最中で休みながら自然回復を待ってるところだからだ。


回復速度はSP>体力>SAN>気>MPの順のようだ。回復速度はステに影響するのかはまだ検証不足だが、今の所ステータスを見ながら回復を待ってるとそんな順番なのだけ理解した。ダメージ受けたり正気を失うことはほぼないので大体待つのはMP、SP、気だ。


今は山を離れ、森に居る。

理由はカカシでは物足りなくなったことをじーちゃんに伝えたら脇差ほどの長さの小型の剣をくれたからだ。

山はじーちゃんが基本狩りし、外敵を寄せ付けない結界があるらしく、凶暴な魔物や獣がほとんど侵入しないので安全だったが森はその余波と言うか、山に入れない分少々荒っぽいのが多くいる。


この辺りの森にはごくたまにゴブリンが出るとのこと。

比較的に数が少ないのは毎日じーちゃんが気配を見つけては処理しているそうなので、ほぼいないと言っても過言ではないらしいが、他の地域から入ってきたばかりの魔物に関しては瞬間処理ができるとは限らないから仕方ない。


この世界の魔物は魔素の濃度が高すぎる環境下で邪念を抱くと知らずのうちに魔物へと変貌するそうだ。

ただ、魔物となっても自我や知性がある奴などが多く存在しており、必ずしも魔物が本能だけで動く野生ではないという事を教えられた。


つまるところ、利害が一致すれば仲間にもなるのでは?と、またゲーム脳な俺は優しい世界を夢見ていた。



「よっし、ステータスも回復したし再開するか!」


誰に言うでもなく自分に鼓舞し、両手を膝に乗せてひょいっと立ち上がった。

今やってる訓練は森の木を使ってフットワークを生かしながら自分で決めた木へ攻撃をかけると同時に回避する練習をしていた。


俺の流派の効果は『負担軽減』と『自由変化』に特化した剣術だ。

この流派をどうやってレベルアップさせるのかは訓練していて気が付いたが、新しい応用術だったり、魔法との連携、気との連携が高まってくると上がるみたいだ。

まぁLv10で打ち止めなのが流派らしいので、多分伸び率は相当悪いのだろうけど。

今後、剣技の様に技を習得できるんだろうか……楽しみではある。


そんなことを考えつつ、体は動かしている。

ついでに魔法と気も同時に体にめぐらすことも出来るようになったため常に意識しているときは鍛錬を続けている。正直動きながらやってる方が安定度がたかくなってきてもいる。


『止まりながらやるとすぐ飽きるから集中力が持たないんだよな』


訓練をしていると今夜の晩御飯が向こうからやってきた。


相手は大猪だ。


―――――――――――――――――――――


【ステータス】

名前:大猪

種族:猪

状態:普通

Lv    :5

HP    :104/104

MP    :20/20

SP    :98/120

SAN    :100/100


STR    :105

VIT    :70

DEX    :30

AGI    :120

INT    :16

MND    :30

EDU    :3


【アビリティ】野生本能


【スキル】危険察知Lv2 気配感知Lv4 体臭感知Lv3 強者察知Lv1


―――――――――――――――――――――



2メートルを超える体格を持ち、大きな牙が俺の方を向いている。

雄なんだろうな。牙も怖い。―――だが恐るべきはその移動速度にある。

前進の突撃はその速度をフルに生かすのは当然だが、この世界の獣は地球と比べ方向転換などの行動にもAGIが作用するのか、めちゃくちゃ早い。多分突撃を正面から受けると即死する。


多分ステータスの底上げを行っているのは『野生本能』ってアビリティだろうな。

れべる5にしては強すぎる。まぁ、大体の野生動物がこのアビリティもってるんだけど。


相手の猪は俺を発見するなり先制と言わんばかりに突っ込んできた。


「あっぶね」


猪の突進を回避すると同時に猪の方へ腕を向け「ライ!」と雷魔法を唱え猪を打ち抜いた。


ダメージはそこまでではないかもしれないが、雷属性は相手に感電の状態異常が付き行動力を奪う。

そのまま立ち上がり「ヒョウ!」


氷魔法は長さ40センチくらいの殺傷力のあるとがった氷の塊で相手の左前足を貫いた。これで貫いた部分が土へと刺さり、その場で凍り付く。


猪は左足を振りほどこうともがくが、もう遅い。


連続で火魔法『エン』を連発して打ち込む。当たったのは頭部と右首の辺り、焼けた個所が円形に燃えており、火傷を負っている。


大猪は最後のあがきなのか大声で吠えたが魔法を打ち終わったのと同時に風魔法を付与した小型の剣を抜き、猪の真横へと距離を詰めた。


「これで……止めだ!」


言い切るのと同時に大猪の首を落とした。


【経験値を187取得しました】


勝負は一瞬で決着したが、仮にダメージを一度でも受けていたら死んでいたのは自分だろうと判るので相手に慈悲もなかった。


大猪の首からはどぼどぼと大量の血が滴り落ちている。

俺は急いで地面に向かって「フウ」を使う。使った箇所は半径20センチほどのそぎ取られたような円が出来ており、そこに落ちた首と体を傾けた。一時しのぎの血抜きである。


その後大猪のからだから血の気が引くまで待ち、切り口に「ヒョウ」を使って切り口を凍らせる。

止血の意味合いがあり、じーちゃんからはエンで焼くのもアリだと教わっていた。


家に着くころには夜もすっかり更けていた。


「おかえり、今日は遅かったのぉ」


「ちょっと獲物が重すぎた」


「!! お前さんこれを引っ張って運んできたのか」


「まーな!」


俺は笑顔で鼻ををすすって笑った。


「しょうがない奴じゃの、どれ儂が調理場まで運んでやろう」


そういうとじーちゃんはひょいと子供を持ち上げるように大猪を肩に担いだ。


いやいやおかしいだろ絵面的に!


今夜の夕食はじーちゃん特製の猪鍋になりましたとさ。

猪鍋はおいしい。


追記:『足さばき』効果説明

・体の軸取りがうまくなり、足元の安定度が上昇する。

・足の制御がしっかりとして行動を起こす際に生じる足にかかる負担・隙を強制して軽減させる。

・足を使った技能の習熟度が上昇する。


現実世界でのイメージ例

・モデルの様な美しい歩き方ができる。

・器械体操の選手の様に激しい動きをしても足がぶれなくなる。

・片足飛びがうまくなる。

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