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第4話

パクッ

「美味しい!」

「あら、そう?嬉しいわ〜」

「そうか?俺は普通だと思うけど」

「本当美味しい!お母さんより美味しいかも!」

「ここちゃんのお母さんには負けるわよ〜」

「そんなことないですよ!」

今は細見の家で晩ご飯を食べている。細見のお母さんの料理すっごく美味しいの!


細見side

15分後…

『ごちそうさまでした!』

「お腹いっぱい!わざわざありがとうございます!」

「いいのよ。あら、もうこんな時間」

時計を見ると針は8時を指していた。

「あ、じゃあそろそろ帰ります!」

「そう?じゃあ龍介。ここちゃんを送って行ってあげて」

「はぁ!?なんで!?」

「こんな時間にここちゃんに1人で帰らすわけにはいかないでしょう?」

「じゃあ母さんが行けよ!」

「いえ!私帰れるので大丈夫です!」

はぁ!?こいつ頭おかしいんじゃね!?

「え、危ないでしょう?」

「いえ!大丈夫です!それじゃあ…」

ああ!もういい!

「俺が送ってく」

「細見!?」

「じゃあ龍介、よろしくね。気を付けてね」

「わかってる。行ってきます」

「えぇ!?あ、お邪魔しました!」

俺達は島野の家に向かった。

「ちょっ!細見どうして!?私帰れるよ?」

「はぁ?こんな時間に女子1人とか危ないだろ!」

「でも!細見も帰り危ないよ!」

「はぁ?俺は男だから大丈夫なの、わかる?」

「男子でも危ないよ!」

ベシンっ!…島野にデコピンをした。

「いたっ!いきなり何!?」

「はぁ…お前警戒心なさ過ぎ…」

「…それ、関係ある?」

「あるだろ。今みたいにいきなり連れて行かれるぞ」

「う…」

「じゃ、行くぞー」

「うん…」

そしたら島野は下を向いた。なんかいきなり元気なくなってないか?あ!そうか!

「お前今、『細見じゃなくて澤野がよかった〜』って思っただろ!」

「はぁ!?思ってないし!」

「だっていきなり元気なくなっただろ?」

「えーっとそれは…」

「それは?」

「言わない!」

「てことは澤野がよかったってことか!」

「違うってば!」

じゃあなんだ?絶対澤野が関係してると思うんだけどな…

「あ、私家ここだから。気を付けてね」

「おー。明日も勉強教えろよー」

「わかってる!じゃあね〜」

「じゃあな」

早く帰って風呂入って寝るかー。


ここside

「ただいま〜」

「おかえり。さっさとお風呂入っちゃいなさい」

「はーい」

カッポーン…

「気持ちいい〜」

「(ていうか、澤野の方がよかったとか思ってないし!家まで送ってくれたのが嬉しかったのー!)」

つまり下を向いたのはそう思ったのが恥ずかしかったから。

「(もうお風呂上がって寝よう…)」


そしてあっという間にテスト終了日…

「やっと終わった〜!」

「おつかれ〜」

「今回はいいかもしれねぇ!」

「本当!?」

「おぅ!じゃ、テスト終わりって言うことで遊ぶぞー!」

「今日部活だよ?」

「…あ」

忘れてたんだ。細見らしい。

「よし、部活さぼる」

「嘘でしょ!?」

「本当。じゃ島野もさぼるぞ」

「私巻き込まれるの!?」

「当たり前だろ。てことで家に帰ったら桜川に来い!」

桜川はこの街にある浅い川。春になると桜が綺麗なの!

「桜川?わかった」


帰宅後…

「細見やっほー」

「おー」

「桜川ってことは…」

「もちろん…」

バシャッ!

「冷たっ!」

「水遊びをしに来たに決まってんだろ」

夏にはみんな水遊びをしに行く。でもまだ5月だから水は冷たい。

「やっぱりそうだよね!よーし!それっ!」

バシャッ!

「やったな!」

「そっちが最初でしょ!」

バシャバシャバシャバシャッ!


5分後…

「うーわ、ビッシャビシャ!」

「本当だ。でも楽しい!」

「やっぱりテスト明けは遊ぶのが一番だな!」

「そうだね!部活さぼっちゃったけど大丈夫だよね!」

「あー…それなんだけどさ…」

「ん?」

「林が次期部長だろ?だから明日…」

「あ、てことは…」

私達は顔を見合わせてこう言った。

『明日説教だよね(だよな)ー!?』

「やらかした…」

「今さら言っても後の祭りだよ…」

「なにそれ?」

「今さら言っても手遅れってこと」

「へー。まぁ確かにその通りだな。じゃあもう諦めて思いっきり遊ぶぞー!」

「まぁそうするしかないか!」

「じゃあ引き続き水遊びだー!」


2時間後…

「疲れたー!」

「今何時?」

「えーっと3時」

「まだまだ遊べるじゃねーか!」

「でも寒くない?」

「そうか?」

「うん…」

やっぱり5月に水遊びは速かったよね…

「水遊びはやめとくか。じゃあ俺の家行くぞ」

「いいけどビシャビシャだよ?」

「まぁなんとかなるだろ」

なぜかいきなり細見の家に行くことになった。

「ただいまー」

「おじゃまします」

「ちょっと待ってろ」

「うん」

細見のお母さんまだ仕事なのかな?

「ほい、バスタオル」

「ありがとう!」

うわ…拭いたけどこれは濡れ過ぎて気持ち悪い…

「あ、お前服の変え持ってないのか…」

「うん。遊び終わったら帰るかな〜って思ってて」

「じゃあこれ着ろ」

そう言われて渡されたのは学校の体操服。

「え?明日部活で使うんじゃ?」

「俺、剣道着だし」

「あ、そっか。使っていいの?」

「だから渡したんだろ。シャワー使っていいぞ、それと着替えた服はこの袋に入れておけ」

「ありがとう!」

「終わったら俺の部屋に来いよ」

「わかった」

私はシャワーを浴びて体操服を着て細見の部屋に行った。

「あ、シャワーありがとう!おかげさまでさっぱりしたよ!」

「おーってお前体小さくねぇ?」

「え?」

細見がそう言ったのは体操服が大き過ぎてブカブカになっているからだろう。

「そりゃそうでしょ。細見より背低いんだから」

私は身長160cmだけど、細見は175cm以上ある。

「お前が小さ過ぎなんだよ」

「男子と女子なんだから当たり前!」

「まぁそうだな。じゃあゲームするか」

「なにする?」

「すごろくでもするか」

「すごろくなんて久しぶりだ〜」


2時間後…

『やっと終わった〜!』

「これ長くない!?」

「思ったより長かったな」

「そうだね〜」

「あ、もう5時じゃん」

「帰った方がいい?」

「ああ、母さんが帰ってくるからな。まだ遊びてぇ…」

「わかる!でもお母さんが帰ってくるんじゃあしょうがないよ」

「だな。あ、体操服で帰って大丈夫か?」

「歩きで来たから大丈夫でしょ。じゃあまた明日」

「おー、じゃあな」

楽しかった〜!また遊べるかな〜?あ、それよりも部活で怒られる…

「あれ?島野?」

「あ、小田」

前にいたのは同じクラスの小田海音。

「お前やっぱり龍介と付き合ってたのか!」

「はぁ!?なんでそうなってんの!?」

「体操服」

「え?…あ」

私の学校の体操服には名前が刺繍されていて今着てるのは細見のだから刺繍の名前が「細見」になっている。

「こ、これは…」

「明日学校で報告だー!」

「ちょっ、それはやめてー!」

どうしよう!?明日誤解招かれるだろうし、部活で怒られるだろうし、もう!絶対最悪な日じゃん!でも刺繍のこと忘れてた私が悪いか…


登場人物 名前の読み方

小田海音 おだ かいん

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