第3話
バシーンッ!
「いってぇー!」
「うるさくしたお前が悪い」
「細見、大丈夫!?」
今は私達がうるさくした部活の後。
「いやいやいやいや!竹刀でしかも素肌にするか!?島野くらいの強さならわかるけど!全力でするか!?」
「そうだよ!」
「うるせぇ!誰が原因だ!」
『私(俺)です!すみませんでしたー!』
「そうだろうが!」
それでも竹刀で全力は絶対痛いよ!左腕すごく腫れてるし!
「細見、湿布貼るよね?」
「当たり前だろ。ガチで痛い…」
ペタッ
「いってぇー…」
「じゃあ俺帰るわ。龍介、お大事に」
「…誰のせいだよ」
「龍介〜?」
「何も言ってません!じゃあな!」
「ふーん…じゃあな」
林はそのまま帰って行った。
「なぁ島野」
「ん?何?」
「これは体罰じゃねえの?」
「違うね、同級生だし。どっちかというと暴力だと思う」
「暴力を越えてるな」
「そうだね。あ、明日からテスト週間だからしばらく安静に出来るじゃん」
「本当だ。よかった…」
「じゃあまた明日」
「おー。あ、島野」
「ん?」
そしたら細見が手で来い来いってして来た。
「何?」
私は細見に近づいた。そしたら…
ベシンッ!
「いったー!」
思いっきりデコピンされた!
「あははっ!お前警戒心なさ過ぎ!」
「はぁ!?」
細見はお腹を抱えて大爆笑!
「結構痛かったんだけど!?」
「警戒しなかったお前が悪いー!じゃあな!」
「もう!細見のバーカ!」
デコピンされた所が痛い…。それでも細見が好きな自分がわからなくなるなぁ…。
次の日…
「島野はよー」
「細見おはよう」
朝からあいさつ出来た!いいことあるかな?
「おい、前に澤野がいるぞ行ってこいよー」
「はぁ!?誰が行くか!」
…特にいいことなさそう。
「お前ら朝から一緒に登校か?」
「えー!マジかよ!ヒューヒュー!」
『は?何言ってんの?バッカじゃないの(じゃねーの)?』
「えぇー…そんな真顔で返す…?」
『当たり前』
『えぇー…』
なんか肩をガックリと落としていた。何がしたかったんだろ?
「細見、左腕は大丈夫?」
「ああ。腫れてるけどな。まぁ昨日よりはマシになったと思う」
「お大事にね」
「そうだ、島野」
「ん?何?」
「今日から1週間、前と同じように家によってくれねぇか?一緒に勉強しようぜ。教えてもらうのも含めて」
「もちろんいいよ!」
やった!また一緒に勉強出来るー!
「ありがとな!」
放課後…
「島野、行くぞー」
「わかってる」
細見の家に行くのは1年の学年末以来だな〜。
「なぁ、なんで国語と社会と英語は教えてくれねぇの?」
「教えないんじゃなくて教えられないの。国語の文章問題はどうにも出来ないし、社会は私覚えることしかしてないし、英語は教えられる…かも?」
「マジか!じゃあ教えてくれ!」
「わかりにくいかもしれないけどね」
「何もしないよりはマシだ」
そしてあっという間に細見の家に着いた。
ガチャッ
「ただいまー。…誰もいないけどな」
「お邪魔します」
「あ、リビングに行っといて。荷物置いたら俺も行くから」
「わかった」
私はリビングに行って荷物を降ろした。
「今日は何をしようかな?」
まずは課題かな。英語?それとも数学?国語の方がいいかな?うーん…
「何してんの?」
「何をしようか悩んでる」
「俺と一緒で英語は?そっちの方が頭捻らなくて済むだろ?」
「そっか!じゃあ英語にしよっと」
「ここに飲み物置いとくぞ」
「ありがとう!」
「じゃあ早速ここを教えて〜」
「えーっと、これはね過去の文でしょ?『私は公園を歩きました』だから」
「うん」
「だから文を過去形にするの。基本的には動詞にedを付けるの」
「てことは、『I walked in the park.』か!」
「正解!」
「よっしゃ!」
細見って勉強したら出来るのになんでしないんだろ?
「島野、haveの過去形ってhavedじゃねぇの?」
「haveは不規則変化動詞なの」
「hasみたいになんの?」
「そう。過去形はhadだよ」
「hadか!ん?てことは他にもあるのか…?」
「残念ながらあります」
「うっわ…」
「頑張れ〜」
3時間後…
「今日の分終了!」
「疲れた〜…」
「でも達成感あるな」
「そうだね」
「ただいま〜」
話していると細見のお母さんが帰って来た。
「おかえりー」
「こんにちは」
「あら、ここちゃん。こんにちは。今テスト期間中なの?」
「おー。島野に教えて貰ってた」
「そうなの。ここちゃんありがとうね。あ、晩ご飯食べてかない?」
「いえ!流石にご迷惑に…」
「全然迷惑じゃないわよ〜。龍介も居てくれた方がいいでしょう?」
「はぁ?俺は別に居なくてもいいし」
「じゃあここちゃんのお母さんに連絡しておくわね」
「はぁ!?母さん話聞いてた!?」
「えぇ!?あの!」
「さぁ、電話電話…」
細見のお母さんは電話をしに行った。そして私達は顔を見合わせてこう言った。
『毎回こうなるよね(よな)…』
まぁ私はいいんだけどね。だって細見のお母さんの料理すっごく美味しいもん!それに、細見と晩ご飯食べれる♪
「ここちゃんのお母さんに連絡しておいたから食べて行ってね」
「あ、はい!ありがとうございます!」
「じゃあその間何する?」
「何しようか…」
「しりとりでもするか」
「そうだね。じゃあしりとりの『り』から」
「『りんご』」
「『ごま』」
「『まくら』」
「『らくだ』」
「『ダチョウ』」
「『うさぎ』」
「『義理チョコ』」
「義理チョコ!?」
「そうだけど、なんかある?」
「義理チョコなんか普通出ないよ!あ、しりとりの続き!えーっと…『コアラ』」
「『ラッパ』」
「『パン…」
「出来たわよ〜」
「あ、はい!じゃあ行こっか」
「おー。あ、しりとりは島野の負けな」
「え!?なんで!?」
「だって『パン』って言っただろ?」
「あれは『パンダ』って言おうとしたの!」
「しーらね!」
「えぇ〜!?」
「早くしないと冷めちゃうわよ〜」
「さ、ご飯食うぞ〜」
「えぇ〜…まぁいっか!」
私達は手を合わせて…
『いただきます!』
…そう言った。