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第1話

「待てー!細見ー!」

私、島野ここ。桜ヶ丘中学校2年3組!

「誰が待つかー!」

追いかけているのは細見龍介。同じく桜ヶ丘中学校2年3組!

「澤野ー!」

「だから澤野じゃない!」

澤野っていうのは同じクラスの澤野龍。

「ここ〜…どうして毎日追いかけっこしてるかな〜…」

この子は北山美奈。桜ヶ丘中学校2年2組!

「だって細見がまた澤野って…」

「そりゃここが澤野を好きな事が細見にばれた事が悪い」

「だから澤野の事好きじゃないんだってば!」

「もう〜嘘をつくのはだめ!」

ついてないよ!だって私が好きなのは…

「澤野何してんの〜?」

「うるさい!」

…細見なんだから。まぁそう言ってもみんな「あいつのどこが?」って言うんだけど…。だってみんなからして細見はうざいやつだから。私からしてもそう思う時があるけど、私は細見が地味に優しい事を知ってる。まぁ私は細見の地味に優しい所が好きになった訳です。

「澤野〜!」

「もう!いい加減黙れ!」

…でもなぜか私は澤野が好きと言う事になってる。どうしてかはわからない。

「相変わらず仲いいなお前ら〜」

『全然仲良くないし』

「ハモってんじゃん!仲良過ぎだろ!」

「これで付き合ってないのが不思議だな」

「だってこいつが好きなの澤野だし」

「前から好きじゃないって言ってるじゃん!」

「じゃあ誰?」

「ほ、細見に言える訳ないじゃん!」

「えー?なんでー?教えろー!」

「やーだね!」

ていうか細見に言ったら告白になるよね!?

「あれ?じゃあ他にいる事にならねぇ?」

「え?」

「だって『言える訳ない』ってことは、いるけど言えないって事だろ?」

「あ…」

遠回しにいるって言ってた!

「細見!島野好きな人いるぞ!」

「え?澤野だろ?」

「だから違うってば!」

「じゃあ誰だよ!」

細見だよ!とは言えない…

「だから言わないってば!」

「言わないって事は澤野だろ?」

「なんでそうなるのー!?」

なんか全部澤野でまとめられてるし!

「龍介、呼んだか?」

あ、澤野が来た。

「呼んでないぞ?」

「あっそう。呼んでた気がしたんだけどな…」

それは私の事だよ…。澤野が鈍感でよかったと思う。

「島野。澤野が行くぞ。追いかけないのか?」

「誰が追いかけるか!」

もう!細見のバーカ!「澤野だろ?」でまとめ過ぎ!

「あ、もうすぐチャイムが鳴るな。じゃあな澤野」

「黙れー!」

‘キーンコーンカーンコーン’


そして放課後…

「やっと終わった〜」

「おい澤野!部活行くぞー!」

「だから島野だってばー!」

私と細見は剣道部。私はマネージャーだけど…

『こんにちはー』

「こんちは。お前らさっさと準備しろよ」

『はーい』

この人は神野卓哉先輩。剣道部の部長。

「じゃあ着替えるかー」

「そうだねー。じゃあね」


5分後…

「これ動きにくいんだよなぁ…」

「私なんか1人だけ体操服だよ?」

「それよりはマシだな」

「そうでしょ?だから我慢」

「今から部活始めるぞー!全員竹刀持て!」

「あ、始まるな」

「ほんとだ。じゃあ私は観ておくから」

バシッバシッ!

竹刀のぶつかり合う音だけが聞こえる。マネージャーの仕事は基本的に先生の手伝いと怪我をした時の手当てくらい。走る時は私も参加する。

「給水!」

『はーい』

「島野ー。俺の水筒とタオル取って来てー」

「はい。どうせまた言われると思って用意してた」

「お、サンキュー」

「マネージャーは道具じゃないんだけど?」

「お前の場合は道具」

「ひどっ!」

「冗談だって。言っとくけど俺、文句言うけどちゃんとしてくれるからお前に感謝してるんだぞ」

「え?」

それって本当!?そう言われると嬉しいな〜

「給水終了!練習再開するぞー!」

『はーい』

「あ、また水筒とタオルよろしくな」

「りょーかい」

バシッバシッ!

部活の時の細見と学校の時の細見って人が変わったみたいになるんだよね…。普通に島野って呼ばれるし。なんだろうこの変わりようは…。学校の時もこの細見がいい…。

「うわぁ!」

「大丈夫!?」

「いてて…」

「ちょっと腫れてるね…湿布貼ろっか」

「すみません…」

怪我をしたのは1年生の花野井颯君。男子だけど他の男子よりも背が低めの子。

「…よし!これでオッケー!」

「すみません、ありがとうございます」

「マネージャーなんだから気にしないで!」

「はい。ありがとうございます」

「何してんだよ颯ー。気をつけろよー」

「気をつけてるよ!」

花野井君と話しているのは野山一馬君。1年生の中で一番元気!

「…よかったな島野先輩に手当てしてもらえて」

「う、うるさいー!」

ん?今呼ばれたような…?気のせいかな。


2時間後…

「今日は終了です。また明日も頑張りましょう」

『はい。さようなら〜』

「あ、島野さん。ちょっと手伝ってくれない?」

「はい。わかりました」

先生に呼ばれた。何か運ぶのかな?

「これなんだけど、あの棚の上に置いておいてくれない?」

「わかりました。置いておきます」

「ありがとう。置いたらそのまま帰っていいから」

「はい」

渡されたのはそこそこ重たいダンボール。

「これをあの上ー!?高っ…。でもしょうがないか…」

背伸びをして乗せようとしたけど高いから届かない!

「もうちょっと…」

「何やってんだよお前」

「細見!?帰ったんじゃ?」

「帰ろうと思ったらお前がこれ置こうとしてた。それ貸せ」

そう言われたからダンボールを渡すとひょいっと置いた。

「よし、これでいいか。てかお前バカか!あれでバランス崩してたら怪我してたぞ!」

「ご、ごめん…。先生に言われたからやらないとって思って…」

「はぁ?先生こいつが出来ると思ったのか?お前も無理すんな!俺に言えば俺がするから!」

「うん!ありがとう!」

やっぱり細見って地味に優しいな〜…

「あ、でもお前からしたら怪我したら澤野に心配されるからラッキーか!」

「はぁ!?なにそれ!?」

「じゃあなー!澤野!」

「うるさいー!」

…毎回優しいと思ったら澤野って言ってくるんだよね…。それでも細見が好きなんだけどね。

登場人物 名前の読み方

島野ここ しまの ここ

細見龍介 ほそみ りゅうすけ

澤野龍 さわの りゅう

北山美奈 きたやま みな

神野卓哉 かみの たくや

花野井颯 はなのい はやて

野山一馬 のやま かずま

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