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全てが曖昧

作者: 竹仲法順

     *

 それがこの世の中の実態だと最近知った。ボク自身、昔から完璧主義、潔癖主義みたいなところがあって、世の不条理を罵る側面があったのだ。だが、考えてみれば、世の中など曖昧で十分通るのである。というよりも、細かいことを気にしていたら先に進めない。それが人の世なのだ。

 考えてもみてほしい。例えば極端な一例を挙げるが、現代の犯罪者が脅迫状などをファックスでマスコミなどに送り付けるとして、そういった人間が文章のテニヲハなどを気にするはずがない。脅迫状や犯行予告など、内容さえ相手に教え込めばいいのだから、テニヲハどころか、句読点の有無さえもいい加減な代物で、下手すると、写真を撮ってメールに貼り付けて送っても構わないわけである。一々犯人がそこまで意識するはずがない。

     *

 突拍子もないことを言ったが、何かに拘ると、きついということ。所詮、この世など正義がまかり通るはずはない。間違いなく悪が繁栄する時代なのだし、何ら定式も決まりもない。あるとすれば、前述した犯罪者のようにいい加減さだけだろう。真面目な人は往々にして損をするのである。それにボクも今まで散々損をしてきた。

 自分を縛るときついのだ。人間社会など、スゥーと流れていく澱みだからである。ルールなどあってないに等しい以上、何でもありだろう。現にネットなど最近はより言いたい放題になってきた。ユーザーがルールなしの場にいるから、尚更そうである。正当なことが通るわけがない。返って縛り付けられると窮屈だろう。それが現世(うつしよ)の実態である。

     *

 もっと簡単に言うとすれば、別に悪感情やマイナスのことを口に出さなければ、それはそれで流れる。会社などに勤めている人でも、しょい込んでいたらきついことは多数ある。だが、口にしなければそれで済むこと。勤勉さというのは大いに評価してもいいと思うのだが、クソまじめは面白くないし、堅苦しい。だから、ひたすら受け流すのである。

 それでも世の中いろいろあるのだが、別に元が曖昧なのだし、一々気に留める必要はない。要は遊び心もいい加減さも許されるということ。完璧さを求めると、きつい。それに第一、完璧なものなど存在しない。放恣は十分通る。というよりも人間は放恣するために生まれてきたようなものである。形式ばった物を捨て去ろうじゃないか?いくらでも自己を解放してやるのはいいことなのだし……。

 ひとまず一筆書かせていただきました。

 ではまた。

                             (了)










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