4 - 地図配布と旅立ち
短めです。
次回から新章になります。
「...わたしでも流石にこの精度は引くんだけど」
いつの間にか帰ってきていたキアラにそう言われた。
「やっぱり? てへへー、だってウチの特技だからね」
「今のところこの世界に貨幣は生まれてないみたいだけど、もしも貨幣が生まれたら高額で取引されてそう」
「え、そこまで言う?」
流石のウチでもそこまで腕に自信はないんだけど。
というか、エリカがここまでウチのことを褒めてくるのって久々な気がする...
「逆に聞くけど、地図がなくて困ってるところで凄く精度が高い地図があったらどうなると思ってるの?」
「うーん... その地図に依存するとか?」
「そうゆうこと。 どうするかはあなたに任せる、わたしはあなたの旅についていってあげてるだけだから」
エリカはそう言いながら、びっしりと文章が書かれた羊革紙のメモをまとめていた。
さっき生態系を調べてくるってエリカが言ってたし、あそこに調べた結果とか書かれてるのかも。
「ウチの趣味だし、無料で公開したいなぁ。 お金取るのはアレだし」
「あなたの性格なら間違いなくそう言うと思った。 あと、公開するならここが良いかもね」
そう言ってエリカは半透明なウィンドウを開いて、「NF総合掲示板」なるものを表示した。
「半透明なウィンドウってこう開くんだ」って思ったのはウチだけじゃない...よね?
まぁいいや。
「NF総合掲示板は匿名とプレイヤーネームに加えて、自分で考えたハンドルネームでも書き込めるの。 わたしとしてはハンドルネームがおすすめかな」
「え、なんで?」
「匿名だとなりすましが出る恐れがあって、かと言ってプレイヤーネームそのままだったらプレイヤーネームを元に探す人間が出てきてトラブルが発生するかもしれない。 けど、ハンドルネームならプレイヤーネームとは違うから特定されづらいんだよね」
「そ、そうなんだ...」
そう言ってから、エリカと同じような手順で半透明なウィンドウを開いてNF総合掲示板を開く。
総合掲示板には色々なスレが立てられていて、地図の共有もされていた。 まぁ、ウチみたいな精度の地図はなかったけど。
「えーっと、どれどれ... このスレでいいの?」
そう言って指差したのは「【NF】開拓者総合スレ」という一番賑わっていたスレ。
主に雑談とかが書き込まれてた。
「うん、そこでよさそう」
「おっけー。 ハンドルネームは...キキョウでいっか」
そう呟きながらハンドルネームの欄にキキョウと入力する。
ウチが描いた地図のデータ化?はエリカに手伝ってもらった。
ついでにエリカも生態系のメモを見せてもらったから、それを元に独学で生態図を描いてみたら「素人が描くようなものじゃない」ってドン引きしながら言われたんだけど、あれって褒めてるのかな。
|閑話休題《そんなことは置いといて》。
「えいっ」
そんな勢いで、ウチが描いたここら辺りの地図と生態図を投稿する。
きっと、役に立つと思う。 だって、ウチとエリカの合作だから。
そう思いながら準備を終わらせた。
「キアラ、そろそろ旅に出ようよ」
バックパックを整理しているエリカにそう言う。
放浪するのもわるくないし。
「そう、わかった」
整理を終わらせたエリカはそう言って、バックパックを背負い直した。




