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解決

「結局、グリアシエは封邪の鏡を奪ってなにがしたかったんでしょうね?」


「紫魔導士が尋問したところによりますと、国宝である鏡を(しち)にとって、アラザールに王国への再併合を願い出させ、それを功績としてアルフォナム王家に自分がイナイライ男爵位を継承することを認めて貰おう、という目論見だったようです」


「なんと愚かな……」


前日の念話器通信のあとすぐにあらかじめ移動していた国境近くから馬車を飛ばして現場に到着したコクリコ・イナイライ姫男爵は、カーマイン・アラザール公女と顔を見合わせて溜息を付いた。


もともとアルフォナム王国の一貴族領であったアラザール公爵領を公国として独立させたのは、ナシアシロ帝国との間に緩衝地帯を置きたいという王国の思惑によるものであった。幼いころからアルフォナム王国史を教育されている貴族の子弟なら誰でも、そうした歴史的背景のもとでアラザールが再併合を願い出るなど有り得ないことくらいわかりそうなものである。


「コクリコ姫男爵殿下、封邪の鏡は無事に取り戻しましたし、解放された邪龍は討伐され、人員の被害も最小限で事件は解決しました。


アラザールとしてはできれば王国中央の手を煩わせるのは避け、グリアシエ殿とその一味の処断はイナイライに一任したく存じます」


コクリコが兄のグリアシエを処刑するほど冷酷になりきれないことをカーマイン公女は知っていた。


「多大なご迷惑をおかけしましたのに、寛大なお言葉に感謝いたします」


騎士団はグリアシエの一味をイナイライ騎士団に引き渡し、姫男爵の一行を見送る。封邪の鏡はあとで回収のための馬車を送ることとして、シャトルーズとベゴニアの両騎士を警備のために残し、あとの全員は(たつみ)跳躍魔法(リープ)でアラザール宮廷に戻る。


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