次なるクイズバトルは?
解答者の人数が、100人から70人に絞られる。つまり、30人は死亡したということになる。
お互いの素性もわからないまま、四の五の言う間もなく、いきなりクイズバトルのフィールドに放り出されたのだ。
天の声と名乗る者が告げる。声はすれど、姿は見えず。まさに天の声。もしかして、こいつこそが、このクイズバトル・ロワイアルを最初に考案し、俺たちをクイズバトルに参加させた張本人なのか?
天の声「やあやあ、皆さん。見事に第1ラウンドを勝ち残りましたね。
しかし、第1ラウンドですから、ここまでは小手調べというもの。」
何だって!?これが小手調べだって!?
天の声だかなんだか知らねえが、ふざけたことぬかしやがって。
天の声「ここからは、ルールを変えましょう。ここからは、1対1のクイズバトルです。」
新ルールが、天の声から発表される。
1対1の対戦形式で、お互いにクイズの問題を出し合う。
正解できたら、相手を攻撃してダメージを与えられる。不正解だと、逆に相手に攻撃され、こちらがダメージを受ける。
そして、HPが0になったら、その時は死ぬ。
まさに、不正解の解答者は死ぬという、その究極のルールだ。
そうなると、相手に簡単に答えられるような簡単な問題では、逆に相手から攻撃されるのだ。
考えようによっては、こちらがクイズに答えられなかったとしても、攻撃をひたすら避けまくり、そして、ここぞというところでの、とっておきの1問を繰り出し、それを相手が答えられなかったところに、とっておきの一撃をくらわす、という頭脳戦略もできるわけだ。
そのための、問題作りの方も考えておかないとな。クイズマスターは、ただ相手の問題に答えるだけでなく、自らがクイズの問題を作成し、出題し、答えさせるということもできるようになってこそ、真のクイズマスターなのだから。
いずれにしても、これは天の声からの挑戦状だな。だったらその挑戦状に、応えてやろうじゃないか。そして勝ち抜いてやろうじゃないか。
そして、ここにきてようやく、俺は自分以外の解答者たちの素性を知ることになったのだった。
とにかく、いろんなやつがいるな、中には人間じゃないやつとかもいるような感じだ。
「君が、水谷楓というのか、私はオースティン。よろしくね。」
オースティンと名乗ったその人物とは、この先も長い付き合いになると、その時から思っていた。そして本当に、長い付き合いになっていくのだった。