不正解の解答者は、本当に次々と死ぬ・・・。
「それでは、第1問!」
一見すると、そこらへんの、タレントが大勢参加する数多のクイズ番組と変わらない。
しかし、次の瞬間、『クイズバトル・ロワイアル』の本当の恐ろしさを思い知ることになる。
第1問は、どんな問題の内容だったのか、
そして、俺が何と解答したのか、覚えていない。その後に発生した事態を目の当たりにして、愕然としたからだ。
司会者「残念!不正解!まだ1問目ですよ。
まことに残念ですが、番組のルールにのっとり、不正解の解答者たちを殺してさしあげましょう!」
これが、『クイズバトル・ロワイアル』の
本当の恐ろしさだった。
一瞬、つむじ風のようなものが吹いた気がした。誰の目にも、俺の目にも、何が起こったのかわからなかった。
そして次の瞬間、不正解の解答者たちは、血を吹いて倒れていく。
他の解答者たちにも、動揺が走る。
「おい、見たか?」
「いや、何も見えなかった。」
「とにかく、俺たちは正解で、あいつらは不正解だったんだ。不正解のやつらはもう死んでるぜ・・・。」
『バトル・ロワイアル』とは、生き残るためにプレイヤー同士が殺し合う。
それに、クイズを掛け合わせたことで、この『クイズバトル・ロワイアル』が生まれたのだという。
とにかく、俺は第1問は正解したようだ。
司会者「それでは次の問題、って、おい!
なんだてめえは!」
司会者が次の問題を出題しようとしたところ、突然、乱入者が現れた。
そして、刃物で司会者の胸を突き刺した。
司会者「うげっ・・・!」
乱入者「あいにくだな。あんたの出題する問題は、俺には物足りなくてな。
俺ならもう少し、マニアックな問題を出題してやるよ。」
司会者は殺され、死体はそのまま消滅した。そして、この乱入者が次の司会者となった。
「というわけで、俺が次の司会者だ。よろしくな。それじゃあ第2問!」
そいつは、けろっとした顔で、第2問を出題する。ついさっき、前の司会者を刺殺した、その次の瞬間に。
一歩間違えたら、俺たちもこんな目に逢うのか?と思った。
「それでは、第2問!」
問題の内容を聞くどころではなく、とにかく何でもいいから正解して、死ぬことを回避する。そんなことが、頭をよぎっていた。
そんな中、第2問の出題内容は、俺が普段からプレイしていたゲームに関する問題で、
この問題は、簡単に正解できた。
そして、第3問、第4問と答え、そこから俺は連続正解を重ね、気がつけば10問目まで正解していた。
そして、その間にも不正解の解答者たちは次々と命を落としていった。お互いに自己紹介をする間もなく、顔も知らないままに・・・。