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月夜譚 【No.201~No.300】

黄昏の道 【月夜譚No.260】

作者: 夏月七葉

 デコピンされた額を両手で押さえる。そんな弟の仕草が可愛くて、彼は思わず噴き出した。

 幼い瞳が歳の離れた兄を見上げ、ぷうと頬を膨らませる。それもまた可愛くて、口元に笑みを残したまま弟の頭を撫でた。

「罰ゲームなんだから、仕方ないだろう? それに、そんなに痛くなかっただろ」

「でもぉ……」

 愚図りそうな声に彼は眉を傾けて、ポケットから飴を取り出した。レモン味の弟が気に入っているものだ。

 それを見た途端、頬が萎んで嬉しそうに瞳が輝く。額から離した手を伸ばして、それを貰えることを露ほども疑っていない。

 現金なものだと苦笑した彼は、期待通りにその小さな手に飴の包みを落とした。

 早速飴玉を頬張る姿にまた笑って、今度は手を繋いで歩き始めた。

 もうすぐ日が暮れる。飴玉一つでは満たされない腹を二人で擦りながら、彼等は夕飯と家族が待つ家に続く道を行く。

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