僕はセミにはなりたくない
夏も終盤、まだまだ残暑は残るが、八月上旬に比べれば幾分かマシだ。
いつものように、執筆をしていると、突然セミが鳴きだした。
その時、僕の頭にこんな言葉が思い浮かんだ。
「僕は、セミにはなりたくない」
あの気持ち悪い見た目になるのも御免だが、一番いやなのはその生きざまだ。
一年かけて成虫になり、ようやく木にとまって力いっぱい鳴けるようになったかと思えば、一週間すれば死んでしまう。
「僕は、セミにはなりたくない」
何度も推敲と書き直しをくり返し、ようやく投稿できるレベルに仕上げた作品が、日間ランキングに入ったかと思えば、一週間で一ポイントも入らない底辺の作品に転落してしまう。
PV数も三分の一に落ちた。
「僕は、一週間で死ぬのは嫌だ」
◆◇◆◇◆◇◆
午後、公園に行くと地面でジタバタともがくセミを見つけた。
そのセミは、今にも死んでしまいそうだ。
無意識に、自分の作品とこのセミを重ねてしまう。
「何見てるの?」
後ろから、友達の一人に声をかけられた。
「いや、別に……」
そんなに凝視していただろうか?
ぎこちない返事を返し、僕と友達はその場を後にする。
そのセミの姿に、後ろ髪をひかれながら。
◆◇◆◇◆◇◆
翌日、週間ランキングを確認するとこちらもランキングアウトしていた。
(あの、セミみたいに……)
悪い予感が頭をよぎった。
PVも全盛期に比べれば五十分の一。
でも、それと同時にジタバタともがいて最後まであきらめないセミの姿を思い出した。
「連載版……書いてみようかな?」
最後まであがいてやる。
夏休みが終われば、投稿頻度も落ちてランキングに入るのは難しい。
そして、夏休みはあと二日、今日と明日だけ。
そうと決まれば、パソコンと向かい合い、思いつくままにキーボードを乱打する。
(初めて推敲までしっかりやった自信作「魔王に勝てるはずがないので決戦前夜に逃亡しようと思います」ランキング……絶対復帰してやる)
セミには、なりたくない。
でも、セミみたいにあがいて、いつか、書籍化してやる……!
ほら、セミの鳴き声が聞こえてきた。
まずは、読了ありがとうございます。
そして、良かったらランキング復帰に協力してください。
もがいてみるので……。




