リッドのとある一日
バルディア領は他国と隣接した領地を治めており、帝都から距離があるので、多少の決定権が認められている「辺境」である。
僕はその辺境を治める、辺境伯の息子、リッド・バルディアだ。
僕の朝は必ずとある小悪魔がやってくる。
「にーちゃま、あっさだよ~‼」
「うぐぁ‼」
「お、おはよう、メル……」
「えへへ、にーちゃま、おはよ~」
メル、メルディ・バルディア。
僕の可愛い妹だ。
ただ、朝だけはとんでもない小悪魔だ。
僕を朝起こすのが楽しいらしくて、ある時期から必ず起こしに来てくれるようになった。
ただ、何故か必ずベッドで寝ている僕にジャンプして飛びついて、起こすのがお気に入りだ。
前世の記憶で言う「ボディプレス」のような感じだ。
この起こし方を僕にしないと気が済まないようで毎日、朝が来るのが少し怖くなっているのは秘密だ。
以前、メルの「ボディプレス」が怖くて早く起きたり、待ち構えたりしたことがある。
「むぅ~、メルがにーちゃま起こすのに‼ キライ‼ プン‼」
その時はめちゃくちゃ可愛く怒られた。
メルに付き添っているメイドのダナエもその姿にメロメロになっていた。
だけど、メル的には本気で怒っていたようで、その日は口を利いてくれなかった。
翌日も同様に待ち構えていたら、本気で大泣きされてしまった。
執事のガルンは何事かとやってきて、メイド達は怪訝な目で僕をみる。
ダナエには同情を含んだ憐みの目で見られてしまった。
その日以降、僕はメルの「ボディプレス」を覚悟して受け入れるようにした。
メルのこの行為については4歳の子供であることから、父上は特に何も言わない。
なので、ガルンやダナエも微笑んでその様子を見ているだけだ。
僕のことを忘れていないだろうか?
可愛さ余って憎さ100倍という言葉があったが、あれは本当に子供に対しての本質を表している気がする。
まぁ、メルは可愛いから何でも許しちゃうけどね。
朝起きると、朝食の時間だ。
母のナナリーは病気の為、部屋から出られない。
父上はいま帝都に行っているので、食事は僕とメルの二人だけだ。
執事のガルンとメイドのダナエ。
他数名が控えている中で朝食をとる。
父上が同席しているときは、時折ガルンが父上に耳打ちすることもある。
だが、基本的には家族団欒で楽しむようになった。
食事はサラダ、パン、スープが基本だ。
前世の記憶からお米やみそ汁を食べたくなるけど、ないものねだりなので今は諦めている。
今はね。
食事中に出来るだけ音を立てないようにするのが基本的なマナーになる。
僕は、前世の記憶もあるせいか、周りが年齢にそぐわず、とても綺麗に食べると評判になっている。
メルは年相応だが、それでもさすがは貴族の子という感じで僕から見ても4歳児とは思えないぐらい食べ方が綺麗だ。
ただそれでも、失敗や難しい時があるので時折、控えているダナエが食器の扱い方をメルに教えている。
「にーちゃま、またね~」
朝御飯を食べ終わるとメルは自分の部屋に戻り、勉強を始める。
いわゆる英才教育だ。
メルがいくら可愛いといっても、貴族の子。
将来を見据えて勉強、マナー、言葉遣い、ダンスなどすることは山のようにある。
ただ4歳は遊びたい年頃なのだろう。
時折授業を抜けてくることがあり、それがまた可愛いのだ。
恐らく毎朝、僕を起こしに来るのはメルなりにスキンシップが出来る数少ない時間なのだと思う。
僕はメルと別れると必ず、母上の部屋に伺い様子を見に行くようにしている。
母上の部屋のドアをノックして、返事をもらってから入室する。
「おはようございます。母上」
「リッド、おはよう。今日も元気そうで安心したわ」
挨拶をしながら母上のベッドの横にある椅子に腰を掛ける。
以前はなかったが、僕が良く来るのでガルンとメイドが用意してくれた。
もちろん、メルの分もある。
母上はベッドの上で上半身だけ起こしていつも本を読んでいる。
以前は部屋に行くと寝ていて、僕が来てから上半身を起こす事もあったが最近は僕が毎朝来るのでそれに合わせてくれているのだと思う。
僕の母上、ナナリー・バルディアは「魔力枯渇症」というこの世界では不治の病にかかっている。
ただ、これは屋敷の中でも一部の人しか知らない。
果たして母上は自分が魔力枯渇症と知っているのだろうか。
僕はそれを聞くことは出来ない、ただ母上が時折する哀切が宿った遠い目をする顔を見て、自分の死期を感じ取っているような気がしている。
母上は部屋から出ることが出来ないので、昨日あったことや朝の様子などを伝えている。
毎朝、メルが「ボディプレス」で起こしに来る話をした時は「まぁ、私も小さい頃家族にしていたわ」と楽しそうに笑ってくれる。
僕には前世の記憶もあるがリッド・バルディアの記憶も残っている。
恐らく前世の記憶をベースに本来のリッド・バルディアの記憶が混ざって出来た人格が自分のような気がする。
あんまり、深く考えないようにしているけど。
リッドは母親のナナリーが元気だった頃の記憶がしっかり残っている。
母親であるナナリーが病気に伏せってから「リッド」の心は荒んでいき、妹、メイド、執事など様々なものに当たり散らしていた。
彼の心の中では何故、自分の母親がこのようなことになってしまったのか?
自分が何か悪いことをしたのか?
何故、他の子供の親ではなく、自分の母親が病気になってしまったのか?
などとても辛く、複雑な感情が蘇ってくる。
母上を絶対に助けるという強い意志は「リッド」自身のとても強い思いが源になっている気がする。
「……リッド? 大丈夫、とても難しい顔をしているわ」
「あ、すいません。この後する武術の授業について考えていました」
「そうなの? なら良いけど、無理をしてはダメよ?」
「はい、母上」
しばらく母上と話すと、武術の授業の時間が近づいて来た。
移動も考えるともう出ないといけない。
僕は椅子からスッと立ち上がり、母上に軽く頭を下げた。
「では、武術の授業に行って参ります」
「怪我のないようにね。あと、メルにもよろしくね」
母上に「もちろん、伝えます‼」と元気に返事をして部屋を後にした。
訓練場から木がぶつかり合う、「カン‼ コン‼」という音が響いていた。
「リッド様、大分上達してきましたね‼」
「ルーベンスの教えが良いからね‼」
武術の訓練は僕とルーベンスの一対一で行う。
最初に行うのはラジオ体操、そして走り込み。
ちなみに、ラジオ体操についてはこの世界に存在していなかったが、運動をするにあたって最初にすることで怪我の予防になるとルーベンスに伝えた。
彼は最初、懐疑的な様子だったが、一緒に何度かすると、「これ、いいですね。騎士団にも取り込んでいいですか?」と聞かれた。
「ん~、別にいいよ。でも、僕が教えたのは秘密ね。ルーベンスが考えたことにしてね」
と言ったら数日後、騎士団が訓練前に変な動きをするようになったと屋敷でしばらく話題になった。
何せ、騎士団は100人以上常駐しているのだ。
それだけの人数が一糸乱れぬ動きでラジオ体操をするので、屋敷の上階の窓から見るとかなり見応えがある動きになっている。
その様子を見て「シンクロナイズドラジオ体操」と心の中で僕は命名した。
動きがうまく合わない団員には、上司から叱咤の声が飛んでいるのが見えた。
その時「僕の知っている、ラジオ体操ではない」と青ざめて一人慄いた。
「ラジオ体操は怪我の防止だけでなく、隊で同じ動きをする為の訓練にも良い。よく考えたなって騎士団長に褒められました‼」
ルーベンスは人懐っこいワンコのような感じで「ホメテ、ホメテ」と言わんばかりに報告してきてくれた。
尻尾があれば、絶対にフリフリしていると思う。
「ああ、「シンクロナイズドラジオ体操」ね。あれ、見ごたえ凄いよね」
「なんですか?シンクロナイズドラジオ体操って?」
僕がつけた名前を聞いてルーベンスが少し斜めに顔を傾けた「クーン?」って聞こえてきそう。
「シンクロナイズドは同調、つまり同じ動きする意味だよ。あそこまでいくと僕の知るラジオ体操じゃないからさ。だから「シンクロナイズドラジオ体操」って僕が勝手に言っているだけだよ」
「それ、もらいます‼」
「へ?」
僕の返事を聞かずに、走り去っていったルーベンス。
その後、屋敷内では騎士団のあの動きは「シンクロナイズドラジオ体操」という名前のまったく新しい怪我予防を兼ねた同調訓練だと言う話が広まった。
少しすると「シンクロナイズドラジオ体操している騎士団って、かっこいいわよね‼」とメイド達の中でファンが出来てしまった。
合わせて時折、屋敷内に黄色い声が聞こえてくるようになった。
その様子を見かける度に「僕の知っているラジオ体操じゃない」と心の中で呟く僕であった。
ちなみに、ルーベンスは騎士団の有望株でまだ若い。
年齢も騎士団の中では僕に近いので異例の抜擢をされたと言える。
そんな彼なので、運動神経や体の動かし方に関してはハイスペックのリッド君に勝るとも劣らないような潜在能力を感じる。
だからこそ、ラジオ体操による運動前の準備体操の重要性にいち早く気付いたようだが、まさか、あそこまでの規模になるとは思っていなかった。
ラジオ体操って実は凄かったのかもしれない。
「訓練中に考え事はダメですよ‼」
「うわ‼」
「カーン‼」と今までと違う、強い乾いた音が響いた。
ラジオ体操騒動を思い出して上の空になった瞬間にルーベンスが僕の木剣を吹っ飛ばしたのだ。
勢いあまって僕は尻もちをついてしまった。
両手がかなり痺れて、ブルブルしている。
「ごめんね、ちょっと油断しちゃった」
「訓練でも気を抜いたらダメですよ。実戦だと死に繋がりますからね」
実戦かぁ、辺境にいる以上は常に隣国からの侵略に備えないといけない。
いつか、僕も実戦に行く日がくるのだろうか?
「まぁ、リッド様の場合は実戦前にダンジョンで訓練があるでしょうけどね」
「ダンジョン‼ あるの⁉」
前世の記憶でゲーム「ときレラ!」には素材集め、キャラ育成用や隠しボスのいる高難度ダンジョンなどがあった。
なので、この世界にもあるのでは? と思っていたが、ルーベンスが情報を持っているとは思わなかった。
「ええ、ダンジョンは駆除対象ですからね。発生したら騎士団ですぐに駆除しに行きますよ」
「駆除ってどういうこと?」
ルーベンスの話だと、この世界に存在するダンジョンは生き物の一種か、それに近いものと考えられているらしい。
ダンジョンは地中深くにあるコアが月日をかけて多大な魔力を生成。
一定以上の魔力を生成すると、地上に出入口を作る。
そして、月日をかけて蓄えた魔力を元にダンジョン内で「魔力に満ちた生き物」つまり魔物を生み出す。
合わせて人族が好む金銀財宝も作り出す。
そして、その金銀財宝を求めてダンジョンに入って来た種族を魔物に殺させて自らの餌にする。
放っておくと、事故に繋がるほかダンジョンが魔力で満ち溢れると魔物が大量発生して、外界で獲物となる存在を探すようになる。
生み出される魔物はコアが蓄えた魔力に比例して強さが変わるので、外界に出てきた魔物は強い場合が多く、多くの人が命を落とす危険もある。
駆除の為にはダンジョン最深部まで潜りコアを破壊しないといけない。
コアを破壊するとそのダンジョンは二度と発生しない。
だが、最深部でコアを破壊するとダンジョンが崩壊してしまい、内部に残っている人間は生き埋めになってしまう。
その為、コアの破壊が難しい場合には、コアを傷つけて出来る限り弱らせれば良い。
傷付けられたコアはまた地中深くに潜り魔力を貯めるようになる。
コアの発生条件の詳細についてはわかっていない。
その為、領内では騎士団が過去にダンジョンが発生した場所を定期的に巡回。
あとは様々な場所でダンジョンが発生していないか調べている。
ダンジョンの駆除方法に関しては国や領地によって異なる。
騎士団を使う。冒険者ギルドに依頼するなど様々らしい。
「ダンジョンってなんかアリの巣みたいだ」
「そうですね。その考えで良いと思いますよ」
ダンジョンの説明を聞いた時に、頭によぎったのは言った通り「アリの巣」だった。
コアが女王アリで、魔物が働きアリといった所だろう。
将来的にはダンジョンを効率的に見つける方法。
コアを安全に破壊する方法も探すべきかもしれない。
「ちなみに、冒険者ギルドっていうのは?」
「冒険者ギルドはわかりやすく言えば、なんでも屋ですよ」
(やっぱ、そんな感じなのか)
「せっかくだから、もうちょっと詳しく教えてよ」
ルーベンスは「やれやれ」と言った感じで今度は冒険者ギルドについて説明してくれた。
僕はというと前世の記憶から冒険者ギルドと言う言葉にこころが躍っていた。
冒険者ギルドは、国によって運営されている「国営ギルド」と「民間ギルド」の二種類がある。
マグノリアの冒険者ギルドは国営ギルドで、本部は帝都にあり、支部が各領地の町にある。
仕組みとしては、領内から様々な依頼を募集してフリーランスの冒険者に対応してもらう。
依頼難易度に応じてランク付けがあるので、高難易度になるほど当然、報酬金額は高くなる。
依頼者と受注者の両方から冒険者ギルドは手数料を引いている。
基本的にはこの手数料商売によって運営されているギルドが多い。
マグノリアの場合はさらに受注者に対して任意の補償制度がある。
もし、依頼によって怪我をした場合は治療費の一部を冒険者ギルドが負担してくれる。
ちなみに補償を受ける為には報酬予定金額の10%をギルドに手数料として事前に支払わないといけない。
先払いの理由は受注者が失敗してしまった場合や逃げ出した時を想定している。
他国にある民間ギルドも基本的な構造は一緒だが、手数料の金額は国によって様々なのでギルドを利用する時は、下調べをしないと痛い目に遭うこともあるので注意が必要。
冒険者ギルドに登録するとギルド証を作成してくれる。
これが身分証にもなるので、ギルド証の為に登録する人もいる。
なお、他国間においてはギルド間で情報共有はしていないので、国ごとでギルドは登録が必要。
ただし、他国での実績を考慮してギルド証は発行されるのが一般的なのでランクは維持できる。
バルディア領も冒険者ギルドはあるが、騎士団があるので討伐、駆除などの依頼は少ない。
だが、アイテムや素材採取の依頼は多いので、のんびり暮らしたい冒険者が多いらしい。
「長くなりましたが、こんなもんですかね?」
「うーん、話だけ聞くと冒険者ってギルドに引かれるものが多そうだけど、儲かるの?」
「実力があって、ダンジョンにいけるなら結構良いらしいですよ。国によっては、一部のダンジョンを常に解放出来るように、コアに与えるダメージを計算している所もあるそうですし。マグノリアではリスクが高いからしていないみたいですけどね」
なるほど、将来的なリスクも考えると冒険者登録もいずれしてランクを上げておいたほうがいいかもしれないな。
そんなことを思いながらルーベンスとの訓練は無事に終わった。
「リッド様、お疲れ様でした。どんどん上達していますから、将来が楽しみです」
「うん、ありがとう。その将来が近づくまでにはちゃんとディアナと結婚しておいてね」
「な、なな‼ だから、その話はしないでくださいって言っているじゃないですか⁉」
ルーベンスにはディアナという想い人がいる。
幼馴染で同じ騎士団に所属している美人だ。
前回、ルーベンスをこの件で茶化したことがディアナに知られて怒られたのだが、だからこそ言える。
この二人はお互いに好きなのに、空回りしているまさに典型的な「幼馴染属性」なのである。
「大体、なんでそんなに自信がないかな~。絶対にディアナはルーベンスに気があるよ?」
「そんなわけないじゃないですか⁉」
「なんで?」
「だって俺、朝起きるのが苦手なので、ディアナがいつも起こしに来てくれるのです。でもその時必ず「いつまでも私が起こしてくれるなんて思わないでね。私もいつか結婚するし」って言われますし……」
「……」
「あと、お昼の時間帯も俺に弁当作ってきてくれるのですけど、その時も「いつか、夫が出来た時の練習だから、あんたの為じゃないからね」って言われるのですよ‼」
「……」
「確かにリッド様の言う通り俺はあいつが好きです。俺が騎士になったのも、子供のころにディアナを絶対に守れる騎士になってみせるって約束したからなのです」
「……」
「俺、たまにディアナの両親を交えて晩飯食べるのですけど、ディアナの両親からは「早く結婚したら」って言われるのです。でも、ディアナに「ルーベンスはただの友達‼晩御飯を多く作り過ぎただけだから」って言われるのですよ‼」
「……」
「そんなあいつが俺のことを好きなわけ、ないじゃないですか⁉」
「……」
俺は何を聞かされているのだろう?
惚気か?
ルーベンスは馬鹿なのか?
ディアナが不憫過ぎる。
いや、ルーベンスの性格を理解してやってしまっているディアナにも問題があるのか?
あまりにもルーベンスが言ったことに衝撃を受け頭が混乱してしまう。
「……ルーベンスとディアナってなんか二人だけの思い出の場所とかある?」
「……ありますよ。おれがあいつを守る騎士になってみせるって約束した場所があります」
幼馴染の呪いか何かだろうか?
僕はとんでもない地雷を踏んでしまった気がしてならない。
「そこに、ディアナとデートで行って告白すること。絶対だからね?」
「そんな‼ なんで、そんなことをリッド様がお決めになるのですか⁉」
ルーベンスは目に涙を浮かべている。
彼もなかなかの美形なのでメイド達がみたら喜ぶかもしれない。
だが、彼の様子を見ていると何故、僕がこんなことで悩まないといけないのか、馬鹿らしくなってきた。
その時、思ったことをつい口に出してしまった。
「うるさい。大体、ディアナが可哀想だよ。ちゃんとルーベンスの気持ちを伝えなよ」
「……え?」
「ディアナの性格を一番知っているのは、ルーベンスでしょ?じゃあ、ディアナの言葉の真意を考えなよ」
「……」
ルーベンスは何か思い当たる節でもあったのか、急に思慮深い顔になり考え込んでいる。
てか、ここまで言わないとダメなのかよ‼
「はぁ~……思い当たることがあるなら、デートして約束した場所の前でちゃんと気持ちを伝えなよ?」
「……わかりました」
これで告白しなかったら僕、ルーベンスが嫌いになりそう。
げっそりと疲れた僕は次の授業に移動するのであった。
武術が終わると今日はマナー、歴史、算数、ダンスなど様々な授業を受ける。
全部が終わるぐらいに夕食の時間になる。
夕食は出来るだけメルと一緒に食べるようにしている。
夕食をメルと食べる時は今日の出来事を話し合うのが日課だ。
でも、ルーベンスの話だけは控えた。話すだけで疲れそうだったから。
夕食が終わると僕は書斎に行って宿題や調べ物をする。
メルが寝る前に絵本を読んでほしいと来るときもある。
その時はメルに絵本を読んだりする。
ちなみにこの世界のお風呂はお湯で濡らしたタオルで体を拭くのが主流だ。
もちろん、お金をかければ風呂を用意することはできるが、いまは我慢と諦めている。
将来的には改善したい部分だ。
そうして、今日が終わっていく。
近々、父上もクリスも帰ってくるだろうから、また忙しくなる。
そう思いつつ、僕は眠りに落ちていった。
ちなみに後日、ルーベンスはディアナに告白して無事「付き合う」ことになったらしい。
……結婚しろよ。
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