第10話 苦渋の決断 緑の絨毯の縮小
今回はちょっと短いです。
9月に入りましたが、まだ残暑は続いています。が、二期工事以降に植え付けたクラピアのほとんどが思ったように広がっていってくれません。成長はしているのですが、横方向に広がる力より、上方向に広がる力の方が大きいらしく、放っておくと次々に立ち上がってしまいます。こまめに踏みつけるようにはしているのですが、成果はあまり芳しくありませんでした。
多湿で徒長するのは以前の経験でわかりましたが、ここのところ雨は多くありません。何が原因だろうと、ネット上でいろいろな方の体験等を見ていたところ、『日照が足りないと立ち上がって徒長する』と書いてあるのを発見しました。
出光のQ&Aには『日照は3時間程度あれば成長する』と書いてありましたし、半日陰でも大丈夫なグランドカバー植物のカテゴリに入っていたので気にしていなかったのですが、どうやら梅雨時に徒長したのは、水に漬いたことだけが原因ではなかったようです。
とりあえず、徒長した部分を刈り込み、今後の成長に期待していたのですが、この秋は前線の活動が活発で、9月末には長雨に突入し、また庭が水浸しになってしまいました。
新たに作った築山はよく水が浸透しますし、遊水池にも水が流れ込み、期待通りの働きをしてくれています。しかし、二期工事で踏み固めてしまったエリアのクラピアの周囲は、水がはけが悪く、少しでも低くなっているところには水がたまって、クラピアが水に浸かってしまいます。
伸び始めたクラピアも立ち上がってしまって、なかなか緑の絨毯という感じにはなってくれません。
そんな状況の中、数箇所、きれいな緑になっているところを見つけました。隣家に近い一番日当たりが悪いところなのに、クラピアが頑張っているようです。もしかすると境目のブロックのすぐそばだから水はけが良く、それが好条件になったのかもしれません。
などと考えながら近づいて、よく見ると、なんと、クラピアではなく、みっしりとゼニゴケが繁茂していました。
クラピアもまばらに生えているので、遠目にはきれいな緑の絨毯に見えるのですが、近づいてみるとかなり体裁が悪いです。
隣家側の半日陰の土地は、晴天ならクラピアの生育条件に合うのですが、雨天や曇天が続くとすぐに日照不足に陥ってしまいます。また、水を流す場所を作っても、ゼニゴケがみっちり繁殖するほど水はけが悪いのではクラピアの育成は厳しいと考えざるを得ません。
ここに至って、私はこのエリア全部をクラピアで被覆することを諦めました。
一度行った成果を破棄することは断腸の思いでしたが、このままではどうにもならないことは確実です。
そこで、今までの工事で成果が出ていた遊水池の作成と築山の整備をアレンジして、水はけの改善を行うことにしました。
具体的には、庭の中心に遊水池から続く涸れ川(?)を掘り、降雨時に水を集めるルートにします。また、中に跳び石を配置し、見た目園路のようにすることで、景観的にも自然な感じになるように工夫します。さらに、涸れ川(?)を緩やかにカーブさせることで、視覚的な効果を用いて庭に広がりをもたせるようにしていこうと考えました(注)。
なお、遊水池を掘るときに土のやり場に困った反省を基に、掘り上げた土は最初から両サイドに積み上げるよう計画たことは言うまでもありません。
ちなみに、土は特に日当たりの悪い隣家側により高く積むようにしました。境目のブロックがあるので、高さを稼げるからです。園路側は、伊勢五郎太石(ホームセンターで手に入るそれなりの大きさの石の中で一番安かった)で土留めを施します。そして、日陰から半日陰を好む多年草の中で手間がかからなそうなものを選抜し、新たに植え付けます。逆に比較的日当たりのよい家屋側は低めのなだらかな山を作り、現在植わっているクラピアのうちから、特に密な部分を選抜して掘り上げ、植え替えることにしました。
当然ながら、クラピアについては一度全て掘り取ります。もったいないしかわいそうですが仕方がありません。
このような計画で、改めて整備を進めることにしました。
今日の教訓:
何事も過信してはいけません。クラピアは素晴らしい植物ですが、決して万能ではありませんでした。
注:このあたりは造園の本で勉強しました。




