第9話 遊水池づくり・築山づくり ……そして完成!
7月某日。遊水池用の穴が掘り上がりました。
遊水池の中には、更に浸透穴を兼ねた植栽用の穴を5つ掘りました。その穴の底には赤玉土(大)を敷いて、その上に腐葉土を混ぜた土を入れて埋め戻してあります。
平地部分との段差の土留めには、最初、経済的な観点から、一番安い赤レンガを使用しようと考えて、並べてみましたが、安くさい感じがして、なんとなく雰囲気がよくありません。そして、私の素人作業では、どう頑張っても直線が出せないため、手作り感満載な雰囲気になってしまいます。
最初から興がそがれるのもなんか嫌なので、使用するブロックを御影ピンコロに変更したところ、自然な感じが出て良い雰囲気になってきました(※購入してあった20個あまりのレンガは、後日、別の用途で使用しました。もったいないので……)。
これらの作業を行う中で、気がついたことがあります。
どうやら、我が家の庭の土壌は表面の60cmほどはガラが大量に混ざった粘土質の土なのですが、その下は砂質になっているようなのです。
そして、砂質の層までたどり着くと、出てくるのは基本的にきれいな砂に変わり、石などのガラは全くありません。これは庭のどこを掘っても同じでした。
周囲の状況から考えると、我が家の建っている場所は、過去は田んぼだったはずなので、本来ならば下層からは田んぼの土が出てくるはずです。それなのに、砂質の層にあたるということは、どうやら、田んぼを埋めるときに、2回に分けて土を入れたと考えることができます。
つまり、砂を入れて田んぼを埋め立て、その後で建設残土のような物を上に敷いたらしいことがわかったのです。
何が言いたいのかというと、庭を砂質の層まで掘り下げ、その上の土をふるいにかけてやれば、庭から石がほぼ除去できるうえ、水はけの改善にも大きな効果が見られるということです。これはもう頑張るしかないでしょう。
こうして、私は今後の土壌改良について、地下60cmまでは掘り下げて行うことに決めました。
この新たな計画に則って、第4工区となる部分の整備を進めていきます。
ここは駐車場に接する部分で、面積にして2坪半ほどです。数年前に庭の整備を思い立って土壌改良を試みた部分が幅にして1mほど含まれるので、実質2坪弱をなんとかすればよい計算になります。
工法としては、土地を4分割したうえで、ブロックごとに掘り上げ、土を砕き、ふるいにかけて分別し、山にします。
2ブロック分の分別が終わったら、ふるいに掛けた土を穴に戻します。その際には、まだ掘り上げていない土が混ざらないように、穴の端の方に積み重ねていくようにしました。
また、作業の後半になると、掘り上げるた土を置く場所がなくなってくることが予想されましたので、犬走りの部分にブルーシートを敷いて、そこに未処理の土を積み上げ、ふるう作業は直接穴の中に行うことで作業の効率化を図りました。
なお、この作業以降しばらくの間、出てきたガラはさらに細かく分別することにしました。
ゴミ等の処理方法は変わりませんが、石を大小で分別し、2cm程度より小さい砂利は洗って乾かした後、袋に入れて保管することにしたのです。玉砂利や跳び石の下の敷砂利にするためでした。
ちなみに、これも庭から出土したゴミを資源化するための手段で、始めた当初は良いアイデアであると自画自賛していたのですが、現在では、しないほうがよかったと思っています。なぜなら、再生砂利はいろいろなものが混ざっていてあまりきれいに見えない上に、洗ったりゴミを取り除いたりする作業に結構手間がかかるからです。
2cm程度の大きさの砕石なら、大きさの揃った洗浄済みのものがホームセンターで一袋200円もしないで手に入ります(※セメント用等)。確かにゴミの量は減りますが、労力とそれによって得られたもののバランスを考えると、到底得をしたようには思えません。
余談ですが、石を洗う工程では、ホームセンターで1個98円(税抜)で売っていた育苗箱(底が平らで小さな穴がたくさん開いた、稲などの苗を植えるために使う黒いプラスチックトレイ)が大活躍しました。
上から水をかけながら石をごりごり洗ってやれば、泥や砂は下の穴から排出されるし、そのまま放置しておけば水も抜けてくれるので、とても都合がよかったです。しかもたったの98円なので壊れても全く惜しくありません。
使い終わったら本来の目的で使用してもいいですし、物入れにしするのもいい感じです。庭の整備の中で購入したものの中ではかなりのヒットだったと思っています。
作業を進めていくうちにあることに気がつきました。
いつまでたっても作業が終わらないのです。特に土のふるいがけに時間がかかります。穴掘りを1時間すると、ふるいがけに6時間ぐらいかかることもざらでした。休日早朝に作業を始め、気がついたら夕方だったということもありました。
なぜこんなに時間がかかるようになったのかというと、まず単純に掘る量が跳ね上がったからです。
今までは20~30cmしか掘り下げていなかったのを60cmまで掘り下げるようになったのです。掘る量が2~3倍になれば、作業時間も2~3倍、いや、時間がかかれば作業効率も落ちますから、実質の作業時間はもっと延びるのは当然です。
また、どうやら地下20cmから50cmあたりにガラが集中して存在する部分があるようで、穴掘りにも手間がかかるようになったこと。さらに、この層にはスギナの地下茎も大量にあり、その除去にも気を遣わなければいけなくなったことも原因としてあげらます。
結局、10日ぐらいで終わると思っていた、この2坪弱のエリアのふるいがけに、予定を遙かに上回る3週間以上の時間をかけることになってしまいました。
1月弱かかって何とか土のふるいがけが終わったので、植栽を含めた整備を開始しました。
まずはふるった土に腐葉土や赤玉土、籾殻くん炭、パーライト、バーク堆肥といった改良材を大量にすき込み、水はけの改善と有機質の増加を図ります。その上で、築山の形を整え、溶岩系の岩で周囲に土留めを施しました(※溶岩系の岩は通販でトータル140kgほど購入しましたが、それだけでは足りなかったため、近所のホームセンターからも購入しました)。
築山部分と犬走り等のコンクリートが打ってある部分の間には、30cm程度の平地を作り、直接山の土がコンクリート上に流れ出さないように工夫しました。
そして植栽です。築山部分の東側は庭の中でも特に日当たりがよい部分です。道路からもよく見えて目立つところですので、華やかに見えるよう芝桜で覆うことにしました。
ただ、遊水池へと落ち込む北西側については、上の方は芝桜を植えますが、下の方は場合によっては水に漬くこともあり得ますので、日陰や湿り気にも強いヤブラン、リュウノヒゲ等を植えることにしました。
北東側に作った、犬走りとの隙間の平地にはアジュガ、南東側の駐車場との隙間には、クリーピングタイムと、昨年他界した義父が、前居からもってきてくれた松葉菊を、溶岩石の隙間にはワンポイントとして数か所セダムを植えることにしました。
また、せっかくなので木も植えてみることにしました。将来シンボルツリーとすべく選んだのはポポーです。
知らない方の方が多いと思いますので書きますが、ポポーは北米原産の落葉樹で、和名はアケビガキ。その和名のとおり、アケビのような形をしたその実は食用で、甘みが強いそうです。また葉には虫に対する毒素が含まれているため、ほとんど虫は付かず、病気にもかかりにくい。その上、ほとんどの果樹は日向を好みますが、半日陰でも問題ないという素晴らしいスペック! ただ、1本では実が付きにくいらしいので、庭の奥の方の日当たりが良いところに別の種類をもう1本植えることにはなりましたが……。
次に、遊水池の中です。
あらかじめ掘っておいた穴に、クサソテツ(こごみ)とギボウシ(うるい)を植え、防草シート上に再生砂利を敷きました。そして数か所に岩瀬砂を入れて押し固めた後、跳び石を設置。最後に玉砂利を施しました。
ホームセンターに行くと必要量の目安が書いてあるのでわかるのですが、この玉砂利代が馬鹿になりません。防草シートが見えないように石で覆い尽くすには、最低でも1㎡で5袋とか必要です。
しかも、化粧砂利などのきれいな石は高い。しゃれにならないほど高いです。10ℓで安いものでも300円。高いものなら1,000円以上もします。
今回の範囲は6㎡ほどありますので、まともに敷いたら安い石でも9,000円、高い石なら30,000円もする計算になります。
そこで思いついたのが、『上げ底作戦』です。
まず、20ℓ200円ぐらいの『セメント用』と書いてある玉砂利を、防草シートを完全に隠すように一面に敷き詰めます。そして、その上から薄ーく、きれいな玉砂利を敷きます。これならば、予算が本来かかる値段の半分以下に抑えられます(※本当は造園屋さんからトラックで買えば一番安いのですが、素人では全部でどれだけ買えば良いか見当が付かないし、余ったら余ったで処分に困ります。そもそもそれに気付くなら最初から全部造園屋に任せているという話も……)し、多少下のコンクリート用の砂利が見えても、同じ玉砂利ですからさほど気になりません。
こうして砂利を敷き詰めて、やっと今回の工事が終了しました。これで庭の約2/3の整備が済んだことになります。
※築山はこんな感じになりました
※そして遊水池です
また、平行して、クラピアを40株追加購入し、枯れてしまった部分に植えました。
そして、前回までの反省から、鉢やプランターにもクラピアを数株植えておいて、枯れたときの移植できるように対策をしておくことにしました。さらに、ジフィーセブンという培養土(?)を買ってきて、クラピアの切れ端を植え、増殖にも挑戦することにしました。
「いろいろな対策を整えて、後顧の憂いもなくなった。長かった作業の終わりがやっと見えてきた」
……と、この時は思ったものです。
今日の教訓:
①DIYで縁石を並べるなら、組み合わせるタイプのブロックを使うか、逆に形が整っていないものにする方がよいです。普通のレンガのように形の整ったものを並べると、相当高い技術がない限り、どうしても段差や屈折ができて、素人感丸出しの見た目になります。最初から形が整っていない石なら、多少の段差や屈折も『味』になるものです。
②土のふるいがけには、めちゃめちゃ時間がかかるし、めちゃめちゃ疲労します。自分では頼んでいないのにこう言うのもなんですが、最初から業者に頼んで土を入れ替えてもらった方が時給換算したら絶対費用対効果が高いです。
なかなかきれいにできたと思いませんか?(自画自賛) もしよろしければ評価などしていただけるとうれしいです。




