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【完結】nOva urGE/ノヴァアージ ~みんなと心を信じあう冒険~   作者: ラクルドゥ
第三章:第10話-《苦》の歯車∬ 絶望の戦い-
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第10話その4『《苦》の歯車∬希望の覚醒:鉄拳制裁』

※この『物語』は『フィクション』です。

※それなりに『立ち向かう』気持ちで読んでください!



主観変更side_テグラ

▲▲▲▲▲▲▲▲



 さてと………あとはじっくりと殺すだけだ。

《今度》は勝った!『力』の歯車に負けて以来、実に、実に長かった!

思い返される屈辱の数々!せっかく『町』の連中、ほぼ全員を追い詰めた、あの頃!

あいつさえいなかったら勝っていた!!



 あいつさえ……!!



▲▲▲▲▲▲▲▲

▲▲▲▲▲▲▲▲



『……お前か…?『町』を蜘蛛の巣だらけにして、みんなをこんな風にしたのは?』

《ああ、その通りだが?そういえばお前はまだ、ウイルスにかかっていないんだったな。

旧式であることで九死に一生を得たんだな?

安心しろ、今すぐ仲間と同じようにしてやる!》



 ――ヤツは、『力』強く。ただひたすらワレに向かっていた。

あの猿のような馬鹿は、ただひたすらに向かっていた。





『レツ…シロ……本当にお前が…

お前が…やったんだな?《タランチュラ》?』

《ああ、そうだもとやってやった!!》





『…』

《たかだか蜘蛛のワレ相手に、汎用人型のお前が怖気ずいたのか?

ならばせめて恐怖を持って貴様の目の前で貴様の大切なものは全部壊してやろう!》

『…てめぇは…』

《あ?》

『ここで完膚なきまでに俺がブっ潰すっッ!!!』



 支配を逃れるためにあの猿は、ワレに怒りとさえ形容しがたい心で近づいていたのだ。 



▲▲▲▲▲▲▲▲

▲▲▲▲▲▲▲▲



 ほかの連中とは違い、旧式のアナログであるがゆえに

ウイルスに感染せず、『力』だけは強いあいつさえいなかったら!

あの『町』はワレがものだったのに!!



 あいつさえ、あいつさえ!あいつさえ!!あいつさえぇ!!



 いなかったら!!ワレはすべてを支配できたのにィ!!

ワレと貴様のどっちが上位か!どっちが劣っているのか、次こそわからせてやる!!





 今度こそ奴を破壊してやる!!

だが今は…今回の冒険社共をワレの勝利だ!ワレはようやく!ようやく勝てるのだ!!!

これはいずれやつに復讐する布石だ!



 ――ふふふ、待っていろよぉ…



 今度こそ、ぐっちゃぐちゃに奴をつぶすッッ!!

あいつをつぶす!!そしてじっくりとわが力の糧にしてやる!!

そしてより強力になったら全員を服従させ、屈服させたうえで超越共を食らいつくす!!







 前回があったからこそ、今回はうまくいった。

あの時の奴の心に負けたのだ。同じ轍は踏まん。一度見た心に苦しみは負けないのだ。

「ふはははは…さてと…ではそろそろこいつらには死んでもらうか…」

 ワレは脚でそこらに転がった鬼の小娘を串刺しにしようとする。

「そいつは…どうかな…」

「何…?」



 ワレが、意識していなかった『奴』は、不死鳥のごとく立ち上がる。




主観変更side_サイム

□▽□▽□▽□▽



 俺はゆっくりと体を持ち上げる。

「はぁ…はぁ…!」

「馬鹿な!?もう体は起き上がらないほど徹底的に痛めつけ!

苦しみのオーラまで当てたはずなのに!

貴様ァ!?何をしたああああああああ!!?」

「ギャーギャーうるせぇよ。カス野郎が。

まだ俺は終わってないってことさ。」

 正直気持ち悪い。苦しい。





 ――テグラは残り二つの目で俺を見て驚く





「馬鹿な!?その右目!!『瑠璃色るりいろの瞳』!!

さらに創造主が戦う時と同じ、『白き火の隈取くまどり』!!

その目の奥にあるのは『誕生の四角しかく』か!

まさか、お前!!?【アクセス】したなァァ!!

創造主と《ワレら》と同じ【最誕因子へんすう】をッ!!保有したなァッ!!」



 何言ってんだ…難しいことは知らねぇよ。

「それにどこか見たことある顔と思ったが!

ようやく思い出したぞ!!

貴様、幾多の名で呼ばれた『日本鳥ヒノモトトリ』に類するものだな!!

国作りより忘れ去られたおぞましい始祖神!!

最初に神と呼ばれし【人間】、忌々しい土着信仰の神にして!!

貴様は『始まりの国津神』に類する存在だったのか!!?」



「神だ…?そんなもんを、信じたところで意味はない…。

時間の無駄だ。…今ある一歩を進むのは自分自身だ。」

 俺は脚を一歩一歩少しずつ奴へとむけて歩いていく。

苦しくても歩みを止めない。命は苦しくても止めない。



「その言葉!!まぎれもなく【最誕】!!

それこそ、まさしく日本鳥ヒノモトトリの系譜の言葉!!

【人間道】たる証!!確実に殺さなくてはならないッ!!

貴様をのさばらすわけにはいかないッ!!」

「こっちの言葉だよ。蜘蛛野郎が。」

 どれだけ苦しくても。俺の譲っちゃあならない思いのために生きているから。

苦しくても曲げちゃならないんだ。譲ってはならないんだ。

それを貫いた先に幸福ってのがあるって信じているから。



「放っておくわけにはいかない!!

『最誕因子』を会得した【超極人ちょうごくびと】は最も生かしてはおけない!!」

 だが体中から血が抜け落ちていくのを感じる。

だけどよ!まだ終わってねぇんだよな。()()()、ニッちゃん…







「貴様だけ速攻で絶対に殺してやる。

其れの危険性も知らぬものを、この世で生命への危険性がわからぬ愚か者に粛清を!

デビルマシンガン極苦モーーーードセットぉぉぉぉooooooo!!!」

 テグラのもとに強大な力が集まっていくのを感じる。

ニッちゃんの元へとやってきて、ハンドギアをその手へとはめ込む。

「ニッちゃん………借りるぜ。」

 ハンドギアをニッちゃんの手から引っこ抜く。

「いまさら武器を変えたところで何もかも遅い。

お前はワレの中で脅威として認定した。確実に殺す。」

 俺はハンドギアを左手モードへと変更しゆっくりとはめる。





 俺の槍を床に少し突き刺す。そして中腰になり。ゆっくりと音を絞るように声を発する。





挿絵(By みてみん)

※拡大推奨



「01」

 俺の視界がぐるぐる、チカチカとブレる。大きな力が両手へと集まっていく。




 息を吸い込み。左手で右腕を掴み押さえつけ。



 この力の名をふり絞る。



01(ザ・ワン)…Id…アビリティ…」

 ――そう……この能力の名前は

「カオス…ミックス!!!」






 俺はニッちゃんのハンドギアがはまった左手を地面にたたきつける。

すると左手が床の中にずぶずぶと埋まって…いや()()()()()()



「なんだ?その左手は!?」

 あいつからしたら左腕が突然めり込んで消えたようにみえるだろうな…。

今、俺の『左手とこの床』は()()になっている。



 左腕の感触は床に接地している物が触れている感触だ。

左腕と床が同一の存在だ。つまり左手が床で床が左手だ。

だから…殴ろうと思ったら!

俺は普段左腕でアッパーをかますように、握りこぶしをしている感じと同じように動かす。



 その思い浮かべた通りにテグラと同じくらいの大きさの、『()()()()()』の形をした『石像(俺の腕)』が『()』からせり出してくる!



 そしてその石像になった左腕でテグラを思いっきり力いっぱい殴りつけるッ!

「GYAOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」

 テグラは吹っ飛ばされ。地面へと叩きつけられる!!







 俺は左手のカオスミックスを解除する。

そしてニッちゃんのギアが収まった元通りの左手に戻る。



 これが俺の能力。

粒子レベルで『()()』と《()()》を混ぜ合わせて【()()()()()】へと融合させて

それぞれの物質の特性をそのまま持たせる能力。



 吸収と合体をして混ぜて新しい存在へ創りあげる。

2つを1つに

すべてを1に

()()()()()()()()()()()()()()



 それが俺の能力『()()()()()()()』。



□▽□▽□▽□▽





「よくもやってくれたなァ!!!」

 奴がアッパーの衝撃でひるんでいるわずかな隙!

今しかない!俺は苦しみの中、何とか目を開けてユウジとユミの武器を左手に掴む。



「カオスミックス!!」

 ユウジとユミとニッちゃんの武器が混ざり

ニッちゃんのハンドギアの指先に小さな銃口が付いた、何とも形容しがたいキャノン+ガン+ハンドの武器が出来上がる。



「よっと!」

 キャノン砲をテグラへけん制代わりにぶち込む!

「効かん!貴様の攻撃なぞ効いてなるものか!!!」

 だが外殻にはじかれてしまう。

そうこうしているうちにテグラは足で移動している俺を狙いすましつつ。

なおかつ糸を出してくる。



「くッ!」

 だが…この場所にはソライがいる!

俺は右手を伸ばして何とかソライの武器を掴む!

「借りるぞソライッ!!カオスミックス。」



 俺はソライの武器と俺の武器を混ぜ合わせる。

すると薙刀らしき槍っぽい武器が出来上がる。それを使い、糸を斬る。

「何!?」



 そしてソライの近くには当然……あの子がいる!

「あと一つ、ハナビ借りるぞ!」

 俺は苦しんで気絶してしまったハナビのもとへやってきて。

そのコードをひっつかむ。





これで…そろった!!

「今、六人全員の力を一つに!カオスミックス!」

 まばゆい光とともに、俺の手元に武器が混ぜ合わされる。



 それはニッちゃんのハンドを吸収し手に装着できて。



 それはソライの刀を吸収して刃がついてあって。



 それはユミのキャノンの威力がブーストとなっていて。



 それはハナビのコードのようにしなやかで。



 それはユウジの銃のような銃口いろんなところについていて。



 そして俺の槍のように鋭く。



 全部の武器の特性を持ち、それらを凌駕した武器。

全ての思いをてんこ盛りにして、みんなの気持ちを合わせた武器。

片腕を覆い柄さんばかりの、指に巨大な銃口のついた蛇腹状の剣をした

手の形をした武器を俺は混ぜ切った。




 「何だ!?その武器は!?

何だああああああああああああああああああ!!?」

「みんなの…心だ。お前の苦しみに負けない思いを、俺に託してくれた心の塊だ!!」

 チャージ開始。ロックオン開始。



「何をしたのかは知らない!

だがお前ごときにワレが負けるわけないんだよおおおおおおおおお!!

死ねえぇ!!!」

 テグラの足が向かってくる。



□▽□▽□▽□▽



 この六人分の心を一つに込めた武器…。

……()()()()()()()とでもいおうか。

こいつが負けると思うなよ。



 ――…みんな……いくぞ…。






 俺は武器をひとなぎする。

「ん?何を!」

 するとテグラのあしは。

俺が薙ぎ払った部分だけ、きれいさっぱり切れてなくなってる。

「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!

WHY!?WHAT IS THIS!?

THIS THIS!? WHY!?WHERE MY LEG!!?」

「次は眼を潰す。」

 俺は冷静にテグラを見据え、武器を構え走り出す。





 だが充電完了だ。高ぶる未知への思いは!

「60%ファイア。」

 ユミのキャノン砲を取り込んでいるので

キャノン砲を促進力の代わりにしてただ前に突き進む。もっと早く!

「負けてたまるかッ!終焉絶大弾!!!!」





 テグラのもとに強大無慈悲な弾幕が展開される。

ユウジの知識はこんなもんじゃあねぇぞ!

「白野流銃術

カルテットバレッツ。」

 俺は蛇腹剣の銃口を向け、弾幕に弾幕をぶつけ消していく。



 だが、どれだけ弾幕を展開しようとも、切り抜けられそうもない量の弾幕が目の前を覆う。

これだけの量を浴びたらひとたまりもないだろう。普通なら…。





 ――…『()()』からすれば、『その程度』の弾幕で勝った気になるとはな!!





「応木流刀術 柿。」

 それを俺は回転切りで全部切り倒す。

「ぬぅうううう!!貴様ああああああああああ」

 だがテグラも巨大なでかいエネルギー弾を発射する!

視界覆うほどの苦しみのエネルギー体だ。





 俺らの心は乗り越えてここまで来たのは、これよりでかい日々と場所の数々だ!!

そうだろ!ハナビ!

「雷撃最大電圧。」

 俺は刃から雷を照射しこれを迎え撃つ。

雷は巨大な苦しみを打ち消していき、眼前の蜘蛛を視界にとらえていく。

まるであっけなく。





 俺達がこれまで力を出し切ってここまできた道。

それぞれの力を出しあって、築いてきた日々のすべてが、ここにある!!

どんなことをしようとも、お前なんかに俺達は撃ち破れると思うな。

「お前お前お前お前!お前えええええええええええええええ!!!

なぜワレは、これほどまでに『()()()()()()』のだ!!??

解せぬ!!解せぬ!!!

ありえない!!オカシイダロオオオオオオオオオオオオooooooooooo!!!!」





「100%ファイア。」

 俺はさらに炎を出し。勢いよく空中へと飛び、ヘキサウェポンを完全に展開する!。

「飛んだだと!?日本鳥ヒノモトトリ…否!キジタケヒコ(不死鳥)めええええええ!!」

 テグラに言われたように蛇腹剣のような指を展開した俺の姿は

まるで片腕に『不死鳥の尾』が生えているのだろうと少し思った。

なら不死鳥らしく、死んでは生まれる。終わっては始まるという意味を込めて。

お前との因縁、因果の始まり。

最も始めに出会ったモンブに繰り出した技で引導を渡してやるよッ!





「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!

武山流槍術ッ!

陸合目ェ!六甲ううううううううううううううううううううううう!!」

 そして俺は残った二つの眼のうち片方をぶち当てる。

俺の槍を取り込んだ。この武器の鋭さが食い込み、目が音を立ててひび割れる。

残り一つ。ど真ん中の九つ目、最後の目玉のみ!!





「GUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!

だが貴様!ワレに触れたなぁ!?この苦しみのオーラを出しているワレにィ!

直接触れたなぁ!?苦しんで死ねええええええええええええええええ!!!」

 テグラから苦しみのオーラが俺へと伝わる。

「うるせえええええええええええええええええ!!!

苦しみなんかにな俺の心は負けねええええんだよおおおおおおおおおおお!!!!!」

 そして俺は気が遠くなりそうな苦しみが伝わる。

だがな、苦しみごときがどうしたってんだ!



 ニッちゃんの優しさを

ソライの馬鹿さを

ハナビの無垢さを

ユウジのひらめきを

ユミの思いを

そしてヒトメの愛を!!



 俺がここまで生きているのに支えられたものに比べたらよ!

そんな苦しみなんか!!ちっぽけなんだよ!!!



混ざり切った武器に対してカオスミックスを解除する。

武器がバラバラに落ちていく中

俺はテグラの目玉に刺さった槍で、体を支えながら

真ん中、最後の目玉に映るボロボロの自分を見て、最高に笑いつつ。



 残ったニッちゃんのギアを使い。

思いっきり残った中央の目玉を

『あの子のよく使う決め台詞』とともに

ぶん殴るゥッ!!!!!






() () () ()ッ!!!!」






「GYAAOAOAOAAOAOAOAOAOAOAOAOAOAOAOAOAOAOOAOAOAAOAOAOAOAOOAOAOAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!」

 テグラは目から致死量と言っていい体液を流し、バランスを崩し地面へと激突する。

俺はゆっくりと槍を引き抜き







 ――ふぅ…とため息を零す。




 勝った。勝ったんだ。みんなのもとへ駆け寄る。

…みんな血色がよく。安らかな顔で息をしている。

よかった……みんな苦しそうじゃない。俺たちは勝ったんだ。



 大切な人を俺は守れたんだ…。



 最も暗い夜明けを超えたんだ。

朝日がまぶしい。


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~ノヴァアージ知恵袋のコーナー~

~おいしいご飯を食べると心暖かいぞ!~

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